2016年04月18日 ---- ボス

熊本大地震

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大分県佐伯市で一人暮らしていた母は数年前から認知症の傾向がみられた。症状は八十歳を超えたあたりから急に酷くなった。生来、きれい好きで几帳面な母は元気な頃はマメに掃除をし自宅にはチリ一つ無かったのだが、徐々に掃除や洗濯をしなくなった。私が実家に帰るたびにその状況はひどくなっていた。それでもプライドの高い母は他人から介護されることを嫌いヘルパーさんを自宅に上げることすら拒んだ。私や姉がいくら説得しても現実を受け止めず、「掃除や洗濯くらい自分でできるよ。知らん人(ヘルパーさん)にうちに上がられるんは好かんよ」と言い続けた。◆仕方なく熊本の姉が月に一度、片道4時間をかけて佐伯まで母の面倒を見に帰ってくれていた。1か月分の掃除と洗濯をし、食品などの買い置きなどをしてくれていた。近所に住む親戚や古い友人たちが皆暖かく母を支えてくれていたが掃除と洗濯だけは姉以外にはさせなかった。姉が頑張ってくれたお陰で実家はごみ屋敷になることもなく、母は毎日下着を取り換えることができた。私は姉に感謝した。◆先週末、その姉の住む熊本を大地震が襲った。幸い姉の家族は皆無事であった。家の中は食器などが散乱し余震に怯える一家は二日二晩をクルマの中で過ごした。「家の中はひどいことになってるけど、みんなケガもなく元気だから心配しなくていいよ」と連絡があった。安心した。◆熊本と佐伯を結ぶルートは鉄道も道路も寸断された。もしまだ母が佐伯で一人暮らしていたら心配でならないところだった。私は「ご実家は大丈夫ですか?」と心配してくださる方々に対し、「ええ、幸い(?)母が先月亡くなったもので余り心配しなくて済むのですよ」などと答えている。いえ、もちろん「幸い」というのは「死んでくれて良かった」というつもりで言っているのではないのですが・・・。

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