◎2017年05月26日 ---- ボス ◎
- 名古屋駅通(なごやえきつう)
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国内出張を繰り返しているうちに二年ほど前、やっと名古屋駅新幹線ホームの通(つう)になった。◆名古屋駅の新幹線ホームにある「立ち食いきしめん屋」が大変旨いという噂を初めて聞いたのはおそらく20年以上も前のことだったろう。当時から年に二、三回は名古屋を訪れていたがなかなか食べる機会がなかった。「あっ、またあのきしめん屋に立ち寄るのを忘れてしまった」そんなことを思いながら帰路の新幹線に乗っていた。◆5年前、名古屋駅の新幹線ホームで帰路の「のぞみ」を待っているときにふと思い出した。時計を見た。「出発時刻までーまだ10分ある」私はきしめん屋に向かって走った。「急いで食べれば間に合う!」と。残念。きしめん屋「住吉」の前には順番を待つ列ができていた。◆それから数年。私は名古屋駅通になっていた。名古屋駅から新幹線を利用するときは30分程の余裕を持ってチケットを購入。待合室で赤福を買ったらすぐにエスカレーターでホームへ。乗車位置を確認し、きしめん屋「住吉」へ向かう。列ができてても慌てない。意外と回転が早い。券売機でチケットを購入したら静かに列に並ぶ。店に入るとまずセルフサービスの氷水を紙コップに注ぎ、空いている場所に立つ。おばちゃんにチケットを渡しながら台拭きでカウンターを綺麗にする。すぐにきしめんが出てくる。いつ食べても、何を食べても確かに旨い。食べ終わると大きな声で「ごちそうさまっ!美味しかった。」という。どんぶりをカウンター上の台にのせ、また台拭きで自分の食べた回りを綺麗に拭き取る。「来たときよりも美しく」はマナーの基本。入り口と反対側にある出口専用口から出て自分の乗車口へ歩く。◆今日もこれができた。「うん、オレも名古屋駅新幹線ホーム通になったな」そんなことを考えながら京都に向かっている。
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