2015年10月27日 ---- ボス

『君の膵臓をたべたい』

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この欄で幾度か述べたが私は青春小説が好きだ。読んでいる時間は私も高校生、大学生だったあの頃に戻れるから。高校生時代、大学生時代の想い出は多い。私の人生に於いて、「楽しかった思い出」の8割はこの時期のものだ。◆オフィスから徒歩1分の場所に「TSUTAYA書店」がある。私は週に2回は訪問する。月刊誌を手に取り、ビジネス書をチェックし、文芸書の背表紙を眺めるだけで楽しい。私のストレス発散の場所になっている。その「TSUTAYA書店」の文芸書コーナーに7月からグロテスクな題名の本が平積みされていた。『「君の膵臓をたべたい』  ◆趣味の悪い題名(と感じていた)この本を私は手に取ることはなかった。誰がこんな本を読むのだろう、と不思議に思っていた。だが8月になっても9月になってもこの本は文芸書のコーナーに平積みされていた。「TSUTAYA推薦」という意味なのだろうか。10月になって、とうとう私はこの本を手に取り、書き出しを読んでみた。驚いた。一気に引き込まれた。読み始めると同時に私の気持ちは高校生時代に戻っていた。3ページまで立ち読みし、私はその本をレジへ持って行った。ゆっくり読んでみたい、と思った。果たして『君の膵臓をたべたい』という奇妙な題名のこの本は素晴らしい青春小説であった。◆“住野よる”というこの本の作家の名前は初めて知った。文体は村上春樹にとても似ている。村上春樹ほどにムダをそぎ落とした文章ではないが、大学生時代に読んだ村上春樹の初期の作品と似た匂いが私には心地よかった。とても都会的な主人公を描くこの二人の作家、村上春樹と住野よるがともに関西出身と言うのも面白い。敢えてもう一人、“住野よる”の文章に似た作家と言われれば志賀直哉か。本人もそれを意識しているようだ。◆来年か再来年にはきっと映像化され『世界の中心で愛を叫ぶ』のような反響になるであろうこの作品、私は女性主人公に“長澤まさみ”さんをイメージしながら読みふけった。久しぶりに涙を流しながら本を読んだ。映像化される前に是非読んでみて欲しい。お勧め。

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2024年04月24日 ボスの
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