◎2017年04月11日 ---- ボス ◎
- 老化
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50年以上前の、幼い頃のある出来事を最近ちょくちょく思い出す。情けないことが原因で思い出す◆小学校1年生の頃、我が家はまだ平和であった。小さな一軒家に住み、母は専業主婦だった。優しかった。学校帰りに道草をし、泥んこになって帰っても、「ただいまー」と玄関を開けると「あらまあ」と言いながら笑顔でほこりを落としてくれる、そういう日々だった。たまに母が外出するときは玄関を施錠し、裏窓から出入りしていた。玄関が開かないときは母が留守のときで、その時は私は家裏に回って窓から入ることになっていた。小学校1年生にとって、その窓は少し高い場所にあった。そのため裏窓の近くには私のための踏み台が置いてあった。◆その日、私はいつものようにお友達と道草しながら帰っていた。友達と別れ、一人になった頃におしっこがしたくなった。自宅まで遠くない距離だったので速足で急いだ。いつものように「ただいまー」と玄関の引き戸を開けようとするとカギが掛かっていて開かない。「あれっ、かあちゃん留守なんだ」・・・私は家の裏側へ急いだ。おしっこは我慢の限界に近付いていた。裏窓を開けた。踏み台を設置するヒマはなかった。私は窓枠に手をかけて、鉄棒の要領で窓に飛びついた。飛びついた勢いで窓下の壁に下っ腹が当たった。おしっこが我慢の限界を超えた。半ズボンの脇から流れ出たおしっこが右足を伝わった。私はあわてて窓から飛び降り、半ズボンの下からオチンチンを引っ張り出したがすでに半分は放出したあとだった。裏窓の下に、水たまりができた。◆60歳に近くなると、小さな尿意が一瞬で強烈な尿意に変わることが多くなる。新橋駅で電車を降り、少し尿意を感じていても会社までは持つと思って歩く。1階に着いた頃に急に尿意が強くなる。恐らく「トイレまで近い」との安心感がそうさせるなだろう。急に我慢の限界に近くなる。エレベータのボタンを押し、15階までがとても長く感じる。駆け込むようにトイレに入る。「もしトイレに入って、すべてが埋まっていたら・・・あの小学校一年生のときのようなことになっちゃうかも・・」 ◆慌ててトイレに駆け込む都度、幼い頃の平和な小事件を思い出す。
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