2015年01月16日の記事一覧

2015年01月16日 ---- ボス

芥川賞

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ここ十年以上、芥川賞受賞作品を読むことがなくなった。いつのまにか私の中に「芥川賞受賞作品は面白くない」という印象が染みついていた。◆『されど我らが日々』(柴田翔)を読んだのは高校生の頃だった。面白かった。早く大学生になりたい、大人になりたいと思ったことを覚えている。高校生の頃に読んだのでその頃の芥川賞受賞作品だと思っていたが調べてみると私が小学一年生の時(1964年)の受賞作であった。昨年読み返してみた。全く面白くなかった。◆『偲ぶ川』(三浦哲郎61年)、『赤頭巾ちゃん気をつけて』(庄司薫69年)、『杳子』(古井由吉71年)なども私の高校生時代の受賞作品だと思っていた。全く違っていた。懐かしい歌謡曲は聴くとその当時のことを思い出すが懐かしい芥川賞受賞作品は時代とは関係ない。あの頃は「過去の芥川賞受賞作」を読んでいたようだ。◆私の記憶の中で、芥川賞の受賞作品が受賞年次とリンクしてくるのは 『限りなく透明に近いブルー』(村上龍76年)、 『エーゲ海に捧ぐ』 (池田満寿夫77年) 『僕って何』 (三田誠広77年)『蛍川』(宮本輝78年)あたりから。彼らはみな偉大な作家になっていったがこれら芥川賞受賞作品はどれも今一つ面白くなかった。徐々に私は芥川賞受賞作品への興味を失った。逆に直木賞受賞作品はみな面白かった。私は直木賞受賞作のみ書店で購入するようになった。◆昨日、芥川賞・直木賞の発表があった。そこに嬉しい名前があった。小野正嗣。彼は数年前『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞を受賞していた。私は読んでいない。読んではいないのだが当時少し私の回りで話題になった。彼、小野正嗣さんは私の郷里、大分県佐伯市の出身であった。佐伯鶴城高校の卒業で私の後輩である。その小野正嗣さんが今回『九年前の祈り』で芥川賞を受賞した。会ったこともない後輩の快挙だが私も素直に嬉しい。さあ、久しぶりに芥川賞受賞作を読んでみようか。いや「やはり芥川賞はなんだか小難しくて面白くないな」と思ってしまう可能性が高いのでやめておこうか。迷っている。

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