2016年01月26日の記事一覧

2016年01月26日 ---- ボス

最初の記憶

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もっとも古い記憶は恐らく二歳の頃のものだ。当時私は大分県の国東(くにさき)という町に住んでいた。父親は若くして県の国東土木事務所の所長だった。二階建ての一軒家の所長官舎に住み、隣には所有車の運転手さんご夫婦が住んでいた。運転手の夫婦は私たちにとても優しくしてくれ、姉は「嬢ちゃん」私は「坊っちゃん」と呼ばれていた。その頃のエピソードが私の最初の記憶である。◆姉のお友達のシイちゃんが遊びに来ていた。シイちゃんの本名は忘れた。(もちろん姉に聞けば覚えているだろう) 姉とシイちゃんは二階の部屋で遊んでいた。私は一階に母と一緒に居た。母が森永のキャラメルを一箱「みんなでお食べ」と私にくれた。私はそのキャラメルの箱を持って階段を上って行く。一段ずつ、手を附き、這うように上る。どこから入って来ているのか日差しがまぶしかった。やっと二階に上がった。姉とシイちゃんが迎えてくれた。私はそこでキャラメルの箱を開けた。キャラメルは8個入っていた。三人で上手に分けられない。私は「はい、シイちゃん」と3つ渡す。そして「はい、ねえちゃん」と言って3つ渡す。私は2つで我慢した。良く覚えている。これまで誰にも話したことはなかった。シイちゃんと姉とに3つずつあげて自分は2つで我慢した・・・そのことは私の中ではずっと自慢話であったのに。◆続きがある。シイちゃんと姉に3つ渡して自分は2つだけ取った。やはり少し不満があったのだろう。また這うように階段を下り母の元へ戻った私は「ねえちゃんとシイちゃんに3つずつあげた。僕は2つ。」と母に告げた。割烹着姿で台所に居た母は私の話を聞いてとても嬉しそうであった。ニコニコしていた。そして「偉い!モトミはおりこうさんだね。これ、ご褒美」と言って角砂糖を一つ私の口に入れてくれた。とてもとても甘くて美味しかった。キャラメルの何倍も美味しかった。

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