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2016年03月08日 ---- ボス

優しすぎるのは向上心がないことの現れ

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娘が中学生になったばかりの頃だったから今からもう15年も昔の話だ。「おいしいハンバーガーを食べさせてあげる」私は家人と娘を誘って3人で銀座の『ゼスト』へ行った。私にとっては久しぶりの休日であった。当時『ゼスト』のハンバーガーはとても美味かったのだ。(最近は味もサービスも低下したと複数の方から聞き寂しく思っている)◆運ばれてきたハンバーガーを一口食べて「不味い!」と思った。パテ(肉)が焦げていた。明らかな焼き過ぎ。娘のハンバーガーを覗くと彼女のも同じようだった。私はウェイターを呼ぼうとした。娘が「パパ、止めて!」と言う。「私、これでいいよ。美味しいよ」と言う。◆私は娘の「止めて!」を無視してウェイターを呼んだ。「ちょっと、これ焼き過ぎじゃない?焦げてるよ。せっかく娘に『ゼスト』の美味しいハンバーガーを食べさせたくてやってきたのに・・・」 ウェイターは「大変、失礼しました。確認しますね」と言って我々のテーブルの皿を一旦下げた。娘は父親の行動を明らかに咎めていた。「せっかくの楽しい食事がパパの行動で台無しよ!」とその目は訴えていた。◆しばらくすると新たなハンバーガーが運ばれてきた。「先ほどは大変失礼いたしました。確かに焼き過ぎでした。申し訳ありません。今後、注意します。こうやってお客様にご注意していただけたこと感謝します」そのウェイターはとても感じよく上手に対応してくれた。「さすがゼスト」私は安堵した。◆新しいハンバーガーはいつもの美味しい『ゼスト』のハンバーガーだった。「うん、確かに美味しいね」 半分くらい食べたときに娘が笑顔で言ってくれた。◆クレームを付けなかったら『ゼスト』は不味いハンバーガーをその後も気付かずに出したかもしれない。私がクレームを付け、その結果、最高に美味しいハンバーガーにありついた娘は、それをきっかけにゼストファンになった。一つのクレームが父娘の距離を近くし、店の管理体制を向上させ、味が良くなり客が増える。一つのクレームがみんなを幸せにすることがある。◆「私がほんの少し我慢すればいい」・・それはそれで美しい心根かもしれない。だが、それでなにもクレームを付けることをしなければば誰も成長しない。私は「優しすぎるのは向上心がないことの現れ」と思っている。◆◆今のオフィスの管理体制に小さな不満がある。恐らく社員全員がそのことに私と同様の小さな不満を持っていると思う。私が口にしようかと思ったが「いや待てよ、誰かがそれを注意するかもしれない。誰が気付くだろうか。誰が改善を求めるだろうか」 ・・そう思いながら待っていた。そろそろ1年になる。 誰も言い出さない。 わが社は向上心に欠けるが心根の優しい社員ばかりのようだ。

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2024年04月16日 ボスの
スケジュール
  • 午前来期事業計画
  • 午後空飛ぶクルマ関係者来訪 接客
  • 夕方銀座「ペントハウス」にて会食
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