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2017年02月20日 ---- ボス

「弱いものが強い」のが正しいのか?

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私が前田建設工業に勤務していた頃、イヤでイヤでどうしようもない上司がいた。ある作業所で彼と一緒に勤務することになった。毎日が苦痛だった。会社を辞めたい、と思ったが大学を浪人し留年までした身、簡単に辞められない。とにかく頑張った。「2年も我慢すればヤツと別れられる」・・耐えた。2年が過ぎた。工事が終わり、私と彼はそれぞれ別の作業所へ異動した。私は思った。「またヤツと同じ作業所になったら、その時がこの会社を辞めるときだ」◆それ以来、彼と一緒に働く機会はなかった。あれから30年経った。私は全く別の理由で前田建設工業を辞めることになったのだが、今でも私は彼のことは好きではない。好きではないが、実は彼から教えられたこと彼から学んだことが実に多く、それによって私はあのときに成長していたのだと今は素直に言える。(結果的に、いくら私のプラスになったといっても、嫌いなものは嫌いだ)◆個人のことよりも組織(会社)のことを優先して考えるのが良い会社人だ、と考える人が多い。事実、私も社内会議では「自己犠牲」という言葉を多用する。「自分を捨てて、会社のために頑張ってくれたら、きっとその結果があなたに還元される」・・そんなことを言う。真面目な社員ほど、素直に私の言葉に従う。私は彼の査定点(評価点)を上げる。会社は利益が増し、彼の給与は上がる。好循環だ。◆自分を犠牲にしてまで会社の発展に尽くした者ほど部下にも自己犠牲を求める傾向がある。私もその一人だろう。(前田建設時代のあのイヤな上司もそんな男だったのだろう。) そうやって多くの会社は成長してきた。◆ところが昨今、「弱いものが強くなった」と私は感じている。私は、自分がそう考えたように、「どうしても耐えられない」という状況になったら会社を辞めればいい、辞めるしかない、と思ってきた。ところが・・・。◆厳しい上司の気持ちも知らず、辞めることもせず、恨み節を書いて自殺する人が出た。世間は事情を確認することもなく「会社が悪い!」「上司が悪いい!」と騒ぎ立てる。「死ぬ選択より辞めるを選択すべきだった」と言っている人を私は知らない。言えないムードがこの国を覆ってしまっている。◆大手証券会社の関西支店に勤める私の親しい友人(後輩)がいる。バリバリの営業マンで客からの評価も高かった彼が突然、資料室に異動になった。カラダを壊したのかと思って連絡してみた。そうではなかった。「厳しくしすぎたみたいです」・・元気なく彼は答えた。「チクられました」と寂しそうな声。 「上司の上司」に問題解決を頼むか、かつての私のように「辞める」という選択を考えるのではなく、「こんなに酷い上司がいます」と本社の、コンプライアンスを管理する部署に、あることないことをチクったそうだ。◆「強い者」「厳しい者」に対抗する手段として「自殺」や「チクり」が広がってきた。今後、我が国には「厳しい者」がどんどんと減って、どの企業も高校の文化祭のような仲良し集団になっていくのだろう。それが居心地の良い社会につながるとは私は思わない。もちろん会社の発展につながるとも思えない。◆  ◆念のために申し添えるが私は「パワハラ」を肯定しているわけではない。 現実を見ずに一方的に

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