2014年05月28日の記事一覧

2014年05月28日 ---- ボス

猛烈に働かされた

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30年前に結婚した。式は私の故郷、大分で挙げた。日曜日であった。◆前田建設工業の工事現場に勤務していた私には結婚式といえども十分な休みを取ることはできなかった。金曜日、夜遅くまで働いた後、土曜日に大分に帰り、結婚式場の打ち合わせに臨み、翌日曜日が本番、月曜日に実家のご近所に挨拶に回った後東京へ戻り、火曜日にはもう現場で働いていた。土日月の3日間ですべてを終えた。そして火曜日からはしばらく自宅に帰ることすらできなかった。◆工事現場は新居から電車利用で1時間程度の場所だったが夜勤もあり、結局、日曜日まで自宅に帰ることはできなかった。福岡出身の新妻は結婚して何も知らない東京へ来たものの主人は仕事に行ったきり帰ってこない。さぞ心細かったことだろう。いまだに申し訳なく思っている。◆「通し夜勤」とは昼間の仕事からそのまま続けて夜勤に着くことをいう。当時、現場担当二人で「通し夜勤」をこなしていた。月曜日の朝から働き火曜の午前中に引き継ぎを終えると帰宅して寝る。水曜日の朝から再び働き木曜の午前中まで。そんな生活が数か月続いた。日曜日は休みであったが土曜日の夜勤を終え日曜日の朝に帰ると月曜日は再び夜勤が待っていた。辛かった。◆仕事のピークを越え、夜勤の工事がなくなっても忙しかった。毎日、夜遅くまで検査資料作りが待っていた。だがたまに夜のの8時頃に仕事が終わることもあった。そんなとき「キノシタ、オマエ頑張っているから一杯飲みに連れてってやるよ。」と上司が誘って来る。「あんたは事務屋だから夜勤もなく毎日早く帰っているからいいよ。会社のカネで飲むのが楽しいんだろうけどオレは新婚なんだよ。自宅に奥さんが待ってんだよ!飲み屋など行かずに帰らせてくれよ。」と言いたい気持ちをぐっとこらえ、笑顔で「えっ、旨いもん食わしてくれるんですか?」などと答え「ありがとうございます」と頭を下げていた。◆上司に可愛がられて出世したい、などと思っていたわけでは決してない。それが証拠に嫌いな上司とはしょっちゅう喧嘩をしていた。多分、相手が好意で誘ってくれているのを断ったら申し訳ないという思いが強かったのだろう。もう一つ、母の教え「迷惑は内輪から」を守っていたのだろう。妻は最も内輪の人物になった。彼女には迷惑をかけてもしようがない。そう思っていたのだろう。◆あれから30年が経った。我が社の職員は今、日本のあちこちでヘリポートを建設中だ。社員はみな忙しく頑張ってくれている。たまに出張帰りの社員と退社時刻が一緒になることがある。「おい、ちょっとそこで一杯やっていかないか?」誘いたい。だがあの30年前の辛さがトラウマになってなかなか部下を簡単に誘うことができない。

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2014年05月28日 ---- ボス

熱くならない

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年齢のせいなのだろうか、最近、なにかに熱中するということがなくなった。死にもの狂いで何かを「追いかける」「取りに行く」「やっつける」「極める」、そんなことがなくなった。仕事でもプライベートでも。そんな話を友人にした。すると彼は「キノシタ君はそんなこと思っているの? 僕なんか、そもそもこれまでの人生でなにかに『死にもの狂い』なんて感情を抱いた記憶がないよ。勉強も運動も仕事も恋愛も。いろんなことに熱くなることができたキノシタ君は恵まれているんだと思うよ」と言われた。◆そうかもしれない。きっとそうなんだろう。いろんなことに熱くなることができた。恵まれていた。今を満足しよう。そう考え始めていた。◆先日、銀座のあるバーに久しぶりに顔を出してみた。半年ぶりに会ったカウンターの向こうの彼女はニコニコしながらいろんな話をした。普通は銀座の女性は客の話の聞き役になる。ところがこの日の彼女は饒舌で私がもっぱら聞き役に回っていた。◆ふと、彼女の口が止まった。そして彼女は私の目を見ながらゆっくりと言った。「キノちゃん、あなた最近、ギラギラしたところがなくなったわね。少し枯れかけてきたのかしら。ギラギラしていた男が、そのギラギラ感がなくなった時が一番魅力的なのよ。あなた今とっても素敵よ」と。◆それを聞いてとても嬉しくなった。少し熱くなった。死にもの狂いにはなれないが。

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2024年04月26日 ボスの
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  • 午前机まわり整理
  • 午後防衛案件会議
  • 夕方新橋「有薫酒蔵」で飲み会
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