2015年09月10日の記事一覧

2015年09月10日 ---- ボス

青春

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私の人生で、楽しかった思い出の9割は15歳~24歳の10年間のものだ。カネはなく明確な目標もなく、適当に流されるままに生活していた。向う見ずで生意気で怖いもの知らずであった。友人たちと過ごす、たわいない時間がなぜかものすごく楽しかった。苦しい恋も、悲しい別れも、みんなみんな良い想い出になっている。毎日毎日とにかく楽しかった。大勢で居酒屋で飲んだ夜も、徹夜マージャンで大負けしボロボロになった朝も、居留守を使って彼女と二人で過ごした雨の日の昼間も、たった一人でウィスキーを飲みながら画集を眺める夜も、ボロアパートで焼きナスを食べながら白黒テレビで巨人の応援をしていた真夏の夕暮れも、みんなみんな楽しかった。まさに青春時代、私は大きな大きな想い出と言う財産を得た◆15歳までの人生と、25歳からの人生にも楽しい想い出はたくさんあるのだが、実はこの時期は苦しい想い出の方が多かったように感じている。◆58歳になった今もなお「あの頃に戻りたい」と思う。だからなのか58歳になった今もなお「青春小説」を読み、あの頃へ一人で逃避行する。これまでに私が読んだ小説、感動した小説には「青春小説」が多い。私の「青春小説率」は多分、日本人の平均値よりもはるかに高いだろう。ちなみに私がこれまでに読んだ「青春小説」の中での「私の好きなベスト3」は・・・・①『翼はいつまでも』(川上健一)  ②『青が散る』(宮本輝)  ③『69』(村上龍) の三作になる。「私の好きなベスト3」であって「お勧めベスト3」ではない。というのもオススメする自信がないのだ。人に勧めるからには「面白かった。良い本を紹介してくれてありがとう」と言われたい。だが・・・。◆小説というのは不思議なもので誰もが面白いと思うようなものはない。いつ読んでも面白いというわけでもない。◆若い頃、宮本輝の『春の夢』を読んでとても感動した。あの感動をもう一度、と思って昨年読み返してみたのだが残念ながらさっぱり面白くなかった。『されど我らが日々』(柴田翔)でも同じような経験をした。同じ小説でも、それを読む時期で感動は異なるものなのだろう。◆昨日、今年の直木賞受賞作『流』(東山彰良)を読了した。大変面白かった。だが、この小説は30年前の私が読んでも良さが分からなかったかもしれない。58歳の私には感動を与えてくれた。◆「魚がいいました・・・わたしは水のなかで暮らしているのだから あなたにはわたしの涙が見えません」・・・・・・・・いいなあ、このフレーズ。寺山修司を思い出した。◆『流』・・・私には面白かったが決してお勧めはしない。

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