2013年08月19日の記事一覧
◎2013年08月19日 ---- ボス ◎
- 頑張れ!安君。
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その頃、複数の人材紹介会社に登録し、「1級建築士」「1級建築施工管理技士」を募集していた。なかなか私が求めるタイプの有資格者と出会うことがなかった。そんな折、紹介会社の担当者が「木下社長が求めている有資格者ではないのですが一度会うだけ会ってやってくれませんか。」と頼んできた。軽い気持ちで「会うだけなら・・」とか答えたのだろう。彼が連れて来たのが安(あん)君だった。◆一発で気に入った。決して恵まれているとは言えない家庭環境の中、彼は努力し、母国韓国を出て日本にやってきていた。日本に来る前、徴兵制のある韓国で、義務である2年間を超え3年半も軍隊生活を経験していた。300人を超える同期の中、主席で卒業している。テコンドーの達人でもある。◆姿勢がいい。受け答えにソツがない。明るい。随分と苦労をしたことを明るく話すことができる。適度な野心もある。彼の中に若い頃の自分を見るような思いがした。「こいつに賭けてみよう。彼なら何かやってくれるだろう。小さなビジネスでも日韓が仲良くできることを示すことができる。」そんなことを瞬時に思った。ほどなく彼は笑顔で我が社に入ってきた。専門でないことも一所懸命に努力し頑張っていいる。◆今年の春、彼の元へ悪い報せが届いた。韓国に残る妹さん(31歳)が末期の直腸がんに侵されているとのこと。彼は私の部屋に来て涙ながらに話した。◆彼の懸命な応援も叶わず、8月3日、妹さんは返らぬ人となった。幸い死に目には会えたという。葬儀を終え昨日日本に戻ってきた。今朝、久しぶりに話を聞いた。聞くのも辛い。言葉が見つからない。◆「この辛さが癒えるのは時間の経過しかないんでしょうね」と彼がつぶやいた。うなずくことしかできなかった。この試練を乗り越え、笑顔で楽しく酒が飲める日が早く来ることを願っている。持ち前の明るさが早く戻り、笑顔で仕事する姿を見たい。頑張れ!安君。◆辛い。辛い。
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