◎2017年02月08日 ---- ボス ◎
- 酒池肉林
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「オレ、今年の六月で60歳、還暦ですよ。どうしてくれます?」 ゴルフ仲間に冗談で問うたところ「酒池肉林のパーティー開きましょうか?」と明るく返された。「酒池肉林?すごいですねえ、いいですねえ」 これまた冗談で私も明るく返した。私はスケベ心がくすぐられニタッとしてしまった。だがそこに女性もいた。「まずい。『酒池肉林』はセクハラ用語ではないか!?」 私は少し焦ったが幸い何事もおこらず、サラッと楽しく時間は流れた。 だが私はそこに、なにか違和感を覚えたのだった。◆ 『酒池肉林』という言葉を私が知ったのはいつだろう? 早熟だった私はすでに小学校の高学年の時にはその言葉を知っていたと記憶する。そして早熟だった(正確には「スケベだった」かな?)私はその言葉の意味を 「酒の池(風呂・プール)の中に水着(あるいは裸)の美女を大勢はべらかしている様」と理解していた。子供のころからずっとそう思っていた。◆大学生時代だった。テレビでヒュー・ヘフナー(雑誌『PLAY BOY』の発刊者)の暮らしぶりが紹介されていた。「これってまさに『酒池肉林』の世界だな。すげえな、うらやましいなあ」と若い私は思っていた。◆ゴルフ仲間との会話の中で、なにか違和感を感じた私はWikipediaで「酒池肉林」を調べてみた。こう書いてあった。 「酒池肉林(しゅちにくりん)は、酒や肉が豊富で豪奢な酒宴という意味の四字熟語である。『肉林』の『肉』に『肉欲』の意はなく、女性に囲まれて大騒ぎをする宴というのは誤用である」・・・・・・「ええっ?そうだったの?ああ恥ずかしい」、私は小学生のころから誤用のほうで「酒池肉林」を理解していたのだ。◆「酒池肉林」・・・セクハラ用語でもなんでもない。「豪華な酒宴」のことだった。恥ずかしい。 ・・・が、私は誤用の「酒池肉林」つまり大きな声では言えない、女性の前では使ってはならない「酒池肉林」も四字熟語として生き続けることを明るく願っている。 ヒューヘフナー、かっこよかったもんなあ。
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