2016年06月29日 ---- ボス

「炉心溶融」隠ぺいは悪か?

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2011年3月14日、福島第一原発ではすでに炉心溶融が起こっていた。だが同日夜の記者会見では「炉心溶融(メルトダウン)」という言葉を決して使わないように、との指示が出ていた。指示したのは当時の東京電力社長、清水正孝氏とのことだ。清水社長に対し、首相官邸から圧力がかかったとの見方もあるが、明らかにはなっていない。先日(2016年6月21日)現東京電力社長である広瀬直己氏が記者会見し、当時の清水正孝社長が炉心溶融の言葉を使わないよう指示したことについて、隠蔽にあたると認め、謝罪した。東電は同日付で、経営管理責任を明確にするため、広瀬社長を減給10%(1か月)、姉川尚史常務を減給30%(同)の懲戒処分にした。◆例によってマスコミは口を揃え「とんでもないこと!」とののしる。清水氏の独断なのか、或いは本当に官邸からの指示があったのではないかなどと、くだらぬ犯人捜しをやっている。◆実は私は清水社長に同情的な考えを持っている。もしあそこで「メルトダウンがすでに起こっています」と正直に発表したらどうなっていたか。間違いなく都市パニックが生じたであろう。その都市パニックによって事故が多発し多くの死傷者が生じたことだろう。被害を最小限に食い止めるために第一原発に残った職員や作業員たちも、家族や世論に押され現地を離れざるを得なくなったことだろう。◆私は清水社長はまさに断腸の思いで「炉心溶融という言葉を決して使わないように!」との指示をしたのだろうと思っている。大きな事故を小さく見せようとしたわけではない。私はあの清水社長の指示によって実は大変な数の命が、結果的に失われずにすんだのだと確信している。◆「知っていた事実を報道しなかった」ということだけで彼を悪人に仕立てるのは簡単だ。だがマスコミは非難するだけでなく、複眼的に事象を観察し、都市パニックの恐ろしさを含めて清水社長の指示を「やむを得なかった」とする考えも紹介すべきである。


 

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