2016年11月30日 ---- ボス

不幸は突然やってくる

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「幸せ」になるために人は一所懸命に努力をする。努力の向こうに「幸せ」があるし、努力しても報われず「幸せ」になれないこともある。いずれにしても、前触れもなく突然「幸せ」になることなど決してない。一方「不幸」は、こちらは突然やってくることばかり。◆私は小学校2年生の正月3日に一家四人でタクシーに乗っていて、そのタクシーが大事故を起こし、父を失った。母は顔や胸に大ケガを負った。それまでは恵まれた家庭環境だったが一瞬にして不幸に落ちた。それから随分と苦労をした。◆8年前の今頃、当社の顧問だったWさんと夕方、神谷町の焼き鳥屋で飲んでいた。酒好きのWさんだがその夜はなかなか酒が進まない。聞くと「このところ少し胃の調子がおかしくて・・」などと答た。それから一週間も経たないある日、午後3時頃だったろうかWさんから電話があった。公衆電話からだった。「先日の焼き鳥、ご馳走様でした」とWさんの声は弾んでいるように聞こえた。「楽しかったですね」と私が答えると、今度は逆に沈んだ声でWさんは話し始めた。「あのあと近くの病院に行ったらそこの医者から『すぐに精密検査を受けなさい』と言われ、実は今、築地の癌センターからなのです。先ほど検査が終わりました。診断は『スキルス性胃癌』とのことで明日から入院することになりました」と言う。「社長、申し訳ないですけど、しばらく出社できません。退職にしてください。」とのことだった。それから3か月も経たずにWさんは永眠された。◆交通事故や病気だけではない。地震や津波や火事、或いは詐欺被害にあったり、暴漢に襲われたり、我々はいつ突然不幸に落とされるのか分からない。自分だけではない。家族が病気や事故にあっても不幸になる。経営者であれば、社員や社員の家族も心配だ。関連会社も心配だ。◆心配しても何もできない。心配だからと何もしない訳にもいかない。「今日も一日平和が続きますようにお守りください」・・そう願いながら自宅を出る前には母の仏壇に、会社に着いたら神棚に真摯な気持ちで手を合わせる。そう、私は幸せに関しては神や仏にお願いすることくらいしかできない。◆無力を感じつつも、大きな不幸もなく今年も師走を迎えることができたことをありがたく思っている。

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2024年12月20日 ボスの
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  • 午前虎の門病院屋上ヘリポート見学
  • 午後事業計画見直し
  • 夕方麻布十番某所で会食
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