2017年01月11日 ---- ボス

「縦社会」を学んだ中学生時代

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昭和45年、佐伯市立鶴谷中学校に入学すると私は野球部に入った。小学生時代に「ちゃん」付けで呼んでいた1学年上の「お友達」は、中学生になった途端に「さん」付けで呼ぶべき怖い「先輩」に変わっていた。1年生にとって3年生は雲の上の存在。キャプテンから話しかけられとても緊張したことを覚えている。3年生は皆、1年生には優しかった。怖いのが2年生。◆野球部に入った同級生は30人を超えていた。夏休み明けまでは満足にキャッチボールすらさせてもらえない。外野のさらに後方で「声出し」と「玉拾い」の毎日。同級生は一人減り、二人減りしていった。最もイヤなのが雨の日。教室内で2年生が1年生を指導する。指導といえば聞こえが良いが実際は「しごき」と呼ばれていた。2年生による理不尽な説教とイジメが続いた。そこで「しごき」が行われていることは教師も知っていたであろう。その「しごき」が理不尽なイジメであることも知っていただろう。だが、その「2年生が1年生を指導する場所」には教師も3年生も入ってくることはなかった。◆一年が経ち、我々は2年生になった。新1年生が入ってきた。小学生時代に私のことを「もとみちゃん」と呼んでいた連中だ。中学生になったのにピリッとしない。やんわりと「オレはもう『もとみちゃん』じゃなくて『キノシタさん』なんだよ」と教えてあげた。雨の日は1年生を「しごく」立場になった。生来、心根の優しかった私は、自分がされた理不尽な仕打ちを下級生にすることは好まなかった。だがそれでも数人にはビンタを張るくらいの「しごき」はした。◆相変わらず私たち2年生をいじめ続ける3年生は1年生にはとても優しかった。自分は1年生に優しく接しておいて、2年生の私に「おい、キノシタ、お前ちゃんと〇〇を教育してるのか? あいつの挨拶の仕方はなんだっ!」などと言い、私は殴られた。3年生は2年生をいじめ、2年生は1年生をいじめる。3年生は1年生を可愛がる。1年生は2年生が大嫌いで、1年生にとって3年生は大好きな優しい先輩たち。そんな構図が続いていた。◆おそらく今の鶴谷中学校ではあんな「しごき」はないのだろう。ひょっとすると東京の学校のように先輩のことも「クン」付けで呼んでいるのだろうか? 私が育ったころの、理不尽な「しごき」のある時代の方がが良かったとは言えない。言えないのだが、あのころ私は縦社会の構図を覚えたのだろうと思う。悪いことばかりではなかったようにも思える。◆    ◆追伸:: 2年生のある日、何が原因だったか覚えていないが私は部室で正座をさせられ3年生から説教されていた。説教の終わりにその3年生が「キノシタ、 ビンタ10発がいいか?グラウンド20周がいいか?」と聞いてきた。「はい、ビンタ10発お願いします」と私は即座に答えた。当時、ビンタが最も楽な「しごき」だった。

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