◎2016年08月17日 ---- ボス ◎
- ガッツポーズ
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日本の真裏、ブラジルで開催されているオリンピックのせいで睡眠不足の毎日だ。日本人選手は事前の予想を上回る活躍をしている。私は毎夜、テレビを見ながら声を出して応援を続けている。「そこからだっ!」「頑張れっ!」「よしっ、そのまま逃げろっ!」「よっしゃー!」・・など競技により、状況により私の声援も変わる。テレビのこちらで小さくガッツポーズをしていることもある。◆テレビのこちらでガッツポーズをしている自分はさておいて、やはり相手選手の前での派手なガッツポーズは「いかがなものか」と感じてしまう。私は古い人種のようだ。そんなことを思っていたら、いました私と同じようなことを感じている方が。「あっぱれ!」「喝っ!」と選手たちを叱咤し激励するハリさんこと張本勲さん。テレビ番組で解説中に、リオデジャネイロ五輪の卓球男子シングルスで銅メダルを獲得した水谷隼選手に対し、「あんなガッツポーズはダメ。手は肩より上げちゃダメ」と注文をつけたという。水谷選手には酷だが、ハリさんの気持ち、良く分かる。「張本さん、よく言ってくれました」と私は張本さんも応援する。◆もちろん水谷選手の気持ちもよく分かる。特に一対一で勝負する競技は、勝ち負けが明確なだけに、ガッツポーズが出やすい。卓球、柔道、レスリングなどだ。勝って大きなガッツポーズをし、会場に倒れ寝転んで喚起を表現する。気持ちはよく分かる。どれほどの練習を積み、どれほどの苦労をして勝ち得たものか・・。ハリさんと違って、私は直接彼らに「ガッツポーズは我慢したほうがいいよ」とは言うことはできない。◆ただ逆に、ガッツポーズをしない勝者がものすごくかっこよく見えることは伝えたい。今回オリンピックをずっと眺めてて「当然、ガッツポーズ」のシーンでそれを表さなかった金メダリストが二人いた。柔道男子73㎏級の大野将平と同じく柔道女子70㎏級の田知本遥。この二人は優勝が決まっても畳の上では冷静に振る舞い、優勝を争った相手に礼節をもって接し、健闘を称えた。すがすがしい。彼らのこのガッツポーズなしの振る舞いをもっと大きく報じ称えるメディアがないのが寂しい。ガッツポーズをすることを「ダメだ」というよりも、ガッツポーズをしないことを「かっこいい」と報じる解説者がもっと現れてくれるといいのにな。
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