◎2016年12月27日 ---- ボス ◎
- 「終わった人」
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住友商事に努めるエリートサラリーマンで、私の親しい友人Oさんから「この本おもしろいですよ」と紹介された。内館牧子著「終わった人」。主人公、田代壮介は東大法学部を卒業した後、大手銀行に就職する。彼が63歳でサラリーマン生活を終えるところからこの物語は始まる。長年、仕事第一で生きていると仕事がなくなった途端に「終わった人」になってしまう。現役のサラリーマン読者は厳しい現実を教えられて怖くなることだろう。◆私も来年で60歳。同級生の多くが来年定年を迎える。果たして彼らは「上手な終わり方」を考えているのだろうか。創業社長である私に定年はない。とは言え「いつまでも現役」でいられるわけもない。私もそろそろ「終わり」を考えなければならない年齢になった。周りの方々は、私に対して「まだまだ若いんだから、リタイアはずっと先ですよね」などとお世辞を言う。◆40歳前にこの会社をスタートし、できる限りの努力をした。スリリングな人生だった。実は、かなり疲れている。「終わった人」を読んで「オレも、そろそろ終わるのもいいかな」などと考えていた。どのような終わり方にしようか、正月休みにゆっくりと考えてみよう。◆幸いにも来年のスタートは箱根の温泉に浸かって迎えることができそうだ。「まだまだ終わるなんてできないよ」・・・そう囁く自分もいる。ひょっとすると「もっとスリリングな生き方を目指す」などと年明けに宣言することになるのかもしれない。「いやいや、そろそろ羽を休めようよ。休む場所を探そうよ」と囁く自分もいる。
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