◎2017年03月27日 ---- ボス ◎
- 必要以上のおもてなし
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喜んでいただけるから、好意でするのが「おもてなし」だと思っている。ところが周りを見回すと「おもてなし」をされないと「あの店はサービスが悪い」という客が増えているようだ。「おもてなし」されて当然、と思っているのか。私に言わせれば、するほうもするほうだ!「あっちがするから、こっちがしない訳にいかない」と嘆く経営者は多い。私たち客が「いいえ結構です」とみんなで「おもてなし風のいらぬサービス」を遠慮すればいいのだが多くの客はすぐに「はい、お願いします」と答えている。「はい、お願いします」と言えばまだ良いほうで「当然でしょ」とばかりに、ただ頷くだけのバカな大人も多い。◆雨の日に買い物すると、商品を入れた紙袋に雨除けのビニールをかけてくれる。本屋で本を買うと紙のカバーをかけてくれる。JALやANAで飛行機に乗るときにスーツケースを預けると「ビニールをおかけしましょうか?」と聞かれる。私はいずれも「ありがとう。でも結構です」と答える。◆なぜわざわざ雨除けビニールをかける?雨でどれだけ商品が濡れるものか。人様へお渡しするものでなければ、包装紙が少々濡れても問題ないじゃないか。なぜ本に紙のカバーをかける?あなたの読むその本は人様に見られたら恥ずかしい本なのか?そう言えば私も村上由佳の『ダブル・ファンタジー』を買ったときは「お手数ですがお願いします」と言ったなあ。なぜ旅行用のスーツケースにカバーをかける?そりゃ新しいスーツケースに傷が付くのは嬉しいことではないだろう。だが、旅行用のスーツケースだ。傷が勲章のようなものだ。新しい形のスーツケースがボロボロになっているのを見ると「おっ、こいつ、できるな」と私は思うのだが・・。◆いずれにしても過剰サービス合戦。これらは世界に誇るべき「おもてなし」とは違うのではないだろうか?◆私はタクシーのドアの自動開閉だけは「世界に誇れる素晴らしいおもてなし」だと思っている。他の「おもてなし」は後ろに並ぶ客に迷惑がかかるが、タクシーの自動ドアは皆が喜ぶから。
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