2016年06月01日 ---- ボス

消費税10%再延期

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安倍晋三首相が平成29年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを見送る方針を固めた。この判断が結果的に正しかったのか正しくなかったのかは誰にも分からない。「引き上げるべきだ」と主張している者は、いつまで経っても「あのときに引き上げるべきだった」と言うのだろう。「引き上げ延期」を主張する者はたとえ景気がさらに悪くなったとしても「引き上げるよりはマシな結果だ。引き上げていればもっと悪い状態になった」と言い続けるのであろう。そう、正しい判断であったのか正しくなかったのかは誰にも永遠に分からない問題。◆私、個人的には「引き上げるべきだった」と思っている。経営者の勘である。経済学的な根拠は薄い。ただ誰も指摘しない算数的及び心理的な根拠は私なりに持っている。算数的な根拠、それは前回の増税と比べて今回の増税は数学的な衝撃が小さいということ。前回増税時の衝撃と今回のそれを、「5%から8%」と「8%から10%」で語る解説者ばかり。違う! 前回は購買価格が「105から108に上がった」のに対し今回は「108から110へ上げ」ようとしているのだ。前回の「105→108」は2.86%の増税、今回の「108→110」は1.85%の上げ。消費者にとっては前回は「2.86%」今回は「1.85%」の増税なのだ。前回よりもはるかに衝撃は小さい。心理的な面からは「小銭がいらなくなる」というメリットがある。700円のものを800円出してお釣りを44円もらうか30円もらうかの違い。計算も楽。「いえいえキノシタさん、計算が楽なのが恐ろしいんですよ。『えっ、700円に消費税が70円も付くの?』と驚くおばちゃんは消費を控えるのですよ」と言う方もいる。ええ、確かにそうかもしれない。だがなあ・・・。◆私は以前より「少し面倒だが消費税は毎年1%ずつ、或いは0.5%ずつ、小刻みに上げるべき」と主張してきた。手計算をする時代ではなくなったのだ。八百屋、魚屋でもコンピューターが自動的に計算してくれる。毎年1%の税率アップは決して悪くない、と今でも思っている。

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