2017年07月14日 ---- ボス

20年前

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高校生の3年間は大分県佐伯市で母と二人暮らしであった。母は老人ホームの保母として働いていたので週に二日は夜勤があった。母が夜勤の夜、私は夜の街の散歩を楽しんだ。誰に管理されることもない私は少しずつ自堕落な生活へと落ちていった。16.17歳くらいで大人になった気分であった。今考えると、よくグレルことなく、真っ当な生徒生活を送ったものだ。成績は急降下したがそれでもよく九州大学に合格したものだ。感心する。◆大人になった気分ではあったが、そこはやはりまだ高校生。母が自宅にいるときには一緒にテレビを観ることも多かった。母が楽しみに観る番組が「懐かしのメロディー」。藤山一郎や岡晴夫、春日八郎、江利チエミなどの歌謡曲を母は嬉しそうに彼らと一緒に口ずさんでいた。「このころの歌は詞がいいなあ。最近のは何て言いよるんか分らんなあ」などと言っていた。母にとっては懐かしい名曲でも私にとっては産まれる前の曲。歌詞をイメージしても浮かんでくる情景はすべてセピア色のものであった。自分が生まれる以前のことは大昔のことであり、カラーでは想像できないことであった。◆あれから40年以上が経った。一昨年、母は死んだ。今年、私は還暦を迎えた。いつの間にか、「20年前」なんて「ついこの間」みたいなものになった。悪かった高校生時代に、昔の流行歌を聞いてセピア色にしか想像できなかった自分が可愛い。懐かしい。◆今年の盆に、高校の還暦同窓会が佐伯市で開かれる。毎週のように誰かから連絡がある。「モトミ、もちろん帰って来るんやろうな? 楽しみに待っちょるで」と。

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2024年03月19日 ボスの
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