2015年09月15日の記事一覧

2015年09月15日 ---- ボス

名医

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ニュー新橋ビル3階にある「田中医院」で毎月一度、簡易なメディカルチェックを受けている。そこは去年までは「田中医院」ではなく「中村医院」であった。中村先生が高齢のため引退することになり、自分の医院を、信頼できる後輩の田中先生に引き継いでもらうことになったのだ。中村先生はできるだけ時間をかけ丁寧に診察し、私の体の状態を、毎回分かり易く説明してくれた。とても穏やかで優しい目をしておられた。いつもニコニコしておりユーモアのあるチャーミングな老医師であった。患者にも看護婦にもファンが多かった。私もそんな中村ファンの一人であった。◆「中村医院」から「田中医院」に変わった。「とってもいい先生だよ。僕なんかよりも見立てがいいよ。」田中先生のことを中村先生はそんな風に紹介してくれた。田中先生は私とほぼ同世代、私よりも1年年長だった。◆昨日、朝からのどの調子が悪い。のどの左奥に魚の小骨が刺さっているような感じの痛みがある。「扁桃腺炎だったらヤバいな。早めに手当てしなければ・・。週末は大切なお客様とのゴルフが控えている」そう思い、仕事の合間、午後3時過ぎに「田中医院」に行った。田中先生は私ののどを見て、首を触診し、聴診器で心臓と肺の音を聴き、笑顔で言った。「どこも悪くありませんよ。扁桃腺炎でもありません。帰ってうがいをしてください。どこも悪くないのでお薬は出しませんよ」◆中村先生が紹介したとおり、田中先生もとてもいいお医者さん。東大医学部卒業とは思えない。エリートぶらず丁寧。最近は必要以上に薬を出す医者が多いと聞くが田中先生はこちらが「のどが痛い」と言っているのに「どこも悪くないのでお薬は出しませんよ」とハッキリ言う。こちらはオカネはかからず、不要な薬は飲まされず、そして安心する。田中先生に言われたように私は昨日何度かうがいをした。うがい薬も使わず、水道水でうがいをした。半日経った今、まったく痛みはなくなった。◆田中先生のファンも増えていることだろう。かつての中村先生のファンの数に追いつく日も近いと見た。

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2015年09月15日 ---- ボス

こすれる音

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「バイオリンの音はこすりあわせて出すじゃあ。わたしゃ、あのこすって出る音が好きじゃないんよ。まだギターみたいに弾いて出す音がいいし、やっぱり叩いて出すピアノの音が一番いいな」 私が高校生の頃、テレビで『題名のない音楽会』を観ながら母はよくそういうことを言っていた。「こすれる音が好きじゃないんよぉ」との母の発言を何度聞いたかしれない。◆幼い子供二人を母に残し、父は交通事故で他界した。そのとき母は33歳であった。それ以来、一切贅沢をせず、懸命に私たち姉弟を育ててくれた。恐らく母は私の小学校の音楽会以外は生の演奏会に行ったことはないのだろう。演奏会どころか演劇も(もちろん宝塚や劇団四季も)観に行ったことはないだろう。ひょっとすると父が他界して以降は映画館にも行ったことがないかもしれない。かわいそう。申し訳ない。◆「こすって出す音が好きじゃない」という母親に育てられた私だが、なぜだか逆にバイオリンの音が大好きだった。やっと買ってもらったステレオで高校生の頃、イムジチの演奏する「アイネ クライネ ナハトムジーク」をレコード盤が擦り切れるほど聴いた。大学生になりジャズを聴くようになってもジョー・ヴェヌーティやステファン・グラッペリなどのジャズヴァイオリンが大好きだった。昨年、カントリーミュージックを聴きに米国ナッシュビルに行ったのだが、そこでもフィドル(ヴァイオリンのこと)が入っているバンドの演奏ばかりを追いかけていた。そして東京では二胡のウェイウェイウーのコンサートには必ず顔を出す。◆10年ほど前の話になる。招待されて八尾の「おわら風の盆」を観に行った。流雪用水路を流れる雪解け水の音。人々の話声。そこに編み笠を被った集団がゆっくりゆっくりと踊りながら近づいてくる。胡弓の音が徐々に大きくなってくる。幻想的。もの悲しい。「こすれる音」は本当にもの悲しい。念のために申しておくが、形も音色もとても似た感じの楽器「二胡」と「胡弓」だが構造も奏法も全く違うもののようです。◆ヴァイオリン、フィドル、胡弓、二胡、ついでにチェロまで 私はこすって音を出す楽器の音色がたまらなく好きだ。

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2024年04月26日 ボスの
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  • 午前机まわり整理
  • 午後防衛案件会議
  • 夕方新橋「有薫酒蔵」で飲み会
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