‘ボス’ の記事一覧

2017年04月07日 ---- ボス

「無理です」と言うな!

boss-5

15年前、わが国にはまだアルミデッキで作られたヘリポートはなかった。私はいろいろと勉強し、なんとか我が国にもアルミデッキ製ヘリポートを作ろうとした。いろんな人に相談した。相談したほとんどすべての方々が「無理でしょう」と言った。私は「無理ではない」と信じていた。なにが無理なのか、なにが問題なのかを一つずつ解決していった。現在、わが国には80か所もアルミデッキヘリポートができた。すべて当社が作ったものだ。◆10年前、陸上自衛隊の練習用ヘリコプターとして米国エンストロム社製ヘリコプターを採用してもらおうと動き出した。いろんな人に相談した。相談したほとんどすべての方々が「無理ですよ」と言った。私は「無理ではない」と信じていた。なにが無理なのか、なにが問題なのかを一つずつ解決していった。現在陸上自衛隊の練習用ヘリとしてエンストロム社ヘリが30機我が国の空を飛んでいる。すべて当社が納入した。◆アルミデッキのときも、エンストロムのときも、回りの人たちはほとんどすべてが「無理ですよ」と言った。だが我が社の中で「無理だ」と思っている者は一人もいなかった。私は先頭を切って「無理ではない!」と走っていた。◆会社が少し大きくなった。私は後進の育成に専念したく、先頭を走ることをやめる準備をしている。会社としてはもちろん、まだまだチャレンジすべきことは多い。だが・・・・。◆「国内に我々の手でアルミデッキヘリポートを造ること」や「自衛隊に米国エンストロム社製ヘリコプターを納入すること」に比べれば遥かにハードルが低いと思われる案件に対してもすぐ「無理ですよ」との声が聞かれる。しかも社内から。平気な顔して。◆「どうやればその問題を解決できるか」を考えようとしない。考えもしないで平気で「無理ですよ」と言う。私が求めるのは「無理ですよ」ではなく「難しいですね、でもなんとか方法を探ります」という言葉とその実行なのだが、なかなか伝わらない。頭が痛い。

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2017年04月06日 ---- ボス

忖度しないでもいいから一緒に考えてください。

boss-a

口幅ったいが我が国のヘリポートに関しては第一人者であると自負している。◆ドクターヘリの普及に伴い、病院屋上にヘリポートが増えている。私の会社ではこれらヘリポートのコンサルタントや設計を行っている。ところが最近、いわゆる「危険なヘリポート」が増えてきた。コンサルタントとして「その構造は危険ですよ。10年~20年は持つでしょうが経年劣化によって大事故につながりかねません」とアドバイスしても「そんな先のこと、知らないよ」と言わんばかりの業者もいる。私も実際一度言われたことがある。関西の工事の打ち合わせだった。中堅ゼネコンの所長が「キノシタさん、オレはね、この現場を最後に定年で退職なんよ。30年後に事故があるかもしれない、なんて関係ないのよ。」と。◆このままでは危険なヘリポートが増え続ける。しかしそれを監視する法やシステムがない。我々がいくら言っても聞いてもらえない。◆関係者の中では「いつか落ちるぞ」と言われていたというトンネルの上のコンクリート床版。2012年、笹子トンネルの天井版(コンクリート床版)が落下して多くの命が奪われた。「危ない」と誰もが知っていて知らぬフリをしていた。笹子トンネルで事故が起こったら日本中のトンエルから天井コンクリート版がなくなった。◆「人柱(ひとばしら)行政」などと言われて久しい。私には大物政治家のバックもない。だから「忖度しろ」など言えない。言う気もない。忖度しなくてもいいが、安全のためにまじめに取り組んでいただきたい。◆昨日、国土交通省航空局から電話をいただいた。「なにが問題なのかお聞かせいただきたい」と非常に丁重な話し方だった。本日、午後2時、航空局を訪問する。話を聞くだけでなく、一緒に解決策を検討していただきたいと切に願っている。◆今朝、私は、いささか緊張している。

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2017年04月05日 ---- ボス

予想

boss-b

今年の「本屋大賞」の発表が迫ってきた。来週の火曜日(11日)に発表とのこと。毎年11月に候補作10作が発表され、全国の書店に勤める読書好き店員の投票によって大賞が決定する。私は毎年、大賞の発表までにノミネートされた中から少なくとも半数の5作品は読むようにしている。そして毎回、予想する。一度も当たったことがない。これまでに「これは間違いない。絶対に今年の『本屋大賞』はこれだ!」と確信を持ったことが何度かあった。2010年「横道世之介」(吉田修一)、2012年「ジェノサイト」(高野和明)、2013年「楽園のカンヴァス」(原田マハ)この3作は自信があった。「きっと大賞を取るだろう」と思っていたが「世之介」は3位、「ジェノサイト」は2位に終わった。「楽園の・・」も3位だった。さらに昨年は「もうこれしかない!」と強く思った「君の膵臓をたべたい」が「羊と鋼の森」に負けて2位だった。◆今年も私の予想は当たらないのだろうな、と思いながら候補作のうち6冊を購入し、すでに5冊は読んだ。今年は私にとって「これだ!」という作品がない。それでも予想しよう。「みかづき」(森絵都)か「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)かのどちらかだろう。「暗幕のゲルニカ」(原田マハ)も「 i 」(西加奈子)も良かったが少しインパクトに欠ける。「みかづき」も「蜜蜂・・」ももう一つの感じ。いずれにしろ今年は突出した作品に出合えなかった。◆だが、いろんな文学賞があるが、まず「はずれ」が少ないのがこの本屋大賞であることは確かである。

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2017年04月04日 ---- ボス

予想

boss-b

毎年この時期にある二つのイベントで、私は事前に予想をすることを楽しみにしている。一つはゴルフの祭典「マスターズ・トーナメント」の優勝者の予想。そしてもう一つは「本屋大賞」の受賞作。どちらも毎年予想しているが当たったことがない。今年はどうだろう。◆「マスターズ」の優勝者はずばりジョーダン・スピースと読む。若手ゴルファーの中で最も知的で道徳的。多くのゴルフファンの模範となっている。インタビューに対する受け答えはウィットに富み知性を匂わせる。まだ23歳の青年だがすでに風格が備わってきた。オーガスタ・ナショナルコースで着るグリーンジャケットは彼が最も似合いそうだ。◆もちろん日本人として松山英樹を応援するが、最後は一歩届かないのではなかろうか。予想はともかく「ジョーダン・スピースVS松山英樹」となったときはもちろん松山を応援する。◆ただでさえ睡眠不足の毎日だが、この週末は一層眠れぬ夜が続くことになる。残念なのが優勝の決まる最終日、日本では月曜日の朝7時ころからが最高に盛り上がるのだが、その時間、出勤と早朝営業会議と重なってしまう。いくらなんでも「マスターズ決勝日のため本日の会議は午後からにします」とは私の口からは言えない。残念。◆本屋大賞の予想は明日。

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2017年04月03日 ---- ボス

緊張

boss-5

最近は寝つきが良くなった。毎日、12時頃にベッドに入り読書をする。ちなみに今読んでいるのは「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)。なかなか面白い。面白いがベッドの中で読んでいるとすぐに眠たくなる。12時半には灯りを消して眠る。◆眠って一時間半ほど絶った午前二時ころに目が覚める。ここからが眠れない。毎日のことだ。午前二時。ベッドから起き出すほどの元気はない。しかし眠たくない。「眠らなくては明日がきつい」と思い目を閉じじっとしている。なかなか眠れない。浅い眠りに入り、半覚半睡状態が続く。そのまま朝になる。五時半にベッドから抜け出す。◆このような状態がもう数年も続いている。夜、眠らないので昼間が眠たい。体に良いわけがない。(社長室で仕事をするフリしながら時々うたたねをしている。真面目に働いてくれている社員には申し訳ない気持である。許してほしい)◆四月一日付けで「ファシリティー事業部長」を兼任することになった。2年間程、事業部長を降り社長業に専念していたがこのたび復帰することになった。生来、気の小さい私は「社長業」だけでも気になることが多く眠れないのに、「事業部長」を兼任し直接、事業部員を差配するとなるとさらに気を遣う。午前二時に目が覚めてから、昨夜はほとんど眠ることができなかった。いろんなことを考えていた。◆6月で60歳になる。サラリーマンなら退職を控え、仕事の整理に入るこの時期に社長として事業部長として緊張感を持って新年度に入ったことを嬉しく思い悲しくも感じる。

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2017年03月27日 ---- ボス

必要以上のおもてなし

boss-b

喜んでいただけるから、好意でするのが「おもてなし」だと思っている。ところが周りを見回すと「おもてなし」をされないと「あの店はサービスが悪い」という客が増えているようだ。「おもてなし」されて当然、と思っているのか。私に言わせれば、するほうもするほうだ!「あっちがするから、こっちがしない訳にいかない」と嘆く経営者は多い。私たち客が「いいえ結構です」とみんなで「おもてなし風のいらぬサービス」を遠慮すればいいのだが多くの客はすぐに「はい、お願いします」と答えている。「はい、お願いします」と言えばまだ良いほうで「当然でしょ」とばかりに、ただ頷くだけのバカな大人も多い。◆雨の日に買い物すると、商品を入れた紙袋に雨除けのビニールをかけてくれる。本屋で本を買うと紙のカバーをかけてくれる。JALやANAで飛行機に乗るときにスーツケースを預けると「ビニールをおかけしましょうか?」と聞かれる。私はいずれも「ありがとう。でも結構です」と答える。◆なぜわざわざ雨除けビニールをかける?雨でどれだけ商品が濡れるものか。人様へお渡しするものでなければ、包装紙が少々濡れても問題ないじゃないか。なぜ本に紙のカバーをかける?あなたの読むその本は人様に見られたら恥ずかしい本なのか?そう言えば私も村上由佳の『ダブル・ファンタジー』を買ったときは「お手数ですがお願いします」と言ったなあ。なぜ旅行用のスーツケースにカバーをかける?そりゃ新しいスーツケースに傷が付くのは嬉しいことではないだろう。だが、旅行用のスーツケースだ。傷が勲章のようなものだ。新しい形のスーツケースがボロボロになっているのを見ると「おっ、こいつ、できるな」と私は思うのだが・・。◆いずれにしても過剰サービス合戦。これらは世界に誇るべき「おもてなし」とは違うのではないだろうか?◆私はタクシーのドアの自動開閉だけは「世界に誇れる素晴らしいおもてなし」だと思っている。他の「おもてなし」は後ろに並ぶ客に迷惑がかかるが、タクシーの自動ドアは皆が喜ぶから。

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2017年03月16日 ---- ボス

転送電話

boss-b

忙しい日が続いている。昨日は沖縄へ日帰り出張だった。今日も会議や打ち合わせが分刻みで詰まっている。始業時間前に確認したいことが幾つかあり、隣のビルにある当社分室に電話を入れた。分室はヘリポートに関する事業部で20人程度が在籍している。「こんな朝早くから誰か来ているかな?」と思いながら電話をした。しばらく呼び出し音が続くが誰も出ない。「まだ早いからな」と思って受話器を置こうとしたところで音に変化があった。「誰か出たかな」と思ったら「はい、エアロファシリティー」ですとの声。その声は私の部屋のすぐ外からも聞こえてきた。転送されていたのだ。◆分室に電話をして誰もでない場合には本社に転送される。素晴らしい機能だ。「あれ?これ転送されてるの?」私は電話に向かって尋ねた、本社の、私の部屋近くの部下は電話越しに答えた。「はい、分室がでない時にはこちらに転送されるようになっています」 私の予想通りの返事が返ってきた。◆嬉しくなった。私はそのような電話機能の活用を支持をした記憶はない。私が指示しなくても、会社がよりよく機能するように誰かが心がけてくれている。◆その機能は、もちろん有料で外注しているはずだから私の承認はもらっているのだろう。だが私はその機能を知らなかった。私がボケたのか、忙し過ぎて記憶から消えてしまったのか。稲田大臣の情けない国会答弁をバカにできないと思った。

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2017年03月08日 ---- ボス

築地市場移転問題

boss-5

豊洲の土壌が汚染されていることは最初から分かっていた。汚染土壌を入れ替え、さらにその上に盛り土をすれば市場内の安全は十分に確保されると私は思っていた。大学で土木工学を学び、建設会社に就職し、長く都市土木に関わってきたた私がそのように思うのだ。土木に関しては全くの素人の石原都知事が専門家からそのように説明を受けて納得していたとしてなんら不思議はない。◆豊洲市場の工事着工前に複数の週刊誌が「土壌汚染は大丈夫か?」と記事にした。土壌汚染を問題視しているのは第三者や消費者ではなく、築地から移転することで不利益を被る方々が多いように思った。移転に反対、築地で仕事を続けたい、そういう方々が反対理由に土壌汚染問題に的を絞ったのだと私は思った。豊洲の土壌汚染問題を声高に叫ぶ方々は築地の安全性を確認しようとしなかったから。きっかけや利害関係は知らないが、安全に関して言えば私には放射能やヒ素が埋まり、ネズミがたくさんウロチョロしている築地より近代的なビルになる豊洲の方がよほど清潔に思われた。◆おそらく豊洲移転には様々な利権が絡んでいるのだろう。ズルをして儲けた都議会議員やゼネコンもいるのかもしれない。だが、ここまで来てしまったからには移転するしかなかろう。◆盛り土の予定が盛り土せずにコンクリートを打設した。土木屋なら「盛り土よりコンクリートの方が遮水性が高いからより安全」と思う。カネの問題はともかく、安全性からは否定される謂れはない。私が一つ理解できないのは、なぜ全面にコンクリートを打たず、一部を残したのかということ。地下水が建物床下に溢れ出ているような印象を与えてしまう。◆今更だが、建物下全面にコンクリートを打設して土壌と建物を遮断すべきだ。そうしてなるべく早くに豊洲へ移転するのが東京都民にとっても日本国民にとってもいいことだと思う。◆どこであろうと地下深くには得体のしれないものが埋まっている。これは一土木屋の考えで、化学に詳しい方は別の意見があるのかもしれないが。

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2017年03月07日 ---- ボス

石原元東京都知事の言い分 ・・分からなくもない

boss-5

築地市場の豊洲移転問題に関してマスコミは、すべての問題は石原元都知事が発端であるような論調である。「担当だった浜渦副知事に任せていた」という石原氏に対し「契約書には都知事の印が押してある。あなたが知らない訳がない」と追及する。◆私も一日に何回も代表取締役印を押す。わが社では私しかこの印を押すことはできない。私がこの印を押せば責任は最終的には私にある。では私は、印を押す契約書の内容をきっちりと把握しているか、と聞かれればほとんどが詳しく分からないものばかり。部下からの説明を受けて、部下を信用し代表取締役印を押す。都知事だって同じようなものだったろう。◆都知事も社長も、詳細は信頼できる担当者に任せるのが理想。都知事としては「築地は限界」「豊洲がいいんじゃないか?なにか問題あるか?」と方向を示す。部下が「土壌は汚染されていますが土壌改良をして土を入れ替え、さらに盛り土しますから大丈夫です」と言えば「それならそれで急いでやろう。オリンピックに間に合わせろ」というのが知事の仕事。石原さんの回答は皆がバッシングするほどおかしいこととは私には思えなかった。◆それよりも森友学園の問題での安倍さんの答えの方が余程おかしい、と感じている。

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2017年03月06日 ---- ボス

長野県 防災ヘリ 墜落

boss-a

昨日、長野県の防災ヘリが墜落し、操縦士・整備士をはじめ搭乗していた9人全員が亡くなった。ヘリコプター関連業界に身を置くものとしてこんなに悲しいことはない。亡くなられた民様のご冥福を祈る。◆繰り返してはならない事故である。繰り返してはならないから、死者に鞭打つようなことを言うことを許してほしい。長野県防災航空隊のことを「おかしい」「あれでは事故につながる」などとの噂はかねてからあった。http://www.pref.nagano.lg.jp/search/result.html?q=%E9%98%B2%E7%81%BD%E3%83%98%E3%83%AA&cx=015495834277161279722%3Awt4l5bvbml4&ie=UTF-8&cof=FORID%3A9  ここにいろいろと出ている。◆「どうしようもない」「むずかしい」と言って問題を看過してきたことも事実だろう。誰が悪いとは言いにくいが、防災ヘリに関わる方々の努力によって防げた事故であったという気がしてならない。

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2017年03月01日 ---- ボス

こたつ

boss-c

昨日、朝、出社前に自宅で一仕事済ませたため家を出るのが遅くなった。普段なら会社にいる時刻に着替えをしていた。鏡に向かってネクタイを締めているとテレビから面白い問題が聞こえてきた。天気予報番組の中でのクイズだった。「全都道府県でこたつの普及率が最低なのはどこでしょう?」というものだ。私は「そんなの沖縄に決まってるじゃん」などと独り言を言っていた。言いながら「いや、それじゃクイズにならないか?」とも思った。そして「もし沖縄じゃないのならどこだろう?鹿児島も宮崎も冬は十分に寒いよな」とまた独り言。そして「東京かな?東京にはワンルームマンションが多いし、ワンルームではほとんどこたつはないだろうし・・」などと考えていた。・・・・みなさんはどう思いますか?・・・・・・・◆答えを聞いてビックリ。なんとわが国で最もこたつの普及率が低いのは・・・北海道ということだった。普及率が低い2番目が沖縄、東京は3番だった。ちなみに普及率が最も高いのは山梨県だそうです。

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2017年02月28日 ---- ボス

エマ・ストーンの神対応

boss-c

アカデミー賞授賞式で大失態があった。「今年のアカデミー作品賞は『ラ・ラ・ランド』です」と発表され、関係者が壇上で受賞の喜びを語っているときに「間違いでした。作品賞は『ムーン・ライト』です。ごめんなさい」と訂正されたのだ。「ラ・ラ・ランド」の受賞を確実だと思っていた一ファンの私でさえ不愉快になった。一旦「作品賞に選出されました」と言われ大喜びしているところで「間違っていました」と言われる。まさに、ぬか悦び。「ラ・ラ・ランド」の関係者はさぞ腹が立ったことだろう、と思っていた。◆今朝の報道で驚いた。「ラ・ラ・ランド」の主演女優エマ・ストーンの対応に。彼女は「これってこれまでのオスカーで最もクレイジーな瞬間なの?」と記者陣に問いかけ「Yeah!」と返されると、「最高! わたしたちは歴史を作ったってことでしょ!」と笑顔で答えたのだ。それだけではなく「わたしは『ムーンライト』がマジで好きなの。本当に大好きなの! 本当に興奮しているわ」と絶叫せんばかりに『ムーンライト』をたたえた。「そりゃもし『ラ・ラ・ランド』が作品賞を獲れたら素晴らしかったでしょうけど、わたしたちは『ムーンライト』の偉業にとっても興奮しているわ。映画史における名作の1本だと思うもの」と興奮気味に語ったのだ。(一部、「シネマ・トゥデイ」からの引用)◆がっかりするでもなく、運営者に腹を立てるでもなく、笑顔で現実を受け止め、ライバルを心から称賛する。私はエマ・ストーンのこの対応にこそアカデミー賞をあげたくなった。◆一昨日の日曜日、私は一人で「ラ・ラ・ランド」を観に行った。数年に一度の最高の映画。ミュージカル好き、ジャズ好き、アメリカ好き、映画好きにはたまらない作品だ。みなさんもお早めに観に行かれること、お勧めします。

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2017年02月23日 ---- ボス

6年前

boss-4

7年前の8月、カナダ国境に近いミシガン湖のほとりの田舎町メノミニーで、試験飛行を終えたその小型ヘリコプターは一旦分解されコンテナーに積み込まれた。そのコンテナは陸路、西海岸を目指し、数日後ロサンジェルス港で貨物船に乗せ換えられる。数週間かけて太平洋を渡り横浜港へ、さらに陸路仙台空港を目指した。仙台空港に着いたのは9月の下旬だったろうか。そのヘリコプターは仙台空港で組み立てられ、初めて日本の空を飛んだ。いくつかの計器が加えられ、胴体には漢字文字や日の丸が描き加えられた。5か月かかってすべての調整が終わった。◆6年前の昨日(2月22日)、陸上自衛隊練習用ヘリ「TH-480B」 全30機のうちの初号機を当社が納入した。寒い日だった。盛大なセレモニーを終え、機体は西の空へと飛んでいった。私はその機体に向かって手を振りながら初号機納入の安堵を覚えた。と同時に続く29機を滞りなく納入する使命に対し新たな緊張感をも覚えていた。◆納入式から20日後、その仙台空港を大地震が襲う。続いて大津波が襲った。仙台空港にあった数十機のヘリコプターは全滅した。5か月間仙台空港にいたあの機体が仙台空港を離れて20日後に津波が襲ったのだ。◆地震がもう少し前に発生していたら、あの機体も流されていた。私は自殺していたかもしれない。運命の恐ろしさを感じる。被災者の方々には誠に申し訳ないが、自分の幸運をとてもとてもありがたく感じた。あれから6年が経った。

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2017年02月22日 ---- ボス

不謹慎はどこまで?

boss-5

私がまだ高校生の頃の話。中国地方の国立大学の医学部で、人体解剖実習のさなか切断した首をラグビーボールのように投げた学生二人が退学処分になった。未成年の学生が粋がってやったこととは言え、そしてその学生たちは十分に反省しているとはいえ、その行為はあまりにも不謹慎。退学処分は妥当だと高校生の私は思った。◆解剖実習中の不謹慎な行動で退学処分となった例は意外と多い。遺体から耳を切り取り、壁に貼り「壁に耳あり」と言ったバカな学生や、小腸で縄跳びをした者もいる。医者となる資質というよりもまず常識的な人間としての資質に欠ける。退学処分は当然である。◆こちらはどうだろう? 福岡の外科病院で高齢(85歳)の院長が立ち会う最後の手術で、手術中に記念写真が撮られた。全身麻酔で眠り、腕の手術を受けている患者の横でピースサインをする看護師の写真やカメラ目線の医師たちの写真など。バカな看護士がこれをSNS上に公開した。マスコミは例によって正義人ヅラして「全身麻酔で眠らせ、何が起こるかわからない状態の患者と写真を撮るという、非常識な行動。」と非難する。マスコミに非難されて院長は反省し謝罪した。◆私には分からない。手術中に冗談は言えないのか。手術中にリラックスはできないのか。・・・・意外と簡単な手術だったのかもしれない。◆写真をSNSに公開した看護師は避難されても仕方がないが、高齢の院長最後の立ち合い手術を、手術中に撮る行為を「不謹慎だ!」と決めつけ、「反省しろ。謝罪しろ」と迫るマスコミの方がよほどおかしいと感じる。少なくとも全国ネットのニュースで報道するほどの大事件ではない。

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2017年02月22日 ---- ボス

実業家大統領 トランプさん

boss-b

平成5年、私は請われて、ある会社の「取締役航空事業部長」になった。事業部員50人、所有ヘリコプターは15機程度だった。バブル経済が崩壊していくなか、放漫経営を続けてきた前任者の尻ぬぐいをするのが私の役目だった。◆「どう、贔屓目(ひいきめ)に見ても利益が出ているわけがない」と直感的に思ったが経理資料を詳細に調べるとやはり前任者の「いい加減さ」ばかりが目立つ。「まず無駄を省かなくては・・」 私はコストカットを急いだ。当時はまだ土曜日は半日出勤であったが、これを週休二日にすることでベースアップをゼロにした。エレベータのメンテナンス会社を替えたら料金は半値になった。コストカットできる項目はいくらでもあった。それほど無駄が多かった。そして私が最も大きくカットしたのが保険料であった。◆ヘリコプターの保険料だから高額だった。販売用の新機にも「飛ぶかもしれない」と飛行保険が掛けられていた。年間で数千万円の保険料だった。保険会社の担当者を呼び「必要性の低いもの、リスクが小さいと思われるものから徹底的に削ってください」とお願いした。一週間後、担当者はニコニコして私も元へやってきた。「年間40万円ほど削ることができました。あとはやはりすべて必要でしょう」と言い、彼はなぜそれらの保険が必要か、止めたらどんな心配があるのかを説明し始めた。彼の話を最後まで聞かないうちに私は腹が立ってきた。「あなたの話を聞いてもしようがない。私と一緒に苦しんで考えてくれない担当者には用がない。帰ってください。そして別の担当者か上司をよこしてください」私の声は荒れて大きかった。◆別の担当者がやってきた。「『今の保険を削る』という考えは私にはない。あなたも捨ててください。まずは現状は保険に入っていないと思ってください。どうしても入らないとならない保険を必要性の高い順に教えてください。理由も説明してください」と私は言った。つまり 「現状を変更する」のではなく「ゼロベースに戻し新たに始める」と考えることにしたのだ。結果、保険料は前年度の半分以下に収まった。◆なにかと批判されている米国トランプ大統領だが私にはメディアが叩きすぎと見える。7か国からの入国を制限しようとしたところ大バッシングを受けている。もちろん、いろんな意見があるだろう。だがトランプ大統領はイジワルで入国制限したのではない。アメリカを守るためにはどうしたらいい?考えた結果が入国制限だったのだろう。現状から7か国を禁止にしたのではない。彼は一度ゼロベースにしたのだと思う。頭の中で一度、鎖国して、すべての国に対し入国を制限する。そして「この国は大丈夫」と思える国は開国する。開国する国はどんどん増える。だがまだ「この国は大丈夫」とは言えない国が7つ残った。そういうことだろう。◆政治家の考え方ではなく、事業家の考え方。私にはトランプさんの思考回路、理解できなくはない。・・・・理解はできるが気が小さい私にはとてもトランプさんのマネはできない。

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2017年02月20日 ---- ボス

「弱いものが強い」のが正しいのか?

boss-5

私が前田建設工業に勤務していた頃、イヤでイヤでどうしようもない上司がいた。ある作業所で彼と一緒に勤務することになった。毎日が苦痛だった。会社を辞めたい、と思ったが大学を浪人し留年までした身、簡単に辞められない。とにかく頑張った。「2年も我慢すればヤツと別れられる」・・耐えた。2年が過ぎた。工事が終わり、私と彼はそれぞれ別の作業所へ異動した。私は思った。「またヤツと同じ作業所になったら、その時がこの会社を辞めるときだ」◆それ以来、彼と一緒に働く機会はなかった。あれから30年経った。私は全く別の理由で前田建設工業を辞めることになったのだが、今でも私は彼のことは好きではない。好きではないが、実は彼から教えられたこと彼から学んだことが実に多く、それによって私はあのときに成長していたのだと今は素直に言える。(結果的に、いくら私のプラスになったといっても、嫌いなものは嫌いだ)◆個人のことよりも組織(会社)のことを優先して考えるのが良い会社人だ、と考える人が多い。事実、私も社内会議では「自己犠牲」という言葉を多用する。「自分を捨てて、会社のために頑張ってくれたら、きっとその結果があなたに還元される」・・そんなことを言う。真面目な社員ほど、素直に私の言葉に従う。私は彼の査定点(評価点)を上げる。会社は利益が増し、彼の給与は上がる。好循環だ。◆自分を犠牲にしてまで会社の発展に尽くした者ほど部下にも自己犠牲を求める傾向がある。私もその一人だろう。(前田建設時代のあのイヤな上司もそんな男だったのだろう。) そうやって多くの会社は成長してきた。◆ところが昨今、「弱いものが強くなった」と私は感じている。私は、自分がそう考えたように、「どうしても耐えられない」という状況になったら会社を辞めればいい、辞めるしかない、と思ってきた。ところが・・・。◆厳しい上司の気持ちも知らず、辞めることもせず、恨み節を書いて自殺する人が出た。世間は事情を確認することもなく「会社が悪い!」「上司が悪いい!」と騒ぎ立てる。「死ぬ選択より辞めるを選択すべきだった」と言っている人を私は知らない。言えないムードがこの国を覆ってしまっている。◆大手証券会社の関西支店に勤める私の親しい友人(後輩)がいる。バリバリの営業マンで客からの評価も高かった彼が突然、資料室に異動になった。カラダを壊したのかと思って連絡してみた。そうではなかった。「厳しくしすぎたみたいです」・・元気なく彼は答えた。「チクられました」と寂しそうな声。 「上司の上司」に問題解決を頼むか、かつての私のように「辞める」という選択を考えるのではなく、「こんなに酷い上司がいます」と本社の、コンプライアンスを管理する部署に、あることないことをチクったそうだ。◆「強い者」「厳しい者」に対抗する手段として「自殺」や「チクり」が広がってきた。今後、我が国には「厳しい者」がどんどんと減って、どの企業も高校の文化祭のような仲良し集団になっていくのだろう。それが居心地の良い社会につながるとは私は思わない。もちろん会社の発展につながるとも思えない。◆  ◆念のために申し添えるが私は「パワハラ」を肯定しているわけではない。 現実を見ずに一方的に

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2017年02月16日 ---- ボス

全国規模で取り上げるべき記事か?

boss-2

yahooニュースに以下の記事があった。「東京都品川区立小学校の男性教諭が1月中旬、担任をしている5年生の理科の授業で『自然分娩(ぶんべん)で子供を産んだ方が、帝王切開で産んだ時よりも親は愛着を抱きやすいという説がある』と発言していたことが15日、同校への取材で分かった。学校側は不適切な発言だったことを認め、校長と発言した教諭が保護者会で謝罪した。・・(以下 略)」・・・・・・こんなことを大騒ぎする方がおかしいと私は思う。記事はさらに「自然分娩の大変さを説明しようとした中での発言だったという。児童から発言を聞いた保護者が学校に問い合わせて発覚。発言から6日後に予定されていた保護者会の冒頭で、校長と教諭が「配慮に欠ける発言で申し訳ない」と陳謝した。(以下 略)」と続く。 ◆確かに不適切な発言だが悪意や差別意識があっての発言ではない。不快に思われた親に対して教師が謝ればそれで済むことじゃないのか? 「不快に思った親」⇒「保護者会』⇒『マスコミ』 と問題を大きくしていくことになんのメリットがあるのか私には理解できない。この記事を読んで不快に感ずる人が全国に生まれるだけじゃないのか? どこにだって配慮に欠ける発言をする人はいる。その場で注意し、相手が反省しているならその場で解決できるのじゃないか?◆「そんな発言、私は絶対許しませんから!」とヒステリックに叫ぶ母親と、「これは記事になる」とくだらぬことで喜ぶマスコミ。 そんな人たちのおかげで、この国はどんどんと程度の低い国へと成り下がっていっているように私には見える。◆誤解なきように確認するが私はその男性教諭の発言を擁護するつもりで書いているのではない。事件を大きくしようとする何らかの力に対して「おかしいよ」と言いたいのである。

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2017年02月16日 ---- ボス

やっぱりレベルが低い「産経抄」

boss-5

日経新聞を読まない私だが朝・毎・讀・産のコラムには目を通す。以前、この欄で産経新聞のコラム『産経抄』がおかしい、と書いた。他紙ではほとんど使われることのない「はず」と言うことばがしょっちゅう出てくる。「・・そう思ったはずだ」「・・期待していたはずだ」などと人の気持ちを「・・・はずだ」と断定してしまう。おかしい。私は「産経抄」と「天声人語」を読み比べ、この「はずだ」との表現をチェックしたことがある。正しい数字は覚えていないが、年間で「天声人語」では1回なのに「産経抄」では数十回使われていた。「産経抄」、おかしい。◆その今朝の「産経抄」に次の文があった。おかしくないか? 「鮮血は執筆中だった、スターリン批判の原稿を真っ赤に染めたという。」・・「おかしい」と感じるのは私だけなのだろうか? 小学校の国語教師はこの文読んで「おかしい」と思わないのだろうか? (小学校の先生は産経新聞を読まない、という説もあるが・・) ◆その個所を私は何度も読み返した。おかしい。「鮮血は執筆中だった、スターリン批判の原稿を真っ赤に染めたという。」・・やっぱりおかしい。正しくは「鮮血は、執筆中だったスターリン批判の原稿を、真っ赤に染めたという」或いは「鮮血は、執筆中だったスターリン批判の原稿を真っ赤に染めたという。」あるいは「鮮血は執筆中だったスターリン批判の原稿を真っ赤に染めたという。」だろう。◆句読点のつけ方の問題。おかしくないの? 「おかしい」と感じる私のほうがおかしいのか?

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2017年02月14日 ---- ボス

バレンタインデー

boss-b

今朝、久しぶりに娘を助手席に乗せ、クルマで出社した。途中で娘を降ろすのだが、そこまでしばし父娘の会話を楽しんだ。娘は社会人4年生。もう20歳代の後半になった。某企業の総務部に属している。◆「今日はバレンタインだね、キミも会社で義理チョコ配るの?」と何気なく聞いた私に、彼女は困ったような顔をして「そうなのよ。私は止めたいんだけどね・・・部の女性社員全員で男性社員一人ひとりに配るんだ。恒例の行事になってるみたいなの。『私は参加しません』なんて言えないしね」 娘は不満気にそう話した。「父さんの会社では、もう数年前から社内義理チョコ禁止だよ」と私が言うと「いいなあ、うちも誰かが『義理チョコ禁止』って言ってくれないかなあ」と娘。「でもまあ社内のコミュニケーションが円滑になったり良い面もあるでしょ。義理チョコすべてが悪いってわけでもないよね。会社や部署や個人でそれぞれ考えがあるからね。一旦はじめたことを止めるってのも難しいよね」と私が言うと娘はさらに悲しそうな声でこう言った。「うん、私は別になにも困らないからいいんだけどね・・・。でも実際は男の人が大変そうで・・。最近は、チョコをもらったら何かお返しをしないといけないムードでしょ? オカネもかかるし、それよりも何を返そうかとかいろいろ大変でしょ? やっぱり父さんみたいに、うちの会社でも誰か偉い人が『義理チョコ禁止』って言ってくれたほうがいいなあ。父さん、父さんの行動は正解よ」◆父親という動物は、娘と話をするだけで嬉しいものなのだが、こんなたわいない話で最後に「父さん、正解よ」と言われるととても気分が良くなる。娘は「どうもありがとう」と言って最寄り駅で降りた。娘の後ろ姿に「気を付けてな」と言いながら私はクルマを発進させた。そのとき私はきっと、にやけた顔をしていただろう。

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2017年02月13日 ---- ボス

母の一周忌

boss-a

今日、二月十三日は母の命日。昨年の今日、早朝に母は眠るように息を引き取った。この週末、一周忌の法要がいとなまれ私は寒い寒い九州、大分へ帰ってきた。苦労ばかりだった母の人生を思い、改めて感謝の気持ちが強くなった。◆法要を済ませ、大分空港へ向かう途中に杵築市というのどかな城下町があるがある。そこに私の小学校1.2年生時の担任、I先生が住んでいる。久しぶりに訪ねてみた。89歳のおばあちゃんになられたI先生は穏やかに、笑顔と涙で私を迎えてくれた。◆私が小学校の2年生の冬休み、父母姉と私が乗ったタクシーが事故を起こし、気付くと父は助手席で血を流し死んでいた。母も顔に大けがを負った。私は生え変わったばかりの永久歯を失った。真っ先に駆けつけてくれたのがI先生だった。◆私は冬休み明けから祖父祖母の家へ移ることになり、転校することになるのだが、私が転校したあとも、ずっとずっとI先生は私のことを見守ってくれていた。顔に大けがを負い、後遺症に苦しむ母を優しく助けてくれた。私が高校を卒業するころまで、毎年1回はご主人と一緒に、車で2時間もかかる我が家まで来てくれていた。◆私は後になって知るのだが「もし大変ならばモトミちゃんは私たちが育てるから。もし大変ならば私たちがモトミちゃんを養子に迎えるから」と言ってくれていた。母はI先生夫妻に感謝しながらも私を手放すことはなかった。苦しみながらも頑張って私を育ててくれた。子供がいなかったI先生ご夫妻は遠くから私を見守り続けてくれた。もし、あの事故で父と一緒に母まで亡くなっていたら、私はきっとI先生の養子になっていたのだろう。◆忙しさにかこつけて私はここ10年近くI先生を訪問していなかった。母の葬儀の案内も出さなかったが、昨年末に喪中はがきを送ったところすぐに先生から連絡を受けたのだった。◆I先生は89歳になられても矍鑠(かくしゃく)としていた。「立派になったねえ。頑張ったねえ」・・私の訪問を本当に嬉しそうに喜んでくれ笑顔で話し始めたI先生、すぐに声が詰まり涙が落ちてきた。涙声で「モトミちゃんは子供の頃から成績が良く、走るのも早く、そして正義感が強かったもんねえ。それでいて小さなことには動じない立派な子やったねえ。人物やったねえ」と、べた褒め。少し恥ずかしかったがとても嬉しかった。私も涙で返事をすることができなかった。◆「また来ますね。先生もお元気でね」と言って別れた。

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2017年02月08日 ---- ボス

「沈黙」

boss-a

「キノシタさん、『沈黙』は読みましたか? 」親しい友人Mさんが聞いてきた。 「遠藤周作の? 多分、学生時代に読んだと思うけど・・・。でも今、内容を全く思い出せないってことは読んでないんだろうねえ」 私は人生で最も読書していた学生時代を思い出しながら答えた。内容は覚えていないが学生時代確かに私の本棚にはハードカバーの『沈黙』が並んでいた記憶がある。買ったけど読まなかったのか・・?◆Mさんは続ける。「マーチン・スコセッシの『沈黙』が上映されてるでしょ。映画観に行く前に読んでおこうと思って、昨日文庫本買ったんですよ」 ◆マーチン・スコセッシ監督の、江戸時代の日本を題材にした映画がまもなく上映される、ということはどこかで聞いていた。その映画が遠藤周作の『沈黙』だとは知らなかった。「やっぱりオレ読んでないわ。『沈黙』が江戸時代の話だってことすら知らなかったよ」そう答えながら私も急いで読んでみようと思った。「TSUTAYA」で、平積みされた文庫本『沈黙』を買って、読み始めたのはなんと伊勢神宮へ向かう新幹線の中だった。◆『沈黙』は、島原の乱のあときわめて「キリシタン禁制」厳しい日本に潜入して布教活動を続けようとするポルトガルの司祭の苦悩を描いたもの。日本のすべて神社の最上位に位置する伊勢神宮に参る往復の道中「キリシタンの苦しみ」を読んでいたわけだ。滑稽ではあるが、不徳とも不遜とも思わない。信仰というものの尊大さ、奥深さに対し素直に敬意を表する。それが神道であろうがキリスト教であろうが仏教であろうが、あるいはイスラム教であろうが。◆私は「苦しい時の神頼み」の、宗教的にはつまらぬ人間である。残念ながらつまらぬ人間であるのだが、今、世間を見回すと「IS問題」やトランプ大統領のイスラム教徒差別感など宗教がらみの問題や紛争が絶えない。わが国でもオウム真理教の事件があった。私のような「苦しい時の神頼み」的な中途半端なつまらぬ人間のほうが幸せなんじゃなかろうか、そんなことさえ思いながら今年の「お伊勢参り」は完了した。

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2017年02月08日 ---- ボス

酒池肉林

boss-c

「オレ、今年の六月で60歳、還暦ですよ。どうしてくれます?」 ゴルフ仲間に冗談で問うたところ「酒池肉林のパーティー開きましょうか?」と明るく返された。「酒池肉林?すごいですねえ、いいですねえ」 これまた冗談で私も明るく返した。私はスケベ心がくすぐられニタッとしてしまった。だがそこに女性もいた。「まずい。『酒池肉林』はセクハラ用語ではないか!?」 私は少し焦ったが幸い何事もおこらず、サラッと楽しく時間は流れた。 だが私はそこに、なにか違和感を覚えたのだった。◆ 『酒池肉林』という言葉を私が知ったのはいつだろう? 早熟だった私はすでに小学校の高学年の時にはその言葉を知っていたと記憶する。そして早熟だった(正確には「スケベだった」かな?)私はその言葉の意味を 「酒の池(風呂・プール)の中に水着(あるいは裸)の美女を大勢はべらかしている様」と理解していた。子供のころからずっとそう思っていた。◆大学生時代だった。テレビでヒュー・ヘフナー(雑誌『PLAY BOY』の発刊者)の暮らしぶりが紹介されていた。「これってまさに『酒池肉林』の世界だな。すげえな、うらやましいなあ」と若い私は思っていた。◆ゴルフ仲間との会話の中で、なにか違和感を感じた私はWikipediaで「酒池肉林」を調べてみた。こう書いてあった。 「酒池肉林(しゅちにくりん)は、酒や肉が豊富で豪奢な酒宴という意味の四字熟語である。『肉林』の『肉』に『肉欲』の意はなく、女性に囲まれて大騒ぎをする宴というのは誤用である」・・・・・・「ええっ?そうだったの?ああ恥ずかしい」、私は小学生のころから誤用のほうで「酒池肉林」を理解していたのだ。◆「酒池肉林」・・・セクハラ用語でもなんでもない。「豪華な酒宴」のことだった。恥ずかしい。 ・・・が、私は誤用の「酒池肉林」つまり大きな声では言えない、女性の前では使ってはならない「酒池肉林」も四字熟語として生き続けることを明るく願っている。 ヒューヘフナー、かっこよかったもんなあ。

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2017年02月06日 ---- ボス

お伊勢参り

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ここ10年ほど毎年一月に「お伊勢参り」をしてきた。例年、伊勢市小俣町明野にある「陸上自衛隊 航空学校本校」を表敬訪問するのに併せ参拝していた。前日に外宮近くの宿に一泊し、翌日早朝、日の出前に外宮を参拝。宿に戻り朝食を取り、ゆっくりと内宮を参拝するのが恒例となっていた。ところが今年は航空学校訪問予定日にどうしても外せない用事があり、私は欠席させてもらった。◆毎年行ってきた「お伊勢参り」をしないと落ち着かない。体調も芳しくない。私は毎朝、神棚に手を合わせるのだが神棚内の「角祓い」札が「キノシタさん、新しい年になったんですけど・・」と言っているようにも感じるようになってきた。だがウィークデーはすでにいろいろと予定が入っている。一昨日の土曜日(4日)夕方、資料整理と打ち合わせでオフィスに出ていた。翌日は雨との予報。ゴルフの予定もない。「そうだ、お伊勢 行こう」  私は思い切って一人でお伊勢参りをすることにした。◆昨日、雨の伊勢神宮を参ってきた。もちろん日帰り。早朝の新幹線で名古屋まで行き、近鉄特急に乗り換え伊勢市駅へ。予想以上の雨。そして予想以上の参拝客。(「雨だから参拝客も少ないだろう」などと思ったのが間違い。お伊勢参りは皆さん以前から計画していて少々の雨では誰も中止しないのだ)◆外宮~内宮と回り「おかげ横丁」で「へんば餅」を食べて帰ってきた。一人お伊勢参りも悪くなかった。今朝は心なし体調が良い。

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2017年01月30日 ---- ボス

建前論・正論が出すぎじゃないの?

boss-2

1年くらい前だろうか、タレントのベッキーさんの不倫騒動が盛り上がっていたころ、ある雑誌で面白い記事を読んだ。「若い女性が3人以上集まると必ず『ベッキー、最低!』とベッキーの悪口になる。ところが本当に親しい二人で話すと『ベッキーかわいそう』と本音になる」というもの。大勢の前では自分の思った正直な気持ちを言えないムードがいつのまにかこの国に蔓延してきた。大勢の前では正論・建前論しか言えなくなっている。◆テレビ・マスコミでは「賭けマージャンくらい誰でもやってますよ。僕も先週やりました」などと発言は極めて難しい。そんな発言できる力があるのはビートたけし(北野武)さんくらいだろう。◆電通の過労死事件に関してマスコミは「電通っていう会社はとんでもないブラック企業だ」と言う。だが私の周りの経営者でそういうことを言う人は少ない。◆電通に入った人間は騙されて入ったのではないだろう。「この会社に入ったら厳しいですよ。ものすごい残業が待っていますよ。『鬼十則』というのがあるんですよ」・・・先輩たちの話からそれぐらいは当然理解していただろう。「それでも給料が高くやりがいがある」そう思って入社したのだろう。ところが中に「自分が予想していたよりもはるかに厳しかった」と思う人がいる。彼らが「過労だ!ブラックだ!」と叫ぶ。 ◆今回の事件、「私が学生ならそんな厳しい会社を決して就職先に選ばない」・・そういう学生が増えればそれでいいんじゃない? 会社に入った人間には「辞める」「逃げる」ということができる。小学校・中学校のイジメと同等に議論することではないだろう。◆電通に続いて三菱電機でも過労問題が浮上している。「職場環境・労働条件が悪ければ優秀な人材が集まらない」・・日本はすでにそういう社会になりつつある。 電通へのマスコミおよび司法の厳しい対応に関し、私は「少し行き過ぎてるんじゃないの?」と思っている。不夜城のようだった電通ビルは今、毎晩10時には真っ暗になると聞いた。 「角を矯めて牛を殺す」という言葉を思い出した。「反省しすぎるのもよくないよ」と思っている経営者は意外と多い。だが彼らはそれを口に出すことが難しくなってきている。そのことの方がよほど大きな問題だと、私は思っている。

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2017年01月27日 ---- ボス

トルとし君

boss-c

早くも一月が終わろうとしているが私はまだ毎日のように新年会に参加している。新年会のハシゴも何度かあった。中でも、大学や高校時代の仲間との新年会は全く緊張感もなく楽しい。先日、霞が関の居酒屋で大学時代の同窓新年会があった。私の向かいに I君、その隣にT君が座る。I君は某大手ゼネコンの部長、T君は中堅ゼネコンの専務、二人とも仕事の時は厳しい表情らしいが同窓会では40年前のまま。私の左隣、T君の向いの席に某公共会社の取締役になっている「としあき君」が座る。ここでは「としあき君」の名誉のため本名を書くことができない。◆「としあき君」のあだ名は「トルとし」。今は偉くなっているI君がとしあき君に話しかける。「トルとし、ところでオマエ・・・」 T君も続く「トルとしがあのとき・・・」 話が盛り上がってきたところで質問するのが私の役目。「あれ、なんで『としあき』が『トルとし』になったんだっけ? 最初のころは『とし』と呼んでたよな。」 としあき君が「ええっ!また、その話ですか?」と泣きそうな顔 ・・・・◆大学4年の前期試験最終日のこと。以前からI君、T君 それととしあき君は「学生時代に一度トルコに行きたいね」と話していた。トルコというのは今のソープランドのこと。試験が終わった解放感からI君とT君は「今日、行こうや」ということになった。「トシも誘わんとな」と言ってとしあき君の研究室や下宿に探しに行ったがとしあき君は見当たらなかった。携帯電話などない時代、九州大学土木工学科で級友を探すのは下宿・研究室・雀荘・パチンコ屋であった。結局、としあき君が見つからないのでI君とT君は二人でバスに乗って中州へ繰り出した。彼らにとって初めてのトルコであった。◆翌日、I君とT君は自慢気にとしあき君に話した。「トシ、お前を探したけど見つからんかったからオレたち二人でトルコに行ってきたぞ。すげえ良かった・・・」 それを聞いてとしあき君は激しく怒った。「三人で行くって言いよったやんか、なんでオレを誘わんで行くの?」 ・・・その、としあき君の怒りっぷりが面白く「トルコに行けなかったことを激しく起こったトシ」を略してその翌日から I君 T君はとしあき君を「トルとし」と呼ぶことになり、その呼び名が広まった。経緯を知らない同級生は「トルコが大好きなとしあき君」を略して「トルとし」だと今でも思っている。◆としあき君は私に対しては敬語で話す。「キノシタさん、オレだけトルコに行ってないんですよ。行ってないオレの呼び名がなんで『トルとし』なんですかねえ?」 優しいとしあき君は「トルとし」と呼ばれることをさほど嫌がってはいないようだ。 

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2017年01月26日 ---- ボス

体調不良

boss-3

昨年末から体調がすぐれない。頭痛がずっと続いている。最初は風邪だと思って葛根湯を飲んで寝ていたが一向に良くならない。咳も鼻水も出ない。風邪ではないようだ。体温は平熱、血圧も異常はない。◆最近は耳鳴りがするようになった。酒をやめても、睡眠を十分にとっても頭痛も耳鳴りも治らない。朝の寝起き、目を閉じたまま意識のみが覚醒し始めると同時に耳鳴り音が聞こえてくる。そっと起きだし洗面所で顔を洗おうと前屈みになると頭が痛む。そんな状態が続いている。先週はCTによる検査をしたが異常は見つからなかった。これまで二人の医師に相談したが、どちらも 「それほど心配することはないでしょう」ということだった。念のために今日、MRI検査をする。◆ストレスから来る症状か、男の更年期障害か、ただの一過性のものなのか? いずれにしてもほんのちょっと体調が悪いだけで仕事も遊びも「全力で楽しむ」ことが難しくなる。あらためて健康であることの有難みを感じている。・・・MRI検査の結果は来週の火曜日に出る。

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2017年01月25日 ---- ボス

頑張れ、アパホテル!

boss-b

2年前だったか、幕張のアパホテルに泊まった。客室をはじめ設備は素晴らしく値段もリーズナブルであったがマナーの悪い中国人観光客の多いことにうんざりした。我が物顔で大声でしゃべり、どこでも平気で床に座る。食事のマナーも悪い。見苦しい。それ以降、私は出張でもアパホテルを避けるようになっていた。◆今、そのアパホテルが話題になっている。アパホテルの各客室には、南京大虐殺を否定する書籍が置いてあるという。目立たないところに置いてあり、よほどヒマな人でないと読むことはないであろうその本の存在が中国にとっては我慢ならないようだ。国を挙げてアパホテル攻撃が始まった。どうやら中国人観光客はアパホテルへの宿泊をやめるようだ。◆アパホテルの全宿泊者に占める中国人の割合は5%程度だという。(私が幕張に泊まったあの日、私の印象は半分以上が中国人観光客のように感じた。それほど彼らはうるさかった。) 中国人観光客が宿泊しなくなるアパホテルは静かで居心地の良いホテルに変貌するかもしれない。私はこれから出張時にはアパホテルに泊まることにしよう。私のような日本人ビジネスマンは意外と多いかもしれない。◆私は中国人の友人も多い。国際的に働く彼ら一人一人は皆、とても知的でマナーもいい。その彼らでさえ、来日する中国人旅行客の行状を嘆いている。アパホテルは「マナーの悪い中国人旅行客はお断り」との貼り紙をする代わりに妙な書籍を置いたのかもしれないな、などと考えてしまう。

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2017年01月25日 ---- ボス

「真冬並み」って?

boss-2

昨日夕方、車の中でラジオを聞いていた。気象予報士の女性の言葉が気になった。彼女はこう言った。「明日からまた非常に強い寒波がやってきます。真冬並みの寒さになるでしょう。お気を付けください。」◆今は、いつだ? 1月の下旬だ! 真冬のど真ん中だ。我々は真冬のど真ん中にいるのに「真冬並みの寒さになるでしょう」などと言う。気象予報士の試験は大変難しいと聞いているが、まともな日本語を知らない人でも合格できるようだ。 せめてテレビ・ラジオでしゃべる気象予報士にはまともな日本語を使ってほしい。

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2017年01月23日 ---- ボス

考える習慣

boss-b

年末から体調が悪く、ゴルフを控えている。熱は平熱だし血圧も正常だが、頭痛と耳鳴りに悩まされている。先週末は自宅でテレビと読書で過ごした。今、沢木耕太郎の新著『春に散る』を読んでいる。昨年夏まで朝日新聞に連載され評判の良かったもの。ボクシングで夢が叶わなかった初老の主人公たちが、人生の終盤に新たな夢を一人の若者に託すストーリー。私は主人公の広岡仁一を、若き日の高倉健をイメージしながら読み進んでいる。◆野球しか知らなかった広岡は肩を壊し野球が続けられなくなった。すさんだ生活を送っていた彼がボクシングと出会う。ジムの練習生に応募しようとするが、その募集要項には「頭脳明晰な者に限る」との但し書きがあった。学校の成績は芳しくはなかったが応募し、ジムの会長の面接を受けることになる。面接で会長が広岡に率直に聞く「君は頭がいいですか?」と。「分かりません」と答える広岡に対する会長の言葉がいい。◆「頭がいいか悪いかを判断するのは簡単なことです。ポイントはその人に考える習慣があるかどうかです。逆に言えば、考える習慣を持っている人を頭のいい人と言うんです」・・・まさに、そうだ! 「考える習慣」が大切なのだ。◆会長が練習生の条件に、頭がいい人としたことが理解できる。 「考える習慣がある」人は伸びしろが大きい。◆私はこのブログを「考える習慣」を維持するためにも書いている。部下たちには毎日のように「言われたことをやるだけじゃなく、自分のアタマで考えろ!」と言っている。◆人から「考えろ!」と言われなければ考えないということは「考える習慣がない」ということ。大変失礼だが、回りを見ると「考える習慣」を持たない人が圧倒的に多いようだ。




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2017年01月19日 ---- ボス

天下り問題

boss-5

文部科学省が国家公務員法に違反し、同省前局長の早稲田大学への「天下り」をあっせんした疑いが指摘されている問題で、前川喜平事務次官の辞任が19日、固まった。(以上Yahooニュースから) ◆文科省のトップが「天下り問題」で辞任する。私個人的には「天下り=違法=悪」とは思っていない。私個人は思っていないのだが、マスコミをはじめ世間の多くは「天下り=違法=悪」と思っているようだ。前川氏もそう思っているから辞任するのだろう。さて、じゃあ前川氏、これからどうするのだろう? 普通に考えると、「天下り問題」の責任を取って辞任するからには、自分が天下るわけにはいかないだろう。 どうなるのだろう? まさか「終わった人」にはなるまい。 ◆失礼とは思いながら1年後の前川氏はどうしているのか予想してみる。これまた失礼だが私の予想はこうだ。 「『これは天下りではない』と主張できるようなポストに実際は天下っている。」・・・・さて、どうだろう。マスコミはここで終わらず、1年後、2年後の前川氏のポストを追いかけてみて欲しい。芸能人や政治家の「ゲス不倫」を追いかけるよりよほど簡単だし、まともな国民の多くが関心ある問題であると思う。  

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2017年01月18日 ---- ボス

イチローの言葉

boss-5

正月に観たテレビ。イチローが子供たちに向かって話していた。「君たちのコーチなどがときどき、こんなことを言っているそうですね。『イチロー選手は人の2倍も3倍も練習してるんだ、君たちも上手になりたかったら仲間の2倍も3倍も練習しなければならない。人の2倍、3倍練習したらイチローのようになれる』・・そんな話をしているとよく聞きます」 そこまで言うとイチローは一呼吸おいた。そして少し大きめの声でそれを強く否定し始めた。「嘘です。考えてもみてください。人の2倍も3倍も練習なんてできないでしょ」と。・・・「なるほどな、できるわけないよな」私は思った。イチローの話は続く。「人の2倍、3倍じゃないんだな。努力を人と比較しても意味ないよ。僕はね、練習をするときにまず『自分の限界』を探すんです。そしてその『自分の限界』を少しでも超えるところまで頑張ってきました。毎日が『自分の限界』との闘いですよ。」そういうことを言った。◆『自分の限界』を見つけ、その『自分の限界』と思っていたところを超えるだけの練習をする。イチローが言うから重みがある。大したものだ。◆私は自分の学生時代を振り返った。当時の私は「オレはまじめに頑張れば優秀なんだ。いま成績が悪いのはまじめにやってないからだ」などと自分に言い訳し、逃げていた。結局 『自分の限界』など見つけることもなく、平凡以下の努力しかせず、浪人し、さらに留年までしてしまった。「これではダメだ」と自分で気づくまで、残念なことに私の周りには厳しく叱ってくれる人がいなかった。

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2017年01月17日 ---- ボス

負けず嫌い

boss-b

10年くらい前の話。その時、私は社会人としての師匠であり恩人である川嶋信義さん(故人=元前田建設工業副社長)と二人、クルマで宮崎の国道10号線を走っていた。なんの話題からそんなことになったのか覚えてないがちょうど信号停止しているときに助手席の川嶋さんが言った。「なんで負けても悔しがらないんだろうなあ?」・・誰か情けない部下のことを言ったのだと思う。「男は負けず嫌いじゃないとダメだよな」と私に同意を求めてきた。私は車を発進させながら「ええ、そうでしょうね。負けず嫌いじゃないとね」と彼の言葉を軽く肯定し、さらに「オレ個人はそれほど負けず嫌いじゃないんですけど、それでも負けても全く平気そうなヤツ見てると『それでいいの?』なんて感じますね」と答えた。川嶋さんは軽く吹き出し明るい声で「ばーか、、オマエほど負けず嫌いのヤツはめったにいないよ」と言った。 こちらを向いた川嶋さんは笑顔だった。◆私は人様から「キノシタは負けず嫌いだ」と指摘されたのはこのときが初めてだった。正直、そのころまでは自分が負けず嫌いの性格だとは意識していなかった。いや、気付いてはいた。自分が負けず嫌いであるということは気付いていたがそれを隠そうとしていたのだ。◆子供の頃から負けず嫌いのヤツはいる。負けず嫌いのヤツらはだいたいデキが悪かった。負けると腹を立てる。みっともない。そんなみっともない負けず嫌いを多く見たので、私は負けず嫌いの性格を隠そうとしていた。負ければ腹が立つけれど、腹が立っていることを誰にも悟られないようにしてきた。だから「キノシタくんは負けず嫌いだね」と言われたことは、それまでなかった。だが川嶋さんは見抜いていた。「オマエほど負けず嫌いのヤツはめったにいないよ」・・川嶋さんに初めて褒められた気がした。◆今年の正月、箱根で過ごした。温泉の隣にサウナ室があった。中に入るとオジサンが6人入っていた。「この6人よりは先に出るわけにはいかないな」・・負けず嫌いの私は誰にも気付かれぬよう、そんなくだらぬ勝負を挑んでいた。「オレって負けず嫌いなんだな」・・くだらぬことを思い、川嶋さんの笑顔の指摘を思い出していた。

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2017年01月13日 ---- ボス

参った!

boss-3



すごいデザインのビル。日本人の発想では無理ですね。建築デザインに関しては日本は世界で最もセンスのない国の一つでしょう。ちなみにこの写真のビルは「PERURI88」・・・興味があったら検索してみてください。

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2017年01月13日 ---- ボス

勢い

boss-b

「行け行けドンドン」・・・私の嫌いな言葉。調子に乗って深く思慮することなく行動に移してしまう様を表わす。若い経営者によく見られる。かつては私も若い経営者であったが、当時から私はビジネスで多少の追い風を感じても「「行け行けドンドン」にならないように注意していた。慎重に行動してきた。少しずつ会社は大きくなった。◆私が社会人のスタートを切った前田建設工業の当時の社長はもっともっと厳しかった。「石橋を叩いて『これなら大丈夫』と思っても、それでも渡らない。木の陰に隠れて、誰かが渡るのを見てそれから渡る。最初に自分で渡ってはいけない」そういうことをおっしゃっていたと聞く。若かった私は「それじゃ一番になれませんね」などと生意気なことを言っていた。◆あれから30年以上が経った。私も経営者になって20年以上が経った。時代も変わった。「行け行けドンドン」は相変わらずダメだが、「ひょっとしたら壊れてしまうかも」という程度の橋なら幾つか渡って来た。若い会社は慎重すぎたら大きくなれない。大きくならないと安定しない。◆私は今年で60歳になる。最近は「ひょっとしたら壊れてしまうかも」という橋を渡ることをビビるようになってきた。ビビッていたのでは大きくなれない。大きくならなければ安定しない。難しい問題が続く。

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2017年01月12日 ---- ボス

新元号

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天皇の生前退位がほぼ決まったようだ。2019年元日には今上天皇が退位し、現皇太子の浩宮徳仁親王が皇位に就くこととなるようだ。すでにその方向で国会は動き出している。西暦2019年は平成31年ではなく新しい元号での元年になる。新元号は平成30年の夏ころには発表されるらしい。◆僭越、不遜ではあるが、ここで新元号を予測してみたい。私は僭越不遜を承知で、そのような知的遊びを「大人の日本人」にはやってもらいたいと思っている。少なくとも、発表されたものを「あ、そうですか」と受け入れるのではなく「興味・関心」を持ってもらいたいのだが・・。◆さて、新元号、私の予想を始めよう。・・・・学者は恐らく文字の選択からはじめるのだろう。最後に残った幾つかから政治家に選んでもらう。私は経営者として学者連中とは別の視点で推測を始める。「最後に政治家が選ばないであろうものは最初から検討しない」・・・「M」「T」「S」「H」と続いたアルファベットの頭文字、これとは重ならないように配慮するだろう。2019年にはまだ多くの明治生まれの方々が頑張っている。頭文字「M」の重複もないだろう。私は「K」「N」「G」「R」に絞る。さらにこの中でも「K」か「R」だろう。「N」は「M」と発音が近い、「G」は濁音だ。選びにくい。だから「K」か「R」。◆さてここからやっと学者の発想を考えてみる。「明」「治」「大」「正」「昭」「和」「平」「成」・・・当然悪いイメージの文字はない。良いイメージの字でも例えば「空」「桜」「虹」などの具体的にイメージできる名詞は使われない。良いイメージの形容詞、形容動詞、そして動詞。・・・絞り込んだ◆「K」ならば「佳」「敬」「恵」「快」「開」「供」「建」、「R」だったら「隆」「立」「倫」「礼」「玲」あたりになる。「慶」や「麗」は画数が多く難しい。「共」は共産党のイメージがある。私はさらに五文字に絞り込んだ。それが「佳」「開」「建」「隆」「礼」だ。きっとこの五文字の内のどれかが新元号の上の字になるのだろう。◆みなさんも、こんな予想にトライしてみませんか? 予想をすると興味も増しますよ。「どうでもいいよ」じゃダメですよ。

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2017年01月11日 ---- ボス

おかしくないか? 「賭けマージャン問題 飯塚市長と副市長、辞任」とのみだし

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市長と副市長、彼らは、「賭けマージャンをしたから」、その問題の責任を取って辞任したのか? 違うだろう! 「通常の勤務時間である平日の昼間にマージャンしていたことが問題」なのだろう!  なぜ、そのように報道しない? なぜ「賭けマージャン問題」との見出しになる? ◆日本の報道各社は事件の本質を問わず、ことさら「自分のアタマで考えることのできない読者や視聴者」に対して、彼らが興味を引きそうな言葉で吊る。◆ 賭けマージャンをしたら市長を辞めなければならないのだったら恐らくこの国の市長の半分は辞任しなければならないだろう。 「この報道の仕方は おかしい!」と思わない情けない読者ばかりのようだ。

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2017年01月11日 ---- ボス

「縦社会」を学んだ中学生時代

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昭和45年、佐伯市立鶴谷中学校に入学すると私は野球部に入った。小学生時代に「ちゃん」付けで呼んでいた1学年上の「お友達」は、中学生になった途端に「さん」付けで呼ぶべき怖い「先輩」に変わっていた。1年生にとって3年生は雲の上の存在。キャプテンから話しかけられとても緊張したことを覚えている。3年生は皆、1年生には優しかった。怖いのが2年生。◆野球部に入った同級生は30人を超えていた。夏休み明けまでは満足にキャッチボールすらさせてもらえない。外野のさらに後方で「声出し」と「玉拾い」の毎日。同級生は一人減り、二人減りしていった。最もイヤなのが雨の日。教室内で2年生が1年生を指導する。指導といえば聞こえが良いが実際は「しごき」と呼ばれていた。2年生による理不尽な説教とイジメが続いた。そこで「しごき」が行われていることは教師も知っていたであろう。その「しごき」が理不尽なイジメであることも知っていただろう。だが、その「2年生が1年生を指導する場所」には教師も3年生も入ってくることはなかった。◆一年が経ち、我々は2年生になった。新1年生が入ってきた。小学生時代に私のことを「もとみちゃん」と呼んでいた連中だ。中学生になったのにピリッとしない。やんわりと「オレはもう『もとみちゃん』じゃなくて『キノシタさん』なんだよ」と教えてあげた。雨の日は1年生を「しごく」立場になった。生来、心根の優しかった私は、自分がされた理不尽な仕打ちを下級生にすることは好まなかった。だがそれでも数人にはビンタを張るくらいの「しごき」はした。◆相変わらず私たち2年生をいじめ続ける3年生は1年生にはとても優しかった。自分は1年生に優しく接しておいて、2年生の私に「おい、キノシタ、お前ちゃんと〇〇を教育してるのか? あいつの挨拶の仕方はなんだっ!」などと言い、私は殴られた。3年生は2年生をいじめ、2年生は1年生をいじめる。3年生は1年生を可愛がる。1年生は2年生が大嫌いで、1年生にとって3年生は大好きな優しい先輩たち。そんな構図が続いていた。◆おそらく今の鶴谷中学校ではあんな「しごき」はないのだろう。ひょっとすると東京の学校のように先輩のことも「クン」付けで呼んでいるのだろうか? 私が育ったころの、理不尽な「しごき」のある時代の方がが良かったとは言えない。言えないのだが、あのころ私は縦社会の構図を覚えたのだろうと思う。悪いことばかりではなかったようにも思える。◆    ◆追伸:: 2年生のある日、何が原因だったか覚えていないが私は部室で正座をさせられ3年生から説教されていた。説教の終わりにその3年生が「キノシタ、 ビンタ10発がいいか?グラウンド20周がいいか?」と聞いてきた。「はい、ビンタ10発お願いします」と私は即座に答えた。当時、ビンタが最も楽な「しごき」だった。

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2017年01月10日 ---- ボス

ひたむきな学生スポーツ

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この三連休に高校ラグビー、高校サッカー(男女)、高校バレー(男女)、大学ラグビーのそれぞれ決勝戦がテレビ中継された。学生たちの団体スポーツ、いずれも「One for all、all for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」の精神が徹底し、ひたむきに勝利に向かって努力する。優勝する一校を除き、すべてのチームは努力かなわず負けて終わる。負けて、泣いても皆美しい。「やれることはやった。自分の力は出し切った」そんな思いが彼らを美しくする。テレビ画面を見ながら「今の思いを大切に、社会人になっても頑張ってよ。」と声をかける。◆「One for all、・・・」の精神を知らない者は社会人として無様な人となる。

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2017年01月06日 ---- ボス

感動! 女子高生の素晴らしい行為 

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yahooニュースに素晴らしい記事が出ていた。そのまま転載する。
「埼玉県の鴻巣署は4日、県道に散乱していた古紙を一人で回収した行田市在住、県立鴻巣高校1年の湯本里咲さん(16)に感謝状を贈った。見て見ぬふりをして通り過ぎる自分を受け入れられず、後先のことを考えずに一心不乱に集めた行動は、周囲の心を揺り動かした。 自転車で通学している湯本さんは昨年12月21日夕方、鴻巣市屈巣の県道を通りがかった際、新聞紙や折り込みチラシが半径約3メートルにかけて大量に散乱しているのを目の当たりにした。一度はそのまま通り過ぎたものの、『何もしていない自分に辛くなった』と戻って来た。 当初は古紙を自転車の前かごに積んで自宅に持ち帰ろうとしたが、収まり切れない。約500メートル離れたコンビニエンスストアへ行き、ごみ袋を買って戻り、再び拾い集めた。現場は交通量の激しい通り。湯本さんは青信号になるたびにひたすら拾い続けた。 午後5時20分ごろ、同署に「女子高生が落とした荷物を一人で拾っている。かわいそうだから助けてほしい」と連絡が入った。署員が駆け付けると、すでにごみ袋3袋分、計10キロの古紙が回収されていた。持ち帰り方法を考えていた矢先に署員が到着。安心した湯本さんの目からは涙が流れた。 高校ではバスケ部に所属している湯本さん。学校周辺のごみ拾いなど美化活動をしてから朝の練習に取り組んでおり、「学校でもやっているので当たり前と思って拾いました」と振り返った。 市村知孝署長から感謝状を贈られ、湯本さんは『周りの事をもっと見られる一年にしたいです』とほほ笑んだ。」

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2017年01月06日 ---- ボス

1月6日


金曜

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2017年01月05日 ---- ボス

節酒

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昨日は社内で新年会。昨年末以来の、たるんだ空気に「喝」を入れる厳しい訓示を垂れたあと、気分を変えて明るいいつもながらのパーティーとなった。やはり社員たちと飲む酒は旨い。楽しい。ビール、日本酒、焼酎、ワイン、注がれるままに私は調子に乗って飲み過ぎた。夕方3時頃にはタクシーで帰宅したようが記憶が定かでない。恥ずかしいのがゴルフ仲間にタクシーの中からLineを送信していること。今朝の出勤途中の電車の中でチェックしていて気付いた。「ええっ?! オレ、いつ、こんなメールを送信したの? 恥ずかしい!」◆元来、酒は強くない。強くないのに毎日飲んで、毎日が二日酔いに近い状況だ。◆決めた! 今年は「節酒」する。 少なくとも週に3日はビールだけにする。さらに週に1日はアルコールを一滴も飲まないことにしよう。「そんなの節酒と言えるか!」と聞こえてきそうだが、タバコと同じで急にやめると長続きしそうにない。まずはできそうな範囲でスタート。とりあえず今日はアルコールを抜くことにしよう。

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2017年01月04日 ---- ボス

感動! 箱根の勇者たち。あっぱれ! 上武大学の森田主将

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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。   ◆元旦から箱根宮ノ下へ移動し、箱根駅伝を応援した。若者たちが、何の見返りを求めるわけでなく、ただ自分が納得するためにだけ必死に取り組む姿は美しい。学生野球や学生サッカーなどを観ても感動するが、この箱根駅伝が私たちに与える感動は圧倒的だ。目の前を駆け抜けて行く選手たちに「頑張れっ!」と声をかけながら、私は目頭が熱くなった。心から「頑張れっ!」と声援を送り続けた。◆宮ノ下は5区「山登り」、6区「山下り」のほぼ中間地点。二日の「山登り」、20人すべての選手が私の前を駆け抜けたあと、宿に戻り、芦ノ湖の往路ゴールまでをテレビで応援することにした。先ほど私の前を駆け抜けて行った勇者たちが疲労困憊して芦ノ湖のゴールに倒れ込む。「頑張ったなあ」「お疲れ様」・・・私は爺さんのように、テレビの中の勇者たちに向かってねぎらいの言葉をかけていた。ただでさえ感動的なシーン、そこでさらに私を驚かせたことがあった◆過酷な山登りを終えた往路最終ランナーたちは皆ゴールテープを切るとその場に倒れこむ。係員が毛布を持って駆け寄り、彼を支えながら休息できる場所へ移動する。驚いたのは上武大学の森田主将。16位でタスキを受けた森田選手は8人を抜いて8位でゴールテープを切った。その快走だけでも感動的なのだが、彼はゴールテープを切った後、毛布を持って駆けつけ自分を支えてくれようとする係員を自分の手で制し、今走って来た方を振り向くと、観客たちにむかって深々とお辞儀をした。二、三度最敬礼を繰り返して力尽き、最後は頭を下げたまま両手を膝に置き、動けなくなった。◆精も魂も尽き果てているのは誰の目にも明らかなのに、それでも皆に感謝の意を伝えようとする。すばらしい。◆上武大学、森田主将に爽やかな男らしい勇気を見せてもらった。森田イズムを引き継いでくれたなら、来年からは上武大学を少し大きな声で応援したい。

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2016年12月28日 ---- ボス

安倍首相 みごとな演説 「和解の力」

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朝、ネクタイを締めそろそろ自宅を出ようかという頃にハワイの真珠湾での安倍総理の演説がはじまった。安倍さんの置かれている難しい立場は理解できた。「さて、この状況で安部さんはどのような言葉を使って所感を表明するのだろうか」私は立ったままテレビを見続けた。75年前の真珠湾攻撃に関しては直截的な言葉で謝罪はしないのだろう、とは思っていた。◆果たして阿部さんの演説は見事だった。私は歴代、日本の総理の演説の中で最も素晴らしい演説であったのではないかとさえ感じた。◆「かつて歴史上も稀なほどの極めて激しい戦いをした日米が、今はこれまた歴史上極めて稀なほどの強い同盟関係にある。米国の寛容さに感謝する」 そのようなことを伝えた。 さらに「現在も世界中で戦争が絶えない。多くは“憎しみの連鎖”によるものだが我々は“寛容の心”によって“憎しみの連鎖”を断ち切りさらに“和解の力”によってともに発展できることを知っている。」というようなことを話した。「本来なら完膚なきまでに叩き潰されても仕方なかった状況で、米国民は私たちに『ミルクとセーター』を与えてくれた。その“寛容の心”に強く感謝する」「寛容がもたらす“和解の力”を世界に訴えていきましょう。」「日米同盟は世界的に『希望の同盟』なのだ」と説明した。◆いつもは早口の安倍首相だが、同時通訳をオバマ大統領をはじめ米国民すべてが理解してくれることを願ってだろう、ゆっくりと噛みしめるように語っていた。◆アベノミクスには黄色信号が灯っているが、そしてオバマに代わってトランプ次期大統領には得体のしれぬ怖さもあるが、「日米の強い絆でもって世界平和を目指しましょう」という我が国のリーダーの明確な意思表示には強く感動した。

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2016年12月27日 ---- ボス

「終わった人」

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住友商事に努めるエリートサラリーマンで、私の親しい友人Oさんから「この本おもしろいですよ」と紹介された。内館牧子著「終わった人」。主人公、田代壮介は東大法学部を卒業した後、大手銀行に就職する。彼が63歳でサラリーマン生活を終えるところからこの物語は始まる。長年、仕事第一で生きていると仕事がなくなった途端に「終わった人」になってしまう。現役のサラリーマン読者は厳しい現実を教えられて怖くなることだろう。◆私も来年で60歳。同級生の多くが来年定年を迎える。果たして彼らは「上手な終わり方」を考えているのだろうか。創業社長である私に定年はない。とは言え「いつまでも現役」でいられるわけもない。私もそろそろ「終わり」を考えなければならない年齢になった。周りの方々は、私に対して「まだまだ若いんだから、リタイアはずっと先ですよね」などとお世辞を言う。◆40歳前にこの会社をスタートし、できる限りの努力をした。スリリングな人生だった。実は、かなり疲れている。「終わった人」を読んで「オレも、そろそろ終わるのもいいかな」などと考えていた。どのような終わり方にしようか、正月休みにゆっくりと考えてみよう。◆幸いにも来年のスタートは箱根の温泉に浸かって迎えることができそうだ。「まだまだ終わるなんてできないよ」・・・そう囁く自分もいる。ひょっとすると「もっとスリリングな生き方を目指す」などと年明けに宣言することになるのかもしれない。「いやいや、そろそろ羽を休めようよ。休む場所を探そうよ」と囁く自分もいる。

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2016年12月26日 ---- ボス

賭け麻雀・・・聞いて驚くことか? 「違法行為だと」怒るべきことか?

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飯塚市の市長と副市長が平日の日中に市庁舎を離れ、マージャンを繰り返していたことが分かった。市長と副市長が通常の勤務時刻にマージャンをするとはとんでもない話。私も怒った。 だがこの事件、それ以上にすべてのマスコミの反応が面白い。私に言わせりゃ「新聞記者もテレビのコメンテーターもみんなアホじゃないの?」だ。◆「市長と副市長が昼間から麻雀していたんだって」 「ヒェー!とんでもない話」・・・ここまでの受け答えは理解できる。私も同じ感覚を持つ。 ここからがおかしい。「その麻雀、オカネを賭けてたそうです」「ええっ!? わが国では賭けマージャンは違法行為ですよね」・・・・新聞記者もテレビのコメンテーターもみんな「オカネを賭けていた」ことに驚いた風な小芝居をし、「違法行為だ」と言い、またまた「とんでもない話」と怒ってみせる。 さらに「金を賭けずにマージャンをする人がどれくらいいるのか」と市長が当然の質問を返すと「なんだあの態度は!反省していないのか?」とさらに読者や視聴者の怒りを煽る。読者や視聴者に対して、市長が「はい、オカネ賭けていました。申し訳ありません」と頭を下げないことがけしからん、そんな感じか。自分のアタマで考えない読者、視聴者はマスコミに煽られて、やはり「けしからん」と怒る。◆マスコミにとっては「勤務時間に抜け出して麻雀したこと」よりも「その麻雀にカネを賭けていたこと」の方がよほど悪いことのようだ。さらに「カネを賭けていたことを反省していない態度」がもっと悪いことのようだ。◆新聞記者もテレビのコメンテーターだって麻雀するときは賭けるだろう。市長が説明した「ハコになって3000円」というのは極めて一般的な安い賭け金額だ。今回の事件「賭けていたか賭けてはいなかったか」なんてどうでもいい話。(もちろん麻雀の勝ち負けを装うって業者からワイロをもらっていたなら別だが)昼間っから仕事をせずに抜け出していたことが大問題。◆正義漢ぶるマスコミが(自分のことを棚に上げて)「法律違反だ!」と騒ぎ、それに対して自分のアタマで考えない連中が「そうだ、そうだ」と追従する。マスコミがいいろんなバイアスをかける。しかもすべてのマスコミが同じバイアスをかける。おかしなことだ。・・・・そう言えばついこの間まで「とんでもない発言のトランプなど大統領の資格なし!」とすべてのマスコミが報じていたなあ。

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2016年12月26日 ---- ボス

超ホワイト企業

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電通の過労死事件によって「実は電通は超ブラック企業だったんだ」などとの噂が広がっている。恐らく電通は今回の事件を機に、ブラックイメージ撤廃に向けて動き出すのだろう。35年前、私が就職した当時の前田建設工業の現場監督は、恐らく電通以上のブラック労働条件だった。安い給与で、悪辣な環境で、とにかく長時間働かされた。苦しかった。きつかった。腹が立った。情けなかった。逃げ出したかった。だが逃げることはできなかった。我慢して、努力して、耐えた。そんな時期が数年続いた。気づくと私は社会人として大きく成長していた。あの苦しい経験が、結果的に、私を大きく成長させたことは紛れのない事実である。◆だからと言って、我が社を興したとき「我が社もブラック企業で構わない」などとは全く思わなかった。「今の当社の社員に、あの頃のオレのような苦しさを味合わせたくない」と強く思っていた。いわば「超ホワイト企業」と呼ばれるような会社になりたい、と願っていた。会社が「超ホワイト」なら社員は「会社のために」と頑張ってくれるものだと思っていた。しかし・・・◆現状を見るに、私の考えは間違っていた。中小企業経営は難しい。従業員が千人を超え、放っといても同期生同士で競争が起こるような大企業なら「超ホワイト」でもいいのだろう。当社のように従業員30名では社員同士の競争は起こらない。「叱る上司」もいなければ「理不尽な仕打ちをする先輩」もいない。少々の失敗をしても社長はじめ、みんなが「いいよ、いいよ」と優しい。その優しさに甘え慣れした連中が今日も「何も指示されないから、私、帰っちゃいますうー」と定刻に会社を出ていく。◆「情報の共有をしろ!」と言っても「ベクトルの方向を合わせろ!」と叫んでも、ほとんどの社員はこのブログすら読もうとしない。(社員30名の会社で、社長が毎日ブログを書いているのに、「読め」と言われなければ読まない社員ばかりであることが不思議でならない。)「自由でのびのびできるのがこの会社の魅力ですよね」などと能天気なことをほざく。◆私は、どうも社員に、ここ数年甘すぎたようだ。舐められているようだ。こんなことではいけない。・・・・年の瀬、いろんな問題が起こっている。来年「優しい社長」はこの会社にはいないだろう。

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2016年12月22日 ---- ボス

シングルプレーヤーへの挑戦

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「キノシタさんも一緒に月例コンペ回りましょうよ」 強くゴルフ仲間に誘われた。「競技ゴルフは柄じゃないないから遠慮しますよ」と最初のうちは断っていたが、半年かかりで説得され、押し切られた。月例コンペに出るにはオフィシャルハンデキャップの取得が必要。私はラウンド後、毎回スコアカードを提出した。最初に届いた「ハンデキャップ証明書」には「ハンディ 17.8」と書かれてあった。昨年の1月のことだ。ハンデを取得し、月例コンペに出るようになると「上手になりたい」と強く思うようになった。年甲斐もなく熱心に練習を始めた。昨年11月には「ハンディ 11.1」にまでなっていた。だがそこからが難しい。いくら練習しても良いスコアが出ない。「この辺がオレの限界かな」と諦めかけた。◆諦めかけてはいたが、今年になり「なんとか年内にシングルハンディになる」を目標にした。せっかくここまで来たんだ、もうひと頑張りで「シングル」になれる。◆妙齢のゴルフをやるキレイな女性に「キノシタさん、シングルなんですって?」と聞かれ「ええ、でもシングルと言ってもギリギリのシングル、ハンディ9なんです」・・「ええっ!すごいじゃないですか!本当にシングルだったんだ!今度、是非、教えてくださいよ!」・・・・なんてところを夢想したりしながら頑張った。今年は2月に母を亡くした。看病や葬儀やその後の法事などでゴルフをするヒマがなかった。5月にはヘルニアの症状が酷くなりしばらくクラブを握れなかった。それでも風呂の中でゴルフの解説書を読んだり、腰痛に響かないようにパターだけ練習したりしていた。秋になり、ゴルフをやる余裕がでてきた。腰の痛みも少し和らいできた。少しずつ努力の成果が出てきた。11月に私のハンデは「10.3」までになっていた。そして昨日(12月21日)新ハンデが届いた。私の新ハンデはなんと「10.0」◆シングルハンディとは「ハンディキャップ9.9以下」のこと。私はギリギリのところでシングルプレーヤーになれなかった。まだ、妙齢のゴルフをやるキレイな女性に「キノシタさん、シングルなんですって?」と聞かれても「ええ・・」とは答えられない。でもここまで来たらなお一層「シングルになりたい」との気持ちが強くなった。来年の目標に再度「年内にシングルになる」を掲げることにした。

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2016年12月22日 ---- ボス

養育方針

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家人が子供たちに対し「勉強しなさい」と言うところを見たことがなかった。受験を控えているのに子供たちはいつもリビングルームで家人と一緒にテレビを観ていた。その当時、私はいつも不機嫌だった。仕事は忙しく、それでいて売り上げも利益も上がらず不安だった。私は毎夜、帰宅すると子供たちに向かって「オマエたちは勉強しなくていいのか?」と厳しい顔して問うていた。そのうち、私が帰宅するとそれまでテレビを観ていた子供たちが「怖いオオカミが来た!」というように急いで自分の部屋に逃げるようになった。私の帰宅時刻までが彼らの楽しい憩いの時間、私の帰宅後は彼らにとって自室で過ごさねばならない孤独な時間となった。◆ある日、家人が私に向かって話し出した。「今日ね、トモ子ちゃんのところに行ってたの・・・」と。  トモ子ちゃんというのは娘の同級生だ。家人の声が少し大きくなった。「トモ子ちゃんのママがね、トモ子ちゃんに『勉強しなさい!』って言うと、トモ子ちゃんのパパから『そんなこと言うな』って注意されるんだって」だと。 「トモ子ちゃんのパパはね、トモ子ちゃんのママに向かって『トモ子が楽しそうに勉強しているか?子供がイヤイヤするようなことを親が強制しちゃダメだよ』って言うんですって」と言う。まるで「あなたもトモ子ちゃんのパパを見習いなさいよ」と言わんばかりだ。そこには「あー、トモ子ちゃんのママが羨ましいな」という響きが確かにあった。それを聞いて私は激怒した。「トモ子ちゃんのところにはトモ子ちゃんのところの教育方針があるだろう。なぜそれをオレがマネしなけりゃならない。オレは、今子供たちが勉強する方が彼らの将来のためになると思って注意している。オレに言わせりゃ子供に向かって『勉強しなさい』って言わないキミやトモ子ちゃんのパパの方がよほど子供のことを思っていないんだよ。『今が楽しけりゃそれでいい』っていう無責任な親だよ」 家人は黙った。その翌日から家人が子供たちに向かって「勉強しなさい」と言うようになったか、というとそうではない。家人はトモ子ちゃんの両親と教育方針が一緒のようだった。◆私が帰宅すると、テレビの音が消え、子供たちが自分の部屋にさっと逃げ込む日々が続いた。その甲斐があったのか娘も息子もなんとか希望の大学に進学できた。彼らが二十歳を超えてからは私は彼らを大人として扱うようにした。もはや人生の先輩としての助言はするが「勉強しなさい」と注意することはない。◆私は今でもあの当時の私の考えは間違っていなかったと思っている。「あの頃の父さん、怖かった」と娘も息子も笑顔で思い出話をしてくれる。

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2016年12月20日 ---- ボス

「優しい校長」役を演じるのは、そろそろおしまいか。

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私が学生だった頃、テレビで学園ドラマを観るのが楽しみだった。成績は今一つで世間知らず、少しヤンチャだが根は「純情な生徒たち」。彼らを引っ張る「アニキのような熱血教師」。それらを煙たがる「常識派の教師たち」。常識派の親分であり、生徒たちから「嫌われる教頭」。そして「どちらにも優しい校長」。構図は決まっていた。「ヤンチャな生徒」「熱血アニキ教師」「常識教師」「厳しいイジワル教頭」「みんなに優しい校長」がそれぞれの立場でいろんな問題にぶつかり解決していった。◆20年前に会社を設立し、当初の私は青春学園ドラマの中の「生徒」であり「熱血教師」でもありときに「常識教師」や「イジワル教頭」の役もこなした。それから20年の歳月が経ち、会社は大きくなった。数年前、やっと私は念願の「みんなに優しい校長」役を演じることができるようになった。社内に「常識教師」や「厳しい教頭」を演じてくれる者が出てきたから。いや正確には、彼らが「常識教師」や「厳しい教頭」役をしっかり演じてくれると信じたから私は「優しい校長」になった。◆「優しい校長」は生徒や教師(つまり社員みんな)に優しく振舞った。時に、増長した生徒に対し不快感を覚えることもなくはなかったが、そこは「常識教師」や「厳しい教頭」が注意してくれると信じていた。だが、どうも私の「優しい校長」役はそろそろ終わりにしなければならないようだ。◆数年前より、我が社では全額会社持ちで(つまり積み立てなどの個人負担なしで)豪華社員旅行を行っている。昨年はハワイ旅行。それまでも沖縄や北海道、グアムや台湾などに行った。社員全員の自宅に夏はお中元、暮れにはお歳暮が届く。安いものではない。社員同士の飲み会やゴルフ大会、ボーリング大会などのイベントにも会社からかなりの額の補助金を出してきた。「ブラック企業」とひと様から後ろ指を指されることなど決してないように注意してきたつもりだし、給与レベルも業界内では上位のほうだろう。私は「優しい校長」を演じ、みんなから好かれたかったのだ。◆「社員が自分の会社を好きになれば愛社精神が増し、一所懸命会社のために頑張ってくれ、それが好循環になる」と信じていた。異業種交流会で私がその話をするとある先輩のオーナー社長さんが「キノシタさん、気持ちは分らんでもないけど、果たしてテレビドラマみたいにキノシタさんの目論見どおりに事が運ぶでしょうか?私はそうは思えんよ」という。別の会社の社長さんからも「社員はね、最初は『ありがたい』と思うのですよ。でもねそれが2.3回続くとそれは特別なことではなくなるんですよ。『ありがたい』と感じなくなるんですよ。そしてさらに上を要求してくるようになりますよ」と注意された。◆年末になり、私はちょっと「優しい校長」役を辞めて「厳しい教頭」役になったつもりで社内を見てみようと思った。驚いた。気付けば、我が社には「厳しい教頭」も「常識派の教師」もいないようだ。「優しい校長」と「純情だがヤンチャな生徒」ばかりになっていた。実は私はいま、愕然としている。年が明けたらしばらくは完全に「優しい校長」役を辞め、「厳しい教頭」「常識ある教師」役を再び演じる必要があるようだ。◆「来年からしばらくは社員旅行やお中元、お歳暮もやめようか」・・そんなことを考えて、昨夜は眠れなかった。

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2016年12月16日 ---- ボス

今年、初めて経験したこと

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人間も60年近くやっていると、大抵のことは経験済みになる。感動する機会が減り、感動の幅も小さくなる。涙は出やすくなるのだが、その涙の量は感動の大きさに比例するわけではない。今年を振り返ろうと手帳を手繰ってみたが感動的な「初体験」は見つからなかった。◆2月に母を亡くしたが、これは「初体験」と呼べるものではなかろう。喪主として様々な経験をするが感動を伴うものではなかった。◆今年は6回、海外に出たがいずれの国も初めて訪れるものではなかった。15年ぶりに行った中国、4年ぶりのスイス、この二国への出張は今年の経験の中では印象的ではあった。だが、どちらも初めてその国を訪れたときの感動にはかなわない。ただ前回のスイス出張では立ち寄らなかったチューリッヒに今回は3泊できた。魅力的な経験であり今後長く思い出になることだろう。◆何か特筆すべき今年あった「私の初体験」はないものかと探してみた。一つあった。先月の異業種交流会「マホロバの会」でのこと。私が幹事であった。今回の参加メンバーは私を含めて7人。すこし贅沢に南青山の高級フレンチの個室で開催した。アペタイザーが終わり、ワインを頼むことになった。どのワインにするかは幹事の私に任された。普段はメルローかカベルネソーヴィニオンを注文することが多いのだがなぜかその日はブルゴーニュのピノノワールを飲んでみたかった。ワインリストの中から廉価な(といってもかなり高級なのだが)ワインを選んだ。やがてソムリエがワインボトルを手に私の隣にやってきた。見事な手つきでコルク栓を抜くとそのコルクを私の前に置き、グラスにほんの少し注いだ。私はコルクの香りを確かめた。「変な香り!」と思ったが「これが高級ピノノワールの香りなのだろうか」とも思っていた。一口飲んだ。やはり旨くない。勇気を出してソムリエに尋ねた。「ごめんなさい、僕よくわからないんだけどピノノワールってこんな味なの?ひょっとしてブショねってるってわけじゃない?」と。ソムリエは「少々お待ちください」と言って、そのボトルを持って個室から出て行った。数分後彼は戻ってきた。「大変失礼いたしました。別のボトルをご用意しました」と言いながら新しいボトルの栓を開けた。同じ銘柄だが、今度のは旨かった。◆ワインの試飲でダメ出しをしたのが、今年あった数少ない初体験であった。

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2016年12月15日 ---- ボス

嬉しい話

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12月10日、私がタイへ出張している間に、当社の頑張り屋、安(あん)クンに子供ができた。元気な女の子だという。今年は私の母が2月に亡くなったのをはじめ、何かと悲しいニュースが多かった。例年になく多く葬儀に参列した。さらに師走になりこれまた例年になく多く「喪中はがき」が届く。「〇〇さんの奥様が亡くなったんだって」「△△さんはお子さんを亡くしたそうだ。辛いだろうね」・・家人と連日そんな会話が続いてい。そんなところに久しぶりの明るいニュース。「安のところに子供できたってよ」と伝えたら「そう、良かったわね! どっち? 男の子?女の子?」と明るい表情で質問が返ってきた。◆安クンと同じく頑張り屋、安クンとも仲の良い同僚の田内(たうち)クンからも昨日嬉しい話を聞いた。田内クンの奥様は元は当社の社員だった。だから私は田内夫妻を結婚前からよく知っている。娘のみどりちゃんが生まれた時もよく覚えている。(学生時代に私が付き合っていた女性と同じ名前を娘につけてくれたことが嬉しかったこともある。)  昨日、何気なく田内クンに尋ねた。「みどりは幾つになったの?」私は親しみを込めて「ちゃん」を付けずに「みどり」と呼び捨てで呼ぶことも多い。「9歳になりました」「3年生?」「ええ、3年生です」「元気なの?」「ええ、とっても元気ですよ。そういえばこの間みどりが・・」と田内クンが話し出した。◆「近所の人から聞いたんですけど、みどりがどこかのおばあちゃんの手を引いてバス停まで連れて行ってあげてたそうなんです。みどり本人からはその話はないんですがその近所の人から聞いて嬉しくなりました」とまたまた彼も嬉しそう。私もとても嬉しくなった。田内クンも、奥様も、どちらも優しく礼儀正しい頑張り屋。二人の「血」をつぎ、二人から十分な「愛」をもらって育っているみどりちゃん、間違いなく「優しく、礼儀正しく、そして頑張り屋さん」になることだろう。

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2016年12月14日 ---- ボス

逃げるアホ、庇うアホ、報じるアホ、何も感じないアホ、黙っているアホ

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①「東京都世田谷区で起こした当て逃げ事故について、人気お笑いコンビ『NON STYLE』の井上裕介さん(36)は13日までに、所属事務所『よしもとクリエイティブ・エージェンシー』を通じ、『誠意をもって対応する』などとする謝罪のコメントを発表した。」(Yahooニュースより)◆②「お笑いコンビ、ウーマンラッシュアワーのボケ担当、村本大輔(35)が13日、ツイッターを更新。お笑いコンビ、NON STYLEの井上裕介(36)が11日午後11時45分ごろ、東京・世田谷区内で乗用車を運転中にタクシーと衝突し、運転手に全治2週間のけがを負わせたまま逃走した件について、『井上責める権利は誰にもなし。法律は厳しくあっていいけど、人は優しくあれよ』と持論を展開した。」(同じくYahooニュースより)◆昨日も書いたが、この二つの記事、おかしくないか? ①はどう好意的に見ても重大な過失責任のある井上を「さん」との敬称をつけて報じている。ところが②ではその事件に関して発言する村本には「さん」が付かない呼び捨て。◆逃げた井上は大バカ。これを庇う村本も同程度のバカ。「さん」を付けたり呼び捨てしたり、報じるYahooニュースの記者もアホ。私に言わせれば、その記事をなにも感じずに読んでいる多くの読者もやはりアホ。◆さらに・・・。私が「おかしくないか?」と尋ねると「キノシタさん、私もあの記事読んで『おかしいな』と思ったんですよ」と答える者が複数いた。「あなたはその『おかしいな』という感想をだれかに伝えたのですか?」と私が問うと彼らはみな「いいえ」と答えた。◆家庭でも仕事場でも、いろんな会話を楽しむべき。黙っていたんじゃなにもわからない。「おかしいな」と感じることと「おかしいよ」と発言することは大きな差がある。「おかしい」と感じたときは同僚でも友人でも家族でもいい、「おかしくない?」と聞いてみて欲しい。いろんな意見が聞こえてくるし会話も弾む。◆私は当社の社員に対し「情報の共有」ということを繰り返しお願いしている。しかし実はこれがなかなか簡単ではない。自分の考えを口にしないことが「情報の共有」を遅らせている一因なのだろう。そんなことを考えている。◆モノを感じない、感じても発言しない・・・こんな「使えない」「食えない」ヤツばかりが増えている感じがする。

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2016年12月13日 ---- ボス

なぜ さん付け?

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お笑いコンビ「NON STYLE(ノンスタイル)」の井上裕介さん(36)が乗用車を運転中にタクシーと衝突し、逃走したとされる事故で、所属事務所は13日、「事故後の対応を最優先させる」として井上さんを当面、休養させることを明らかにした。・・・(以上 Yahooニュースより) ◆ Yahooニュースに限らない、テレビでも複数の局が「井上さん」と、さん付けでこの事件を報じていた。自分の不注意でタクシーに衝突し、タクシーの運転手にケガを負わせ、自分はその場から逃走した人間をなぜ敬称の「さん」を付けて報じるのか私には理解できない。私は、そのニュースをテレビでボーッと観ながら「おかしいよ」とも感じない視聴者に対しても「あなた、このニュース聞いて『おかしいよ』って感じないわけ?」と聞きたい。◆いろんな事象に対して、自分の考えというものを全く持たない無教養・無感動・無関心のできそこない人間ばかりが増えている気がする。

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2016年12月13日 ---- ボス

もう いいや

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「なんて読むのでしょう? 達筆すぎて私には読めません」・・・こんな皮肉を言いたくなる。いや本音を言いたくなる「僕には全然上手いとは思えません。なんて書いているのか読めません。『愛』ですか?『全』ですか?」と。◆また今年も、少なくとも私には全く「上手」とも「綺麗」とも思えない大きな字で「今年の漢字」が発表された。「今年の漢字」・・・年末の風物詩になったと言う人もいるが、選ばれたのが3回目の「金」ということであれば「もう、いいんじゃない」「今年でおしまいにしようよ」と言いたくなるのは私だけではないんじゃないの?

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2016年12月08日 ---- ボス

転勤 ・ 単身赴任

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連日、忘年会が続いている。15日を過ぎると「業界」であったり「会社」であったり、いささか硬い感じの集まりが多くなるのだが、11月末から12月上旬の間は同世代の仲良しが集まる忘年飲み会が多い。◆月曜、火曜、水曜とそのような忘年会が続いた。60歳近いオジサンたちの忘年会の話題は大抵が「健康」「親の介護」「退職後の生活」。「健康」では「小便の切れが悪くなった」「朝勃ちしなくなった」「心臓の手術をした」「認知症の前兆がある」など。元気な話はまったくない。「親の介護」は現在奮闘中の者と私のように最近終了したものが半々くらいか。いずれにしても苦労話になる。「退職後の生活」に関しては「家庭菜園できればなあ」「せめて年金がもらえる年までは働きたい」など様々。◆どの話題も決して明るいものはないのだが、それを笑顔で明るく話せるようになったのも年の功なのだろう。私の仲間たちはみな、暗い話題でも明るく受け止め楽しく話す達人ばかり。共通した考えは「子供より先に死ねればそれで幸せ」「順番だけは守りましょう」ということ。そうでありさえすればすべてハッピー、という感じだ。◆社会人になっての35年間を振り返る話題になると、誰からとなく必ず「単身赴任」の頃のエピソードが語られる。実は私は24歳で上京、26歳で結婚して以来一度も転勤がない。ずっと東京近郊で家族で生活してきた。年に数回海外出張もあるが、長くても一週間程度。転勤も単身赴任も経験がない。50歳になる前までは、同窓会で「オレは転勤も単身赴任も経験ないんだ」と言うと皆に羨ましがられていた。忘年会に参加する私の同級生は、私を除いて全員が単身赴任kぇ意見者であった。単身赴任の大変さを経験者が語っていた。ところが60歳前になって同じように「オレは転勤も単身赴任も経験ないんだ」と話すと皆が一様に「そりゃ可哀そうに」と私に言う。「単身赴任は大変だと思うかもしれないけど、楽しいことも多いんだよ。言えないことも多いんだよ」・・みんながニヤニヤしながら私に同情のまなざしを送ってきた。知らなかった。

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2016年12月01日 ---- ボス

アタマの悪い政治家は 「カジノ」 しか思いつかない

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 「カジノ解禁法案」が衆院内閣委員会で審議入りした。アタマと根性の悪い政府・自民党は、今国会での成立をめざしている。アタマは悪いが利権にたかることには長けている彼らは「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに財政の改善に資する」などとほざいている。これに対し共産党は「賭博を経済対策の目玉にする法案は断じて許されない。国民の多数は反対」と訴える。よほど共産党の主張の方がまともだ。◆国内に、マカオやラスベガスができる訳がない。韓国のように「外国人専用」とするのでは、中国人以外のインバウンドの少ないわが国では大した利益は見込めない。マカオが、ラスベガスが、アトランティックシティが「カジノで儲けている」と聞いて簡単にそれをマネしたがる。自分のアタマで考えることのない我が国の政治家の民度の低さが嘆かわしい。そのうちに「赤線復活法案」などが出てくるのだろう。◆目先のカネのためなら、誇りも道徳も捨て、安全すら重要視しない。三流国に成り下がろうとしているようだ。◆アベノミクスの「第三の矢」が出ないと言われて久しいが、この「カジノ解禁」が「第三の矢」であると言うのならこの国は沈没に向かっていると私は断言する。

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2016年11月30日 ---- ボス

不幸は突然やってくる

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「幸せ」になるために人は一所懸命に努力をする。努力の向こうに「幸せ」があるし、努力しても報われず「幸せ」になれないこともある。いずれにしても、前触れもなく突然「幸せ」になることなど決してない。一方「不幸」は、こちらは突然やってくることばかり。◆私は小学校2年生の正月3日に一家四人でタクシーに乗っていて、そのタクシーが大事故を起こし、父を失った。母は顔や胸に大ケガを負った。それまでは恵まれた家庭環境だったが一瞬にして不幸に落ちた。それから随分と苦労をした。◆8年前の今頃、当社の顧問だったWさんと夕方、神谷町の焼き鳥屋で飲んでいた。酒好きのWさんだがその夜はなかなか酒が進まない。聞くと「このところ少し胃の調子がおかしくて・・」などと答た。それから一週間も経たないある日、午後3時頃だったろうかWさんから電話があった。公衆電話からだった。「先日の焼き鳥、ご馳走様でした」とWさんの声は弾んでいるように聞こえた。「楽しかったですね」と私が答えると、今度は逆に沈んだ声でWさんは話し始めた。「あのあと近くの病院に行ったらそこの医者から『すぐに精密検査を受けなさい』と言われ、実は今、築地の癌センターからなのです。先ほど検査が終わりました。診断は『スキルス性胃癌』とのことで明日から入院することになりました」と言う。「社長、申し訳ないですけど、しばらく出社できません。退職にしてください。」とのことだった。それから3か月も経たずにWさんは永眠された。◆交通事故や病気だけではない。地震や津波や火事、或いは詐欺被害にあったり、暴漢に襲われたり、我々はいつ突然不幸に落とされるのか分からない。自分だけではない。家族が病気や事故にあっても不幸になる。経営者であれば、社員や社員の家族も心配だ。関連会社も心配だ。◆心配しても何もできない。心配だからと何もしない訳にもいかない。「今日も一日平和が続きますようにお守りください」・・そう願いながら自宅を出る前には母の仏壇に、会社に着いたら神棚に真摯な気持ちで手を合わせる。そう、私は幸せに関しては神や仏にお願いすることくらいしかできない。◆無力を感じつつも、大きな不幸もなく今年も師走を迎えることができたことをありがたく思っている。

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2016年11月28日 ---- ボス

リタイアの準備

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高校、大学の同級生たちから「異動のご挨拶」とのメールが数多く届くようになった。異動といってもその殆どが、いわゆる第一線から退くもの。関連会社や子会社への出向や転職、役人の場合は財団法人への天下り。彼らと会うと、寂しいような悲しいような、それでいて重たい荷物をやっと下したというほっとしたような、なんとも複雑な表情をしている。「第二の社会人生活に入った」と言えば聞こえがいいが実際には「余生」に入ったようだ、と本音を言えば彼らに対して失礼だろうか?◆私も来年6月に還暦を迎える。まだまだ元気で若いつもりで頑張っているが、悲しいかな体力・気力の衰えを感じることが多くなったのも事実だ。宮仕えの身ではないので出向や異動はない。社長を辞めるときは「会社員生活の臨終のとき」である。そろそろ綺麗な臨終に向けて準備を始めなくてはならない。いや実はその準備は数年前から徐々に始めてはいた。だが思ったように進まない。先輩経営者に相談すると「神様が『まだまだトップで頑張れ!』って言ってるんだよ」などと無責任な励ましをいただいた。◆5年後は64歳、なんとか想像はつく。だが10年後のわが社がどうなっているのか、予想できない。そろそろ10年後、15年後のわが社の像を少し鮮明にしなければならない時期になった。真面目にリタイアの準備を始めよう。


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2016年11月24日 ---- ボス

東京で11月の雪・・・温暖化というのに

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私の部屋からは東京タワーが間近に、足元まで見える。素晴らしい景色。毎朝、デスクに着くとまず東京タワーを眺め「さあ、今日も頑張ろう」と呟く。今朝もそうだった。7時過ぎに会社に着き、カーテンを開け「さあ今日も頑張ろう」と呟いた。ところが・・・。これを書いている今は午前9時20分。東京タワーはほとんど見えない。なんと11月に雪が降っているのだ、この東京で! 雪に遮られて私の部屋から東京タワーが見えないのだ◆今から12年前、2004年に『デイ・アフター・トゥモロー』という映画が上映された。地球温暖化が進み、地球全体の気候バランスが崩れ、世界中を大寒波や大津波が襲う。映画としての質も最上級であった。当時私は「へえぇ、温暖化の結果に大寒波?分かんないもんだな」くらいの気持ちだったが、今朝の大雪でその映画『デイ・アフター・トゥモロー』を思い出した。(まだ観てない人は帰りにTSUTAYAで借りて観て欲しい)◆おそらくその辺の「少し頭が良い」程度の学者では「温暖化の結果に大寒波」などとは予想できないのであろうが、「本当に頭が良い」学者はそこまで予想する。すごい!◆しかしこのままでは、本当に頭の良い学者が言うように、異常気象はどんどん進んでしまう。なんとか世界中が一致して温暖化対策に乗り出さなければ30年後、50年後の人々にとんでもない苦労をさせてしまうことになりそうだ。それでは申し訳ない。

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2016年11月22日 ---- ボス

地震と報道

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早朝、6時少し前、グラッときた。微妙な動きが徐々に強くなってくる。5年前の東日本大震災を思い出す。幸い、長続きすることなく収まった。NHKをはじめ各テレビ局はすぐに地震情報を流し始めた。テレビ東京だけは経済ニュースを続けていたが、ここも15分後には津波情報に変わった。それから1時間以上、すべてのチャンネルは海岸線の映像を流し「すぐに非難を」と呼び掛けていた。私は「羹(あつもの)に懲りてなますを吹く」という言葉と「狼と少年」というイソップ童話を連想した。◆東日本大震災での津波被害がとてつもなく大きかった。それがゆえにはるかに規模の小さい今回の地震で「予想津波高さ30センチ」でも「津波は怖い、すぐに非難を!」とテレビは煽る。気象庁から終息宣言が出るまでテレビは「すぐに非難を!」と呼びかけ続けた。結局は大した津波は来なかった。これと同じ状況があと3回も繰り返されれば「オオカミが来たぞ!逃げろ!」と煽ったイソップ童話の少年のようになってしまうだろう。本当に大きな津波が来た時に逃げ遅れる人が出てしまう。◆気象庁もテレビ局も、もう少し冷静に津波情報を伝えることを勉強したほうがいい。

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2025年01月07日 ボスの
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  • 午前接客(来客多数)
  • 午後事業計画チェック
  • 夕方西麻布某所で会食
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