2017年08月10日 ---- ボス

病院別の生存率発表のリスク

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がんと診断された人を、治療によってどの程度救えるかを示す「5年生存率」について、全国188の病院別データが初めて公表された。「この公表にはリスクが存在する」ということをここで指摘しておきたい。◆どの病院も生存率を高くしたい。あたりまえだ。だが「生存率を高くする」最も簡単な方法は「末期患者を受け入れない」ことなのだ。がんでも早期発見者のみを対象とすれば生存率は高くなる。同じ症状でも体力のある若い方のみ受け入れて高齢者を受け入れなければ生存率は高くなる。医療の向上よりも受け入れ患者の選択によって簡単に生存率は調整できるのだ◆随分以前、特許事務所別の特許取得率が発表されていた。「出願申請」した中で何パーセントが「特許として権利化されたか」を表すもの。このような数字を出せばどの特許事務所も高い点数が欲しくなる。そのために何が起こったか。それまでは「これは特許権取得は難しいかもしれませんがチャレンジしてみましょう」ということがなくなった。「これなら確実に特許取得できそうだ」というものしか受け付けない事務所が出てくる。「難しいことにチャレンジする事務所」よりも「確実なものしか受けない事務所」の方が高得点になりそれが宣伝効果につながり客が増えるということになった。◆医者の中だけ、或いは特許事務所の中だけでデータを公にするのなら専門的な分析ができてサービスの向上につながるのかもしれない。だがそのようなデータを広く全国民に公表すると必ず誤解や不正が生じてしまう。なんでもデータは公表すればよい、というものではない。

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