2015年12月28日 ---- ボス

TSUTAYAのレジにて

boss-5

当社は本日、仕事納め。午前中、机の回りの整理をして午後からは社内で一杯やることになっている。私は明日の午前の飛行機で福岡に入り、簡単な仕事をいくつかこなした後、年明け3日までの正月休みとなる。◆正月休みに読もうとTSTAYAに『王とサーカス』(米澤穂信)を買いに行った。今年の「このミステリーがすごい」と「週刊文春」双方で、国内ミステリーの部門で1位を取った話題作。ちなみに米澤穂信氏は昨年も『満願』で「このミス」と「文春」双方の国内ミステリー1位を取っている。実は残念ながらこの『満願』は私にはまったく面白くなかった。意地悪な私には「米澤穂信氏はミステリーを書くには詰めが甘い」と感じた。「知識が乏しいし、数学が苦手なのだろう」とも思った。欠点ばかりが目についた。「最近の読者は、こんな欠点にも気付かずにサラッと流して『面白い!』と言っているのか?」私は嘆かわしくなってきた。さて『王とサーカス』はどうだろうか。これもダメなら当分は米澤作品を読むことはない。◆それはさておきTSUTAYAのレジにて。私が本を差し出すと店員が丁寧に「カバーはお掛けしますか?」と尋ねてきた。ヒトに見られて恥ずかしい本でもないし、読み終わったあとブックオフに売りにいくつもりもないので「いえ、結構です」と私は答えた。店員はまた丁寧に「どうもありがとうございます」と言い軽く頭を下げた。レジは二つあって、私の隣のレジで中年の男が本を買っていた。やはり店員が「カバーをお掛けしますか?」と丁寧に尋ねた。男は「はい」と答えた。店員は丁寧にカバーを掛けはじめた。男はカバーのついた本を受け取ると支払いを済ませ出て行った。それが私には気に食わなかった。◆さて、私は何が気に食わなかったのでしょうか?・・・私はその中年男の「はい」が気に食わなかったのである。「『はい』じゃないでしょう!『はい、恐れ入りますが』とか『はい、お手数かけますが』となぜ言えない?」と私は腹を立てていた。でもきっと私以外にとってはこの中年男の「はい」はなんでもないことなんだろう。店員もなんとも思っていないのだろう◆だれもが、ちょっとしたことを「どうでもいいこと」と感じているようだ。だから日本のミステリーにも「どうでもいい」ミスが増える。そこを気にせずサラッと読んで流す、浅い知識の読者が増えている。これでは日本のミステリーは育たない。

コメント (0)

2024年04月26日 ボスの
スケジュール
  • 午前机まわり整理
  • 午後防衛案件会議
  • 夕方新橋「有薫酒蔵」で飲み会
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
« 3月    

カテゴリーリスト