2016年02月26日 ---- ボス

ヘリコプター操縦士不足問題

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これが社内の会議だったら 「その程度の準備、考えで会議を招集するくらいなら、こんな会議止めちまえ!」と一括するところだ。ところが私はオブザーバーという立場での出席であるため紳士的に、極力声を荒げることなく、穏やかに発言をした。「止めちまえ!」などと言うと「どうぞ、キノシタさん、ご退席ください」と言われてしまうので。◆バブル崩壊後、新しくヘリコプター操縦士になる者が極端に減った。このため現在のわが国のヘリコプター操縦士の年齢構成はとてもいびつになっている。50歳以上の操縦士が非常に多い。まさに「団塊の世代」なのだ。彼らが定年の時期を迎えている。若手の操縦士をすぐに養成すれば間に合うか、といえば簡単ではない。現在、わが国のヘリコプター需要の最も多い「ドクターヘリ」「防災ヘリ」は2000時間の操縦経験を持ったものでなければ運航できない。若い操縦士に2000時間もの飛行経験を積ませることは簡単ではない。そこでこの会議が開かれた。「2000時間の飛行経験が本当に必要か?」 「2000時間の飛行経験に置き換わる措置はとれないか?」 「シミュレータの活用はどうか?」などを協議するものだ。運輸省、厚労省、自治省からも役人が出席した。◆穏やかな、のんびりしたムードで会議が進む。出席している各人にあまりにも危機感がないように感じたので私は手を挙げて発言を求めた。◆「私は現行の基準要件での運航を続けていくことは2~3年で破たんすると読んでいます。計算根拠もあります。ここに出席されている方々はいったいいつがリミットだと思っているのでしょうか?少なくとも業界としての共通認識を持った上で会議を進めなければならないんじゃないですか?」 この私の質問に対し、この協議会の委員長は「このままでは15年後には無理になると理解しています」と答えた。続けて業界最大手の運航会社の方が「当社では現状の基準要件のままでも永遠に運航を続けていくことは可能です」と答えた。◆私は、あきれた。委員長は「15年後は深刻」と言い業界最大手は「永遠に大丈夫」と言う。これじゃ誰も緊迫感を持たないわけだ。馬鹿らしくなった。「なにを根拠に、そんな悠長なことが言えるのか私には分からない。私は頂いた資料をもとに計算をした。私の計算が間違えているなら教えて欲しい。」そんなことを言おうとした。運輸省の役人が「まあまあ・・」とそこを制した。◆3年後~5年後に「ドクターヘリ 事故」のみだしが新聞に踊らないことを切に願うが このままでは危ない。

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