‘ボス’ の記事一覧
◎2015年08月24日 ---- ボス ◎
- 罰が軽すぎる
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大阪寝屋川の中学1年生の男女が殺されたあまりにも悲惨な事件の容疑者が捕まった。彼は、過去にも男児を誘拐・監禁・暴行する事件を数度起こしていた。今回は子供二人が粘着テープで縛られ、抵抗できない状態で身体中を切り刻まれていた。生きたまま、腕の骨が見えるほどナイフで切られていた。想像しただけで苦しくなる。子供たちはどんなに痛かったことだろう。どんなに苦しかったことだろう。この犯人を絶対に許すことはできない。◆このような事件に於いてもなお、心優しい「死刑反対論者」「死刑廃止論者」たちは「犯人を死刑にするな!」と訴え続けるのだろう。私にはこれら心優しい「死刑廃止論者」の気持ちが理解できない。いや私は「絞首刑が最高刑」であることに疑問を感じている。「絞首刑」よりもっと重たい刑罰を設けるべきだと思っている。◆自分の可愛い子供が粘着テープでグルグル巻きにされ呼吸も苦しい状態でナイフで切り刻まれる。たまらない。そんな犯人に対する最高の罰が首吊りでの死では納得がいかない。子供がどんなに苦しい思いをしたのか、どんなに痛かったのか、少なくとも犯人には同等以上の苦しみと痛みを経験させるべきだと思う。◆2001年、今回の事件と同じ大阪の教育大学附属池田小学校で小学生の無差別殺人事件が起こった。児童8名が殺され、15名が負傷した。犯人、宅間守には当然「死刑」が言い渡されたが獄中で彼は「早く死刑を執行しろ。早くオレを殺してくれ」と訴え続けていたという。こんなオトコを希望通り絞首刑にしていいのか。あまりにも優し過ぎないか。◆「死刑廃止論者」は「死刑制度があっても犯罪は減ることはない」と訴えている。そうかもしれない。「死ぬことは怖くない」と考える犯罪者は多い。だから「死」よりももっともっと苦しい「罰」が必要だと強く思う。「死よりも苦しい罰」があれば犯罪は減ると思うのだがどうだろうか?
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◎2015年08月18日 ---- ボス ◎
- 男根切断
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お盆休みの14日、故郷佐伯市で中学校時代の同級生とゴルフコンペを楽しんだ。そのラウンド中に最も話題になったのが前日東京で起こった「男根切断事件」。男女間のトラブルから嫉妬し逆上した男が(妻と関係があったと思われる)弁護士の男性を殴り倒し、忍ばせていた枝切り挟みでその弁護士の男根を切断、あろうことか切断した一物(いちもつ)をビルのトイレに流してしまった。◆おそらく弁護士にも非があったのだろうが、その代償としてはあまりにも大きすぎる。加害者を許せない。弁護士がかわいそう。◆マスコミは「下腹部切断」とか「局部を切断」などとの表現を使っていた。「男根切断」とは言っていなかった。あまりにも直截的すぎるからなのだろうか。◆新聞やテレビのニュースではこの「男根切断事件」、翌日からは一切報道していない。新聞やテレビは報じなくても私の回りではなぜかいつまでも、すぐにこの「男根切断事件」が話題に上る。事件から5日経ったがこの話題は全く下火にならない。ゴルフの最中でも銀座のバーでも或いは仕事の合間にも。男はみな想像して顔をしかめる。「まだ42歳というその弁護士がかわいそうすぎる!」と皆が言う。テレビ、新聞の報道は終わったが明日からまた週刊誌が間違いなく騒ぎだす。◆私の回りではこの「男根切断事件」の話題は一向に下火とならないのだが、我が家の中では逆に全く話題にならなかった。息子や娘とこのような話をすることは難しい。冗談も出ない。そして私は家人の前でもこれを話題にすることは控えている。これが話題となると家人はきっと言うだろう。「あなたも十分気を付けてくださいね!」と。そう言われたときにどのような顔をしてなんと答えればいいのだろう。叩いても全く埃の出ない私のカラダではあるが、やはり世の男性はこの話題をみずから家庭内ではしない方がよさそうだ、と思うのである。
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◎2015年08月11日 ---- ボス ◎
- 家族の会話
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先日、箱根に一泊しゴルフを楽しんだ◆4月から続く活発な火山活動により、5段階の噴火警戒レベルは依然3(入山規制)が続いている。地元の旅館やゴルフ場はキャンセルが相次ぎ、売り上げが大きく落ち込んでいると聞く。かわいそうに。◆だが実際に訪れた箱根は例年通り明るく元気であった。元気であるように私には感じられた。我々は箱根の景色と温泉とゴルフを楽しんだ。◆ゴルフが早く終わったので箱根の蕎麦の名店「竹やぶ」を覗いてみた。「竹やぶ」も例年同様、混んでいた。午後2時過ぎに席に着いたがすでに数種類のメニューは「売り切れ」になっていた。我々は「かけそば」と「せいろ」をとても美味しくいただいた◆我々の隣の席に親子と思われる四人連れが座った。父親が「おっ、素晴らしい景色だね」と言った。母親と高校生くらいの男の子二人はちらっと窓の外へ目をやった。会話がない。◆我々は楽しい会話が弾んでいたが、隣の席は全く会話がない。静か。気になってふと目をやった。見ると隣の家族四人はそれぞれにスマートフォンを手にし、皆それに熱中している。息子たちは恐らく誰かにメールかラインかを送っているのだろう。母親はスマホゲームをしていた。驚いた。情けないと思った。人の家族だが腹が立った。親子四人で箱根まで来て、名店「竹やぶ」の席に着いて、なにも会話をせず、各々がスマホとにらめっこしている。なんともったいない。◆とんだバカ親。 こんなバカ親からはバカ息子しか育たない。箱根山の噴火よりも日本の将来の方が心配になってきた。
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◎2015年08月11日 ---- ボス ◎
- 原発再稼働
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本日(8月11日)、鹿児島県にある川内原発1号機が再稼働する。我が国の「稼働原発ゼロ」の状況は約2年ぶりに終わる◆原発が他の発電方法に比べどれだけ安いのかは、最終処分場にかかる費用など明確なデータがないので「期待値」が計算できない。「期待値」が分からないのであれば賛成も反対も言えない。感覚で判断するしかない。この「感覚による判断」はとても危険。ときに取り返しのつかないミスにつながる◆テレビでは相変わらず再稼働反対派が「テロの脅威がある」と視聴者を煽っていた。もちろん私は「いいえ、テロの心配はない」などとは言うことはできない。世界中が混沌とし始めた昨今、どこにでもテロの脅威はある。◆だが、「テロの脅威」を言うのなら「原発反対」よりも声を大きくして「リニア建設反対」を言わなければならないのになぜか誰もこれを言わない。この欄で私は何度も訴えている。「テロリストはリニアを狙う」と。リニアにテロを仕掛けることの方が、原発に仕掛けるよりもはるかに簡単で確実だ。それでいて我が国が失うカネも命の数も確実にリニアテロの方が大きいのだ◆ウサマビンラディンは「世界貿易センタービル」と「ペンタゴン」と「ホワイトハウス」を空から狙った。アメリカが最も動揺するものをテロの対象にした。経済・軍事・政治の要(かなめ)を狙った。◆日本を狙うテロリストは攻撃の難しい原発ではなく、確実に破壊できるリニアを狙う。◆日本国民はいま、危機管理能力を高め「リニア建設反対」と叫び始めなければならないのに・・・。
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◎2015年08月10日 ---- ボス ◎
- 期待値
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我が国の交通事故死亡者は累計で60万人を上回っている。60万人が交通事故で死んだのだ。この中には私の父も含まれている。戦後、クルマが普及し始めた頃「自動車は危ない!将来、交通事故で多くの犠牲者が出る。我が国には自動車は要らない!」との『反自動車運動』があったとは聞いたことがない。60万人が死んでしまった現在まで、誰一人「我が国に自動車は必要ない。自動車の走行を禁止すべきだ!」と叫ばない。◆東日本大震災で福島第一原子力発電所が事故を起こし多くの方々が今なお不自由な生活を強いられている。「原発は即刻廃止!」と国民は騒いだ。現在54ある我が国のすべての原発が止まっている。◆自動車は60万人を殺したが誰も「自動車を止めろ!」と騒がないのに、原発に関しては一人の死者も出ていないのになぜ「原発を止めろ!」と叫ぶのか。おそらくここには国民が直感的に「期待値」を計算しているのであろう、と私は感じている。その期待値の計算が正しいのか間違っているかは本日は述べない。「自動車を止めて起こる不自由」>「交通事故で失う損失(×その可能性)」 という不等式が成立し、一方「原発を止めて生じる不自由」<「原発事故で被る損失(×その可能性)」という不等式が成立する、と思っている国民が多いのだろう。すべてが数値化できればこれらの不等式の検証は簡単なのだが、人の命や不快感などはなかなか数値化できない。特に原発に関してはあまりにもデータが少なすぎる。◆「安保法案」も同じ。「法案を通すことによって危険が増える」のか「法案を通すことによって危険が減る」のか。経営者はなるべく数値化して、不等式を成立させて判断をくだす。感情では合否を選択しない。日本の政治家にはろくな日本株式会社の経営者がいないから、いつも感情論に終始する。「期待値」という数学用語を知らない経営者ばかりの日本株式会社の行方が心配だ。◆期待値から判断すると「リニアモーターカー」の建設は止めるべきだと私は思っている。原発再稼働にに反対している連中がなぜリニア建設に反対しないのかが不思議でならない。
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◎2015年08月06日 ---- ボス ◎
- 否定する声は大きく聞こえる
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「おいしいね!」という声よりも「まずい!」という声の方が大きく聞こえる、ということに気付いている人がどれほどいるだろうか?思い出してみて欲しい。あるいは想像してみて欲しい。ワインでもいい、寿司でもイタリアンでもいい、数人で食事をしながら料理を楽しんでいるところを。「これは美味い!」と誰かが言う。「本当に美味しいね」と誰かが答える。みんな笑顔だ。そこに「いや、これは大して美味くないよ。キミたち本当にこれが美味いと思うの?」と誰かが否定する。一人が否定するとなかなか「いいや、絶対に美味い」と言い返すことなどできない。あらゆることに於いて「否定は肯定よりも強い」「否定は肯定よりも簡単」「否定は肯定よりも楽」だと私は感じている。◆サイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)、ノイジー・マイノリティー(声高な少数派)という言葉がある。多くの場合、私には(サイレントマジョリティー)=(常識派)、(ノイジーマイノリティー)=(非常識派)の公式が成立しているように感じる。「おいしいね」と言うのがサイレントマジョリティー、「まずい!」と言うのがノイジーマイノリティーということも多い。◆問題なのは「まずい!」という言葉に、「おいしい!」と感じていた人が引きずられてしまうこと。「あなたには『まずい!』と感じるのかもしれないけど、私はとても『おいしい』と感じますよ」とはなかなか言えないのである。◆何事も否定する人がいる。彼らは「否定する方が肯定するよりも有利な立場にたてる」ことを知っている。「否定する方が肯定するよりも、世間の耳目を集められる」ことを知っている。ずるい!◆テレビ番組のアンカーとしては私が最も嫌いな古館伊知郎氏などはまさにこの手を使って視聴者を「まずい」という方向に誘導しているように思えてならない。
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◎2015年08月05日 ---- ボス ◎
- 磯崎陽輔クンと吉良州司クン・・・ゴシップ
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「法的安定性なんて関係ない」との発言をしたとして総理補佐官の磯崎陽輔氏が国会の内外でやり玉に挙げられている。全く不用意な発言。反省するしかない。◆一方、本日発売の「週刊新潮」には「東大卒代議士『吉良州司』が風俗嬢に30万円を払った一部始終」との情けない記事。「だから民主党は危機管理を語れない」との小見出しまでついている。◆自民党で安保法案の中核を担いながらバカな発言をした磯崎氏。その安保法案の成立を阻止すべく、民主党の先頭になって闘い続ける最中に「だらしなさ」が表に出た吉良氏。ともに情けない。ともに情けないが「キミらはバカか!」と怒るほど私も偉くない。彼らの気持ちも少し分かる。多分、一所懸命だったのだろう。回りが見えなかったのだろう。冷静でなかったのだろう。ふと気持ちが緩んだのかもしれない。ストレスがたまり過ぎたのかもしれない。私が「キミらはバカか!」などと怒らなくても社会的制裁は非常に大きい。◆残念なのが「週刊新潮」。この時期、つまり磯崎氏が大ポカをやらかした今、吉良氏の醜聞を書くなら、二流ゴシップ雑誌らしくこの二人の関係に触れなければ・・・。私の方が詳しい。教えてあげる。◆磯崎陽輔氏と吉良州司氏は実は大分県立舞鶴高校の同級生。そして高校3年生のときに生徒会の役員として遠足の下見に行って道に迷い遭難騒ぎを起こしているのだ。当時の地元新聞の記事は「十九日、大分市の霊山に遠足の下見に行った大分舞鶴高校の男子生徒三人が一昼夜たっても帰宅せず、『遭難したのではないか』と大分署などから捜索隊が 出動するなど一時は大騒ぎになったが、二十日昼過ぎ三人が無事下山して関係者をホッとさせた。 三人は同校三年生で大分市東萩原四組、〇〇〇〇君(一八)と同市新春日一組、磯崎陽輔君(一八)、同市金池南一丁目、吉良州司君(一七)。」◆磯崎陽輔クン18歳、吉良州司クン17歳 ともに夢多き高校3年生だった。二人は東大法学部へ進み、自民党と民主党に別れ、この国の未来を考えて闘っている。◆週刊新潮・・もう少し調べて「磯崎クンと吉良クン。二人は、高校生の頃から少し危機管理能力に欠け、目の前のことに熱中しすぎる傾向があったようだ。」くらいの皮肉記事が書けるようになったら「一流」になれるのかもしれない。
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◎2015年08月03日 ---- ボス ◎
- 陽水の『リンゴ』
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井上陽水の曲でリンゴがテーマになっているのは「窓の外ではリンゴ売り 声をからしてリンゴ売り きっと誰かがふざけ て リンゴ売りのまねをしているだけなんだろう」と歌う『氷の世界』。 吉田拓郎の曲でリンゴがテーマになっているのは「ひとつのリンゴを 君が二つに切る 僕の方が少し大きく切ってある そして二人で仲良くかじる」と歌う『リンゴ』。 どちらも彼らの代表曲。私にとっては青春時代の懐かしい、甘酸っぱくほろ苦い思い出に結びつく。◆先日、銀座の山野楽器をぶらついていたら陽水の新しいアルバム「UNITED COVER 2」を紹介するポスターが目に付いた。見ると曲目の中に『リンゴ』とある。そう、拓郎の『リンゴ』を陽水がカバーしたもののよう。すぐに購入した。すぐに聴いた。いい。とてもいい。◆さすがの陽水もすでに66歳、昔のような透明感のある張った声は出ない。だが味のある、少し枯れかかった、深みのある声で、ジャズアレンジで歌い上げる陽水の『リンゴ』、お勧めである。◆陽水と拓郎の曲に、ほろ苦い思い出がまとわりついているであろう、私と同世代の男たちには特にオススメである。
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◎2015年07月28日 ---- ボス ◎
- ケチな男は出世しない
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小学校2年生で父親をなくして以来、ずっと貧乏だった。「貧乏は恥ずかしいことではないが、貧乏くさいのは恥ずかしいことだ」と母親から教わった。かっこいい洋服は買ってもらえなかったが母が編んでくれたセーターを着て、常に清潔にしていた。小学校で販売する教育雑誌「学習」と「科学」はクラスで一人だけ買ってもらえなかったが成績は常にトップだった。人様から「彼の家は貧乏だから・・」と言われることがないように、いつも気を付けていた。回りもみんな優しかった。いろんなものをわけてくれた。その都度、母はその何分の一かのお礼を返した。「もらいっぱなしはダメ」と教えられた。◆大学生になり毎日、家庭教師のアルバイトをした。博多の安い屋台で焼酎を飲む程度の余裕はできた。同級生だけでなく、高校や大学の後輩と一緒に飲む機会も増えた。後輩と飲むときは割り勘ということはまず無かった。相手が一人の時は奢ってあげ、二人以上のときは彼らより多めに出した。逆に先輩と飲むときには「割り勘にしましょう」とこちらから切り出した。「おっ、そうだね」と言って割り勘にする先輩もいた。「馬鹿を言うな!オレはオマエの先輩ぞ!」と言っていつも奢ってくれる先輩もいた。その先輩も決して裕福だったわけではない。◆社会人になった。麻雀の負けを払わずに逃げた同期の者がいる。50歳を過ぎてもなお「キノシタ、奢ってよ」などと恥ずかしげもなく言う同級生もいる。人の酒ばかりを飲んで平気なヤツもいる。飲み会では1円単位で割り勘にしようとする情けない者もいる。◆社会人になったばかりの頃「ケチな男は絶対に出世しないぞ」と叔父に教えられた。お世話になった先輩も同じことを言っていた。「カネは天下の回りもの。コセコセと貯めこんではいけないよ」「男の人生は常に『武士は食わねど高楊枝』だよ」・・・偉い人たちは皆、同じようなことを私に言った。私はそれを愚直に実践した。「宵越しのカネは持たない」とうそぶき貯金など全くしなかった。そのことになぜかあまり不安はなかった。◆58歳になった。「ケチな男は出世しない」・・・この言葉の通りになっている。
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◎2015年07月24日 ---- ボス ◎
- 戦争法案
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最高裁がなんと言おうと「自衛隊の存在は憲法違反」だと個人的には思っている。「憲法違反だから自衛隊は要らない」と主張したいわけではない。「憲法違反だけど自衛隊は必要」と思う。おそらく我が国のある程度以上の教養を持った方ならこの「自衛隊の存在は憲法に反する。しかし自衛隊は必要だ」と感じている人が「実際には」もっとも多いのだと思う。「実際には」と断ったのは「そうなんだけど、立場上それは言えない」という人が多いから。◆「自衛隊は憲法違反だけど自衛隊は必要」と思っている人は多いが「それなら憲法を変えよう」という方向へは進まない。「平和憲法」の意味は大きい。戦後70年間、我が国は平和であった。だから簡単に変えられない。そこで無理して「憲法解釈」によって「自衛隊は合憲」としてきた。どう考えたって「無理な憲法解釈」だ。中学生でも「おかしい」と思うだろう。◆少し前までは「非武装中立」を謳う政党があった。「自衛隊は憲法違反。自衛隊は要らない。我が国に自衛隊があると相手国の脅威になる。相手国も軍備をし、お互いに軍備競争になり、その結果戦争に繋がる可能性が増す」というのが彼らの理論であった。さすがに現在ではそのような能天気な理想論者の声は聴かなくなった。あのとき彼らの声に煽られて自衛隊を無くさなくて良かった。◆さて「集団的自衛権」に関する昨今の問題である。難しい。「新たな憲法解釈により集団的自衛権を認めよう」とする与党に対し「そんなことを容認すると我が国が戦争に巻き込まれる」と野党は反対する。マスコミの多くは野党側についている。◆一つ許せないことがある。与党の出した集団的自衛権を認める法案を「戦争法案」と名付け、無知な国民に「戦争になりますよ」と煽り続ける野党の一部。私は別に自民党を擁護する立場にはないが、安倍政権は「戦争がしたくてこの法案を出したわけではない」ことだけは明確である。安倍政権としては「この法案を通すことによって戦争になるリスクは減る」と信じているのだ。戦争のリスクを減らしたいがためにこの法案を提出したのだ。◆かつての「自衛隊論」と同じ。あった方が戦争になる確率が増えるのか、ない方が増えるのか、なかなか一般人には判断が難しい。◆どちらがリスクが減るのかを論じるのではなく、単純に「戦争法案」などと名前をつけ無知な国民を誘導する野党はあまりにも卑劣だと思う。◆断っておくが私はこの法案に賛成だ、というわけではない。「難しい問題だ」と思っている。
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◎2015年07月24日 ---- ボス ◎
- 東大生 一気飲み
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東京大学2年生の学生が、サークルの飲み会で飲み過ぎ、急性アルコール中毒で死亡した。可愛そうに。両親がそのコンパに参加していた学生21人に対して1億6900万円の損害賠償を求めて提訴した。◆大切な、可愛い息子が努力して東京大学に合格した。これから学生生活を謳歌し、その後は社会に出てリーダーとして活躍することが保証されていた。人生で最も楽しいとき。それが、仲間との宴会のさなか、突然終わった。本人はもちろん、両親も悔しくて苦しくてたまらないだろう。「子供を失う親の気持ち」それを想像しただけで私も苦しくなる。◆仲間との楽しい宴会の中での事故で亡くなったのだから両親も怒りの持って行きようが無かったのだろう。一緒に飲んでいた仲間に損害賠償を求めたくなる気持ち、分からなくはない。同じ状況にあったら、私も同様に提訴したかもしれない。この両親の行動を責めることはできない。◆一方、提訴された学生も可哀そう。私が九州大学土木工学科に入学するとすぐ2年生が「新入生歓迎コンパ」を開催してくれた。これは九大土木の伝統行事であった。飲む方も飲ませる方も、ほとんどが二十歳以下。今なら大問題になるだろう。そしてその100名程度のコンパで私の同級生(つまり1年生の)二人が救急車で運ばれた。急性アルコール中毒であった。二人とも翌日は元気に授業に来たと記憶しているが、飲み過ぎて寝てしまい同級生が救急車で運ばれたことすら知らない者もいた。◆今回の東大生のコンパでの死亡は事件ではなく事故なのだと私は思う。無理に飲ませたわけでもないようだし「危険だな」と認識しながらも無責任に放置したのでもないようだ。亡くなった子は運が悪かった。状況によっては誰かほかの子が急性アルコール中毒になり、彼が訴えられていたかもしれない。そこには故意や悪意はなく、ただ運のみに寄ったものだと思う。誰もが被害者になる可能性はあった。死んだ方も、仲間に死なれた方も運が悪かった。◆私は損害賠償の提訴の取り下げを求めるものではない。21人に対して1億6900万円、妥当な金額だと思う。子を失った両親にとって1億円だろうが10億円だろうが満足するものではない。その中で、一人当たり約800万円を背負ってもらう。双方ともに楽ではない。事件から2年近くが経ち、そろそろ就職が決まった者もいると聞く。社会人のスタートにいきなり800万円の借金を背負うことも大変だが「事故で死んだのが、たまたま自分でなかっただけ良かった」と思うことだ。◆私も社会人のスタート時には奨学金などで数百万円の借金を背負っていた。少しずつ返していたらいつの間にか完済していた。そんなもんだ。東大を卒業する君たちは、まだまだ多くの夢を抱くことができ、実現する力がある。800万円なんてそんなに大きなカネではない。◆双方で頭を下げ「和解しました」とのニュースを早く聴きたいものだ。
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◎2015年07月23日 ---- ボス ◎
- いいヤツばかり
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社会人のスタートを切ったのは前田建設工業であった。それまで自堕落な学生生活を過ごしてきた身にとって、都内の土木工事の現場監督という仕事はとてもとてもキツく苦しいものだった。よく働いた。誰にも負けず働いた、と思っている。4年を過ぎたあたりから少しずつ自信も出てきた。自信が出てくるとなお一層働いた。勉強もした。会議の席で発言をするようになってきた。相手が先輩だろうが上司だろうが、おかしいと思ったことには「それはおかしくありませんか?」とはっきり言った。「私はこう考えますがどうでしょうか?」と意見を言った。後輩に「おかしい」と指摘されたことが気に食わず、感情的に怒り出す先輩もいた。そんな先輩はどうしたことか決まって翌年には関東にいなかった。◆7年間、前田建設工業で勤務した後、大陽工業へ移った。大陽工業グループの総帥、酒井邦恭社主は「ライオンのような社員を見つけ出して、彼のために一つ会社を作り、すべてを彼に任せる」という独特な経営方針で事業を拡大させていた。私は決して「ライオンのような社員」ではなかったと思うが、結果的には35歳にして50名の部下を持つ取締役になった。もっとも若い取締役であった。大陽工業においても、先輩や上司に向かって「それはおかしい」とはっきりと言った。「はっきり言う」と言っても喧嘩腰で自分の意見を主張するということではない。会議の場では、穏やかな口調で言うことの方がもちろん多いのだが、「はっきりと」自分の考えを皆に伝えるよう心掛けた。◆20年以上経った。エアロファシリティーの社長になっている。社員の中に、かつての自分のような者がいないか探してみる。見当たらない。上司や先輩に向かって「それはおかしい」と発言する者を見たことがない。自分の不満を口にする輩は多い。陰で「あれはおかしいよ」と上司の考えを批判する者もいる。「会社の利益を上げるためには、それはおかしい」「堅固な組織を形成するためには、それはおかしい」」「社会的道徳観から見たら、それはおかしい」「社員規定に抵触するから、それはおかしい」と公の場で発言する者を見たことがない。人間的にはみんな「いいヤツ」ばかり。私の目には、彼らは波風が立つことを避けているように見える。「おかしい」と発言しているのは「自分個人のため」だけになっている。◆心配になってきた。「発言して嫌われるよりは黙っていた方がいい」と考えてのことならまだ救われる。なにも考えていないから「おかしい」ことにさえ気づいていないのであれば深刻である。
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◎2015年07月17日 ---- ボス ◎
- 浅薄な知識でも何かを言いたがる古舘伊知郎
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昨夜は銀座を早々に切り上げ、自宅でパターの練習をしながら「報道ステーション」を見ていた。第153回芥川賞・直木賞の受賞作の発表があり、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹氏の小説『火花』が芥川賞を受賞したことが大きな話題となっていた。◆この欄で何度か書いてきたが私個人的には「芥川賞」の受賞作品にはあまり興味がない。近年の芥川賞受賞作はどれも「小難しくて、面白くない」というのが私の印象。だが私の好みは別として、ピース又吉氏の快挙には心から拍手を送りたい。全文掲載の文芸春秋の来月号を購入し『火花』を読んでみよう。そんなことを思っていた。◆このピース又吉氏の快挙を報じたあとの司会者、古館伊知郎の言葉にカチンと来た。「最近は芥川賞と本屋大賞の違いが分からなくなってきた気がしますね」というようなことを言った。パター練習をしながらテレビの音声を聞いていた私は練習を止め、顔を上げテレビの古館氏を見て「オマエはアホか! 何も読んでいないくせに知ったようなことを言うな!」と毒づいていた。◆この番組の司会者として、何事にも批判的なコメントを発しないといけないとでも思っているのか。それにしても無知をさらけ出しても平気なこの男の言動には腹が立つ。◆私の知る限り、芥川賞受賞作で本屋大賞を受賞した作品などない。私の感じでは「芥川賞」と「本屋大賞」の距離はかなり遠い。百歩譲って「直木賞と本屋大賞の違いが分からない」というのならまだ許せる。昨年の直木賞受賞作「サラバ」(西加奈子) は本屋大賞でもノミネートされ二位になっている◆古館氏は何をもって「芥川賞と本屋大賞の違いが分からなくなってきた」のか知らないが、無知をさらけ出してまで「知ったかぶり」をし、物事を批判する彼の態度には反吐が出る思いである。
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◎2015年07月16日 ---- ボス ◎
- アリとキリギリシャ
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怠け者のキリギリスは夏の間、働きもせず歌を歌って過ごす。食料を蓄えるために一所懸命に働いているアリを見てバカにしていた。やがて冬が来て食べるものが無くなったキリギリスはアリの元を訪れ「食べるものを恵んでくれ」と頼む。・・・誰でも知っているイソップ寓話 『アリとキリギリス』だ。ここまでは誰でも知っているのだがその結末を覚えている大人は意外と少ない。◆①アリは「キリギリスさん、あなたは私たちが一所懸命に働いていた時に遊んでいましたね。自業自得でしょ」と言って食料をあげない。 ②アリは「キリギリスさん、あなたは私たちが一所懸命に働いていた時に遊んでいましたね。私たちはとても不愉快だけど、この冬は私たちの食糧を分けてあげましょう」と言ってキリギリスを助ける。キリギリスは礼を言い、改心し、翌年からは夏もまじめに働くようになる。・・・・さて、どちらのストーリーだったのか、あなたは覚えていますか?◆日本の子供向け図書では②の「優しいアリ」が怠け者キリギリスを助けるそうだ。だが紀元前3世紀頃にまとめられたオリジナル(?)のイソップ寓話集では①の「厳しいアリ」の対応でキリギリスは餓死している。◆我が国には「童話なのに、キリギリスが死んでしまうというのは、ちょっとねえ・・」という優しい大人が多く、日本の子供向け図書では①ばかりとなった。◆まさかEUとギリシャの問題が②の結末になるとは思ってもみなかった。私は今なお「結局、ギリシャはユーロ圏から出て行くことになる」と思っているのだが・・・。風向きはどうも①と読む人が多くなってきた◆昨夜、銀座のバー『曜』で飲んでいた。私が尊敬する、某社の社長さん、小山(おやま)さんが私の隣で飲んでいた。酔いが回り、めずらしく高尚な話題になった。ギリシャ問題を振ったのは多分私からだったのだろう。「どう思いますか?」と問うたら小山社長は即座に「あんな『アリとキリギリシャ』のようなことは・・・」と説明してくれた。『アリとキリギリシャ』・・・素晴らしいたとえ。うーん、すごい!『アリとキリギリシャ』 ◆みなさんご存じだろうか? イソップ寓話が編さんされたのは紀元前のギリシャだったのですよ。『アリ と キリギリシャ』は ギリシャでまとめられた童話だったのです。◆私はそれでも個人的には「厳しいアリさん」である。
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◎2015年07月13日 ---- ボス ◎
- いじめ自殺の報道の仕方
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中学生が虐(いじ)められ、自殺した。◆悪いヤツばかり。虐めた連中がもちろん悪い。人を虐めるような子を育てる親が悪い。自分の子が虐めっ子であることに気付かないバカ親が多い。自殺をほのめかす文をノートに書き提出していたのにそれを無視した担任教師が悪い。そのような担任を満足に指導できず、テレビのインタビューにも顔を出さない校長も悪い。「自分の息子は被害者だ」とばかりに担任を攻めるオヤジも悪い。子供の気持ちに思いを至らせず、離婚し、自分のの都合で三人の兄妹を離れ離れにしてしまった母親も悪い。近くで同級生が虐められているのにそれを止めようとせず、今頃になって「虐められていました。可愛そうでした」などと、のうのうと語るバカ同級生も悪い。そんな正義感のない子供を育てた親が悪い。悪い、悪い、悪い!バカばかり。◆そんな悪いヤツばかりなのに、彼らの多くが、ほんの少ししか「自分が悪かった」とは思っていない。みんな誰かほかの者のせいにする。だれか一人でもまともであれば、彼は自殺しなかったのに・・・。繰り返す。自殺した子の回りの誰か一人でもまともであれば、彼は自殺をせずに済んだのだ。なのにマスコミは、視聴率が取れるからその中の一人である「担任教師」ばかりを攻める。視聴者も「そうだ、そうだ、この担任はひどい」と言う。「この自殺した子は本当にかわいそう」と言う。◆そろそろマスコミの報道姿勢を改めるべき時期ではないだろうか?子供が虐められて自殺すればマスコミは「かわいそうに!」を連発する。悪い者探しをしてテレビで懲らしめる。自殺した子供は「無口で優しい良い子でした」となる。自殺した子をヒーローにまつりあげる。◆いじめが原因で自殺する子供は、皆、本当に、その虐めにどうしても耐えられなくて、「死」を選ぶしか方法がなくて、死ぬのだろうか? 「そうじゃないんじゃない?」と誰も思わないのだろうか?・・・・私は疑っている。◆マスコミの報道姿勢が、虐め自殺を増やしているのではないだろうか?虐められている子は自殺すれば、虐めっ子に仕返しができる。マスコミがお仕置きしてくれる。虐められている子は自殺すればヒーローになれる。「無口で優しい良い子でした」と伝えてもらい、日本中の視聴者が悲しんでくれる。自分に対して無関心だった親も、自分が死ねば、虐めっ子に対して腹を立ててくれる。子供のために初めて闘ってくれる◆「死の恐怖」だけを乗り越えてしまえば、虐められっ子にとっては最高の状況が得られるのだ。これでは虐められっこは「死」を選びたくなる。少なくとも、自分の行動の選択肢に「自殺」を加えることになる。「自殺すれば、あいつらに仕返しできる」と思ってしまう。◆マスコミが冷静に対応すれば「虐め自殺の連鎖」「自殺による虐めっ子への報復」はなくなるのに・・・、と思っているのは私だけではなかろう。
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◎2015年07月07日 ---- ボス ◎
- 民主主義に疑問
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何度もこの欄で「社長を立候補制にして社員の投票で選ぶようなことになればその会社はすぐに潰れてしまう」と書いてきた。社長になりたい者は「私が社長になったらみなさんの給与を3割アップにします」と約束すれば社員は彼に投票するだろう。◆ギリシャでは国民投票で、トロイカから提示されたギリシャ支援プログラム延長条件「財政緊縮案」に「反対」との結論を出した。テレビでは馬鹿なギリシャ国民が「民主主義の勝利だ!」などと浮かれ踊っている様子が流れていた。◆恐らくトロイカはこれ以上のギリシャ支援を止めるだろう。ギリシャはユーロ圏を離脱することになり一時的に世界経済は混乱するのだろう。◆「衆愚政治」という言葉は皆が知っている。世界の各国は「衆愚政治」によって何度も失敗を繰り返してきた。今回のギリシャの国民投票はまさにその衆愚政治の典型だ。◆「民主主義」=「多数決」⇒「国民投票」という図式を早く改めなければならない。今回ギリシャが取った行動は、我が国の国民にとっては「民主主義」≒「衆愚政治」ということに気付く良いチャンスでもある。マスコミも政治かもそのことを国民へ大きな声で伝えなければならない。◆だが残念なことに、人気取りに終始する我が国の政治家も「衆愚政治」に向かって一直線だ。「選挙権年齢を18歳に引き下げる」法案に「反対」票を投じた議員は一人もいなかった。国民のも政治家も大半は愚かなのである。目先の「楽」が将来の「楽」に勝つようである。
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◎2015年07月03日 ---- ボス ◎
- リニア建設には反対(その3)
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東海道新幹線内での焼身自殺事件を受けその後もメディアは「安全対策はこのままで大丈夫なのか?」と諸外国の高速鉄道との比較を繰り返している。◆なぜ誰も「リニアモーターカーは大丈夫なのか?」と言わないのか? なぜメディアはそれを問わないのか? アタマが悪いのか、圧力が怖いのか?◆「原発反対」をあれだけ声高に叫ぶ連中が多いのに、なぜ誰一人も「リニア反対」を叫ばない。不思議だ。私だって建設業界の端っこに居る身、「リニア反対」とは叫びにくい。だがどう考えても原発よりもリニアの方がはるかに危ない。原発は隕石でも命中しないことには事故はもう起こらない。リニアは一人のキチガイかテロリストが簡単に爆発させられる。被害は1000人の命と20兆円と我が国の威信。あまりにも大きい。◆今、リニア計画を止めなければ、もうこの計画は止まらない。リニアが走り出した頃、誰かが言い出す。「リニアのセキュリティーはこれで十分なのか」と。リニアモーターカー建設は将来の我が国に大きな不安を残すことになる。不安が不安のままならまだ良いが・・・。◆今回の焼身自殺事件。現在、リニアに関する仕事に関わっている連中は当然気付いているはずだ。彼らは「火の粉がこちらに飛んで来なければいい」と願いながら、じっと声をひそめ、今回の事件が忘れられるのを待っている。
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◎2015年07月01日 ---- ボス ◎
- リニア建設には反対(その2)
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6月12日、この欄で思い切って「リニア建設に反対」と書いた。時速500kmを超える猛スピードで1000人もの乗客を乗せ、トンネルの中を走るリニアモーターカーは開業までに20兆円はかかるだろう。だが開業翌日にテロに狙われたら永久に復旧はない。自爆テロは防ぎようがない。1000名の命と20兆円のカネと国の名誉を一度に失ってしまう。◆昨日、東海道新幹線の中でバカが焼身自殺した。可愛そうに、巻き添えで女性が一人亡くなった。もし同じ事故がリニアモーターカーの中で起こったら?・・・リニアはずっとトンネルの中を走る。トンネル内は換気をしているがそれでも煙の充満は避けられまい。昨日と同じバカな行為であっても被害は数十倍になるだろう。◆昨日のバカはガソリンを撒いたようだが、もしリニアの中で故意にガス爆発を起こしたら?◆マスコミは何か事故が起こると「性善説ではダメだ。性悪説で備えなければ・・」などと分かった風なことを言う。今朝の朝刊各紙もさっそく「新幹線の安全」に関し諸外国の高速鉄道と比較をしている。◆「新幹線の安全対策をどうするか」よりも千倍も万倍も重要な「リニアモーターカーをどうするか」ということに言及したテレビ・新聞はないようだ。能天気な我が国の政治とマスコミを憂う。
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◎2015年06月22日 ---- ボス ◎
- 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
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学生時代、退廃的な生活を送りながらもこの言葉が好きだった。「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」(えんじゃく いずくんぞ こうこくの こころざしを しらんや)・・「史記」に出てくる言葉でツバメやスズメのような小さな鳥にはオオトリの気持ちは分からないだろう、小人物には大人物の考えや志がわからないのだ、と言うもの。生意気な私は自分の力量を客観的に見ることもできず、自分をオオトリに例えていたのだ。甘えていた、と言ってもいい。世間を舐めていた。若さ、とはいえ恥ずかしい。◆「自ら反みて縮くんば、千万人と雖も吾往かん。」(みずから かえりみて なおくんば せんまんにんといえども われゆかん)というのも当時好きだった孟子の言葉。間違っていないと思えば例え千万人の敵がいても私は衝き進んで行く、というもの。これも今ではあり得ない。◆素晴らしい言葉ではあるが、いつの頃か、これらの言葉は私の気持ちを表現する言葉ではないことに気付いた。そもそも私は鴻鵠ではなく燕雀なのだ。千万人どころか三人から反対されるとどこがおかしいのか考え直すことにしている。敵が多いということは何かこちらに間違いがあるのではないかと考え直すべきだと思っている。生意気で青臭かった若者がそこそこ立派な大人になったものだと自分を時々褒めている。◆本屋に行くと情けないタイトルの本が並んでいた。『男はお金が9割』 『男は一生、好きなことをやれ!』 『嫌われる男こそ一流』 『嫌われる勇気』・・・・若いころの私なら喜んで手に取っていただろう。今の私はと言うとこれらのタイトルの全く逆を若い人たちに勧めたい。『男はお金で人を量ってはダメ』『好きなことばかりやっていては男はダメになる』『嫌われるようでは一流になれない』『嫌われない努力』◆男の生き方から『道徳』がなくなればその国は亡ぶ。そう思っている。人に嫌われ、人に後ろ指を指されながらも金持ちになり、「自分は一流になった」と勘違いしているバカな男をときどき見かける。悲しくなる。
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◎2015年06月19日 ---- ボス ◎
- 慈悲深い善良な市民を罪人にしないために
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悲しいニュースが流れた。その記事を読み涙を流したのは私だけではないだろう。◆体の痛みを訴え続けた83歳の妻に頼まれて、93歳の夫が彼女を殺害したとして嘱託殺人の罪に問われている。殺人の罪に問われている夫は「今でも妻を愛しております」と語っているという。◆妻は長く患い、死ぬ1ヶ月くらい前には腰の骨折が判明、痛くて眠れない日が続いていた。「何もできない、苦しいだけ」と言われ、「お願いです、私を殺して。楽にして」と言われ続けた。彼女は「家族に迷惑をかけたくない」とのメモも残していた。「殺して!」と懇願され続けた夫は「もう断りきれない」と感じ、妻の願いを叶えることにした。ネクタイで彼女の首を絞めた。◆60年前に浅草の職場で出会った二人は結婚し3人の子を持った。妻が病いに倒れるまでは幸せな生活が続いた。妻が倒れてからも一所懸命に介護を続けた。買い物、庭の手入れ、トイレの付き添い・・・。◆「最期、2人は添い寝をした。靴職人として働き、妻と知り合ったころを思い出した。昔話を続けた。『妻はニコニコしていた。とてもきれいだった』」・・・と毎日新聞は伝えていた。◆17日の論告で、検察側は「殺害決意は想像を絶する苦悩だったと思うが、妻の弱音とも考えられて軽率」などと指摘し、懲役5年を求刑した。懲役5年の求刑、現行法では妥当なのだろう。恐らく執行猶予が付くのだろう。それにしても・・・・・◆このような、愛妻家の善良な老人を罪人にしてしまう今の法律や社会のシステムには不備を感じる。せめて「安楽死」という合法的な制度が我が国にあれば、妻は穏やかな気持ちで天国へと旅立てたであろう。心優しき夫は罪びとにならずに済んだのに。◆この93歳の老人がかわいそうでならない。
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◎2015年06月18日 ---- ボス ◎
- プライバシー
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先週、誕生日を迎え58歳になった。娘が「父さんの誕生祝いをしてあげる」と近所のレストランを予約してくれていた。久しぶりに一家4人での外食を楽しむことになった。◆美味しい酒と食事を楽しんでいた。話題はいろんな方面へ飛んだ。私の健康、息子の就職、老後の心配などなど。楽しかった。話題の中心が娘に移った。結婚を控えた友人が複数いるようだ。家人が思い出したように聞いた。「そういえばA子ちゃんはどうしてるの?」。聞かれて娘の顔が曇った。「A子、大変なのよ。お父さんの浮気がばれて家庭内がボロボロだって」。聞いた家人の顔も曇った。「へえ、どうしたの?」聞きながら家人が私の顔をチラッと見た、気がした。叩かれてもなんの埃も出ない私だがなぜか心中穏やかではない。娘が続けた。「その浮気を見つけたのがA子なのよ。A子がお父さんのスマホを見てて浮気を発見したんだって。A子とお父さん、それまでは仲良かったんだけど今はもう大嫌いなんだって。顔も見たくないって、A子とお母さんは一緒に家を出てるみたいなの」◆「人のケータイなんて見るもんじゃないよね。今はよく分かるよ。」それまで黙って聞いていた大学4年生の息子が話に加わってきた。「オレが中学生の頃、ネーチャンのケータイを覗いていたら、父さんが『人のケータイを覗いたりするなっ!』ってひどく怒りだしたんだよ。オレ、『なんでそんなに叱られるんだ?』って不思議だったんだよね。でも、そういうことなんだよね、今は分かるな」・・息子はそう言いながら私を見てニヤッと笑った、気がした。「いらんことを言うな!」私は小さな声で息子を一括した。いや、一括したかったができなかった。◆だが、いつの間にか息子は「浮気をした父が悪いのではなく、ケータイを覗いた娘が悪い」という方向へ話題を誘導していた。家人も娘も「そうよね。人のケータイ覗いてなにもいいことないよね。」と言っている。叩かれても、叩かれても、なんのホコリも出ない私だが心が穏やかになっていくのを感じていた。そして自分の不用意な発言を上手に修正する技術を覚えた息子を少し頼もしく思った。「これならヤツも社会人になっても大丈夫かもしれない」、そんなことを思いながら楽しく酒を飲んでいた。
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◎2015年06月12日 ---- ボス ◎
- リニア建設には反対
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私の回りには土木・建築に係る方が多い。彼らからは「キノシタ、ふざけたことを言うな!」とお叱りを受けそうだが読む人も少ないので思い切って書くことにした。リニア新幹線計画は中止した方がいい。◆私は長年経営者として生きてきた。経営者は常にその先にあるリスクを数値化し期待値を算出しながら向かうべき方向性を示していく。リニア新幹線はあまりにもリスクが大きい。大金を投じて突き進むべきではない。◆リニア新幹線計画の予算は東京―名古屋間5兆円強で2027年開業、東京―大阪間の全線では9兆円強で45年開業を目指している。これまでの大型土木工事の事例をみると最終的には予算の2倍程度はかかる。東京-大阪開通までにおそらく20兆円程度はかかるだろう。20兆円かけて、現在2時間半の東京-大阪を1時間に短縮しようというのがリニア計画だ。この費用対効果にも疑問が湧くが私が反対するのはもっと別の視点「テロの脅威」からだ。2001年9月11日の米国テロ以来、世界中で自爆テロが頻発するようになってきた。◆リニア新幹線はその9割近くの区間がトンネルだ。テロリストには格好の餌食となる。東京-大阪間が開通した数日後、満員のリニアが時速500km以上のスピードで走行中、トンネル内で爆発したらどうなる。1000名を超える乗客乗員は即死。復旧工事に数ケ月はかかるだろう。復旧したところで運転再開にはならない。現在の飛行場なみのセキュリティーゲートが据えられる。乗客は乗車2時間前に駅に行きセキュリティーチェックを受けなければならなくなる。東京-大阪が一時間で移動できてもセキュリティーゲート通過に時間がかかっては意味がない。JRの現在の計画段階ではセキュリティーゲートは設けていない。テロリストは日本のリニア新幹線開通の日を今から目を輝かせながら待っているに違いない。◆おお、怖い! なぜ誰も「テロ対策はどうするの?」と大きな声で尋ねないのだろうか? もし私が尋ねるると「キノシタ!いらぬことを言うな!」といろんな方から怒られてしまうのだ。
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◎2015年06月05日 ---- ボス ◎
- 客は黙って去って行く(3)
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4年前のオープン当時、銀座のそのバーは落ち着いたムードでカウンターの女性たちの愛想も良く、明朗会計であった。私は1か月に3~4回は利用していた。常連客となった私に「キノシタさん、一杯いただいていいかしら?」とカウンターの女性が聞いてくるようになった。オープン1年が経過したころからその店の料金が徐々に高くなってきたように感じていた。◆今年の3月の終わり、私は部下のK君を連れその店を訪ねた。私のキープしているウィスキーをそれぞれストレートで一杯ずつ頼んだ。カウンターの向こうの女性がすぐに「キノシタさん、私も一杯いただいていいかしら?」と聞いてきた。「ダメ」とも言えないので「どうぞ」と答えた。彼女は私のボトルではなく店のシャンパンをグラスに注いで一口だけ飲んだ。すると隣にいた女性が「ねっ、私も飲みたーい」と言ってきた。私はK君と少し重要な話をしていたのでぞんざいに「どうぞ」と答えた。彼女もウィスキーではない透明な飲み物をグラスについだ。さらにママが出てきて「あらキノシタさん、お久しぶり。一杯いただくわね」だ。◆K君との打ち合わせを15分で終え、私は勘定を頼んだ。15分間、自分のボトルのウィスキーをストレートで1杯ずつ飲んだだけだ。乾き物のつまみすら出なかった。それでも勘定は3万円強であった。二人で飲むだけならオープン当時なら1万円でお釣りがきた。2年前でもツマミ込みで1万5千円だった。常連になり女性が甘え、勘定が高くなった。それが徐々にエスカレートしてきた。K君は値段を聞き驚いていた。私は笑顔で金を払って「またね」と言いながら店を出た。◆それ以来、その店には行かない。キープボトルにはまだ半分以上高級ウィスキーが残っていたが未練はない。◆女性との会話を楽しむのが目的ならそれなりの店に行く。もっと知的で楽しい会話ができる。もっと艶っぽい女性もいる。バーにはバーの利用の仕方、楽しみ方がある。この店のオーナーママは元は銀座のクラブのホステスだった。今の時代、銀座でも、「取れるヤツからは取る」などの商売で店が続くわけがない。客は黙って去って行くのである。
「私が「どうぞ」と答えると別の女性が私の前に来て「私もいただいてもいいでしょ?」と聞いてきた。「キミはダメ」と答える分けにもいかず「どうぞ」と答えた。すると奥からママが出てきて「あらキノシタさん、私も1杯いただくわ」と言った。私は自分のキープボトルをストレートで飲んでいた。つまみはなにも取っていない。付け出しすら出てきていない。15分で店を出ようとした。値段を聞いて驚いた。彼女らの飲んだワイン代が高くて総額は3万円を超えていた。2年前なら私の料金だけ5000円ですんだものが「常連」になり店のシステムが変わったら6倍になってしまった。その日を最後に私はその店には行かなくなった。店を去るにあたって私は一言も文句を言わなかった。笑顔で3万円を支払い、そっと決別を誓った。去ったのはもちろん私だけではない。かつての常連客はみな「高くなった」との理由でその店を離れた。新しい客はつかない。... 続きを読む
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◎2015年06月03日 ---- ボス ◎
- 梅雨
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真夏のような暑さが続いた5月から一転、曇天の毎日である。東京でもまもなく梅雨入り発表があるのだろう。◆ゴルフをする機会が多くなるにつれ「雨は嫌い」と発言することが多くなった。だが自堕落な生活を続けていた学生時代、私は雨が嫌いではなかった。雨の日は大学へ行かなかった。雨だからわざわざ友人たちも私の部屋まで迎えに来なかった。夕暮れを待って雀荘かパチンコ屋か映画館に出かけていた。雀荘に行ってもパチンコ屋に行っても必ず仲間がいた。もっとも雀荘にもパチンコ屋にも映画館にも行けず家庭教師として稼がねばならない日の方が多かった。自堕落な学生は優秀な家庭教師でもあった。生徒や父兄からの信頼は厚かった。◆なぜだか分からないのだが、雨の日、学校へ行かずアパートで寝ているとよく女友達が遊びに来ていた。近所の高校生だったり短大生だったり、酒場の女性だったり。顔もスタイルも普通以下、カネも全くないのに「優しい九大生」「楽しい九大生」「かわいそうな九大生」というだけで女友達に恵まれた。福岡では九大生というだけでモテることがあった。雨の日の夕方、窓を閉め切って、私の部屋を訪ねてきた女友達たちと汗を流していた。女性と二人でいるところにノックがあると居留守を使った。女友達がぶつかることも何度かあった。映画のような日々だった。いや、実際にはなにもなかったのかもしれない。詳しくは覚えていない。◆もうすぐ梅雨入り。暦の上の「入梅」は6月11日、私の誕生日である。58歳になる。さすがに女友達はいなくなった。居留守を使うこともなくなった。
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◎2015年06月03日 ---- ボス ◎
- 客は黙って去って行く(2)
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この欄で私は何度も繰り返しているが「選挙権年齢の18歳への引き下げ」には反対である。現代の我が国の18歳の多くは未就労者であり税金を納めていない。政治とまともに向き合う環境になく、ノンポリの学生ばかりである。親や教師のちょっとしたアドバイスによって自分の考えがぶれる。彼らに選挙権を与えるのは速すぎる。◆しかし今日もあるテレビでは複数の低開発国を例にあげ「これらの国では選挙権は16歳からです」などとくだらぬ情報を伝えていた。当たり前だ、低開発国の18歳は皆、働いている。政治を考えている。モラトリアムなどと言っていられない。超先進国となった我が国、平均年齢が80歳を超えている我が国と比較するな!◆最近、国会議員と話をする機会が何度かあった。私は彼らに聞いた。「なんで選挙権年齢を18歳に引き下げることにあなたの党は賛成するの?彼らはまだ政治のことなんて考えてないでしょ?」と。◆自民党の代議士は私に小声でこう答えた。「キノシタさん、意外に思われるかもしれませんがね、最近の選挙結果を分析すると20歳代は男女とも自民党票が多いのですよ。20歳代が自民党ということは18・19はさらに自民党票が多いのですよ」と。◆別の日に同じ質問を民主党の議員にした。彼はこう答えた。「憲法改悪には反対でしょ。戦争反対でしょ。若い世代は戦争反対なのですよ。60年代70年代、多くの若者が『安保反対』と頑張ったでしょ」◆再び自民党の議員に出会った。先ほどとは別の自民党議員である。「憲法改正には若者の多くが反対するんじゃないの?」私は尋ねた。彼はこう答えた。「だからね、実際に彼らが選挙権を行使するようになる前に、憲法改正を今国会で方向付けなきゃならないのですよ」◆私の予想したとおり。「18歳に選挙権を与える真の意義」など考えている立法府の人間なんてだれもいない。彼らは選挙権年齢を引き下げると自分にとってプラスなのかマイナスなのかを考えているだけ。そして彼らのホンネは「選挙権年齢引き下げに今反対したら我が党のイメージが悪くなる。ここは賛成しておいた方が良い」ということのようだ。◆客は黙って去って行く。こんなことではまともな大人は選挙へ行くことが馬鹿らしく思えてくる。私も、焦点の呆けた候補者には誰にも投票したくない。投票率はさらに下がり続けるのだろう。
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◎2015年06月02日 ---- ボス ◎
- 客は黙って去って行く(1)
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IさんとKさんは大手金融機関の若手女性社員。ともに優秀で美人、感じもとても良い。なにより仕事熱心でガッツがある。私はこの二人を高く評価していた。IさんとKさんが勤める金融機関と私は長い付き合いである。十分信頼できる会社である。先週、IさんとKさんが私の元を訪れた。魅力的な金融商品の説明をしてくれた。ちょうど私も連日、資産運用を検討しているところだった。信頼のおける会社の、熱心な、そして十分に商品知識のある若い女性二人からその商品の説明を受け、私は即決した。その金融商品の購入を約束した。まとまった額である。「来週早々に手続しましょう」と言って彼女たちを見送った。木曜日のことである。◆週が明けた昨日、月曜、Kさんから電話が入った。「大変申し訳ないのですが・・」と彼女は切り出した。「私の勉強不足でして、あの商品は・・・」と言う。続いて驚くことを彼女が口にした。「実はあの商品を購入していただいても私の(社内の)評価点にならないのです・・・」と。そして「今日、午後からお時間をいただけないでしょうか。ご説明に伺いたいのですが?」と言う。私は「この商品を売ってもIさん、Kさんの評価点にならないの?」と確認した。彼女は「ええ、そうなんです」と申し訳なさそうに答えた。◆午後、IさんとKさんが揃ってお詫びと説明に来た。彼女らが汗を拭き拭き、本当に申し訳なさそうに説明をするのを途中で遮って、私は少し大きな声を出した。「Iさん、Kさん、もしあなたたちが私の部下だったら、即刻クビですよ。クビ!営業マンと言うのはね、お客様に喜んでもらえるものを売らなきゃダメなんですよ。お客様に喜んでもらって、それが自分の喜びになる、そうした結果が自分の会社のプラスにもなるのです。そのお客様が最も喜んでくれるもの、最もそのお客様のためになるものを売るのが営業なの。あなたの社内の評価なんて客にとっては関係ないの!『こっちの商品を買ってもらっても私たちの評価に繋がらない』なんてことは客にとってはただの不快な情報なの!なんであなたの社内評価を上げるために僕がお手伝いをしないといけないの?そんな営業しちゃダメですよ。繰り返すけど営業っていうのはね、お客様に本当に喜んでもらおう、それを一番に考えなくてはダメだよ」そう言って二人を追い返した。泣きそうな顔をし、ひたすら頭を下げ、二人の有望な女性営業レディは帰っていった。◆彼女たちは帰社するとすぐに上司に報告をした。「キノシタ社長に叱られました・・・」と伝えたのだろう。彼女たちの上司である部長から電話があった。そして部長は私の元にすぐに来られた。部下の非礼を詫びた。◆「いえいえ、彼女たちの真面目さ、熱心さは十分に理解していますよ。御社にも十分感謝しています。でもいま、彼女たちが成長過程にあるときに外部の客から厳しく叱られるという経験を積むのもいいかなと思ったのですよ。そんなに部長にお詫びされるほどのことじゃありませんよ」私は思っていることを正直に伝えた。◆信頼できる金融機関の素早い対応である。おそらくIさんもKさんも昨夜は眠れなかっただろう。Iさん、Kさんの今後の成長が楽しみである。
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◎2015年06月01日 ---- ボス ◎
- 平家の落人
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日曜深夜の『ヨルタモリ』(フジテレビ)という番組がとても面白い。毎週欠かさずこの番組だけは観る。海外出張に重なる場合にも娘に頼んで録画してもらっている。知的でオシャレで面白い。タモリさんの知識の深さには毎週驚かされ、彼の繊細な気配りや謙虚な姿勢は勉強にもなる。才能のカタマリのタモリさんは話題の抽斗(ひきだし)も多く、いろんな方向からジョークが飛んでくる。◆先々週だったろうか、こんな冗談を言っていた。「九州の男はね全員100%が『俺んちの先祖は平家の落人』って言うんだよ。そんだけ平家が居たのなら源氏に負けるわけないよね」と。私は飲んでいた水割りを吹き出しそうになった。確かに・・・。九州の男は「俺んちは平家の落人の子孫だ」と口にする。◆「すべての国民は法の下に平等」となった今でも出自や家柄を気にする向きは多い。我が家にも「武家の末裔」を証明するかのような家系図があり、若い頃、その家系図に関して叔父からレクチャーを受けたことがある。毛利何某(なにがし)からの家系は優に10代は経っている。叔父は「モトミ君、キノシタ家はこのように毛利から連なる武士の家系なんよ。キミのお父さん、オレの兄貴だけど、彼はその本家の長男だったのよ」と自慢気に話してくれた。悪い気はしなかった。◆ところで「源平の戦い」と呼ばれる治承・寿永の乱(じしょう・じゅえいのらん)は、平安時代末期の1185年に終わった。今から830年も昔の話である。この間に世代替わりはいったい何代繰り返されたことだろう。1代を25年とみても33代も経たことになる。では33代さかのぼったその時代、あなたの先祖は何人いたのでしょう。1代前は父母の2人。2代前は祖父祖母が4人。3代前は曾祖父曾祖母が全部で8人・・・・。こうしてさかのぼると33代前には先祖は10億人を超える。実際の家系図は、トーナメントの試合図をひっくり返したようにキレイではなく複雑に絡み合ってくる。それにしても33代で10億人、10代前でも1024人の先祖がいる。どこかのルートを辿れば、日本人は全員が平家の落人にたどり着くことは間違いないようだ。
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◎2015年05月28日 ---- ボス ◎
- アタマの悪いテレビの報道
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今朝、出勤前、着替えをしながらテレビを見ていた。5チャンネル、テレビ朝日の情報番組。「昨日は本当に暑かったですねえ」とアナウンサーが降ると出演者たちが頷く。「なんと全国で真夏日になったところが252地点、夏日は450地点もあったんですよ!」と声を大きくして伝える。一同頷きながら「すごいですね」とか「異常な暑さですね」などと言っている。一人私は「バカじゃないの?この報道」と冷静に腹を立てていた。確かに昨日は暑かった。我が国の広い地域が暑かったのだろう。しかし・・・。◆テレビの報道番組が「なんと全国で真夏日になったところが252地点もあったんですよ!」と伝え一同が「ヘエー」と驚く。学生時代、彼らはみんな算数が苦手だったのだろう。「252地点=多い」と考えたのだろう。また我が家の娘のようにボーとテレビを眺めている多くの算数嫌いの視聴者たちも同じく「252地点=多い」と思ったのであろう。情けない!。◆統計学を学ばなくても、高校で数学を少しでも学んでいれば「252地点=多い」という思考にはつながらない。「252地点」が果たして多いのか少ないのか、それはサンプル数による。◆このアナウンサーは、この情報にとって重要な「全国928カ所の観測地点の中で」と言う言葉を付け忘れた。分母が分からないのに分子の数だけを知らされ「すごい多い」と思っている算数音痴がこの国のテレビ視聴者の大半であるようだ。◆以前、このコラムで取り上げた6チャンネル(TBS)のアタマの悪そうなお天気オネーサンの「今日は気温は5℃までしか上がりません。昨日の半分ですね。」というコメントにも腹がたったが・・・。◆「ちょっと、テレビ業界! もうちょっとしっかりしろよ!」と私は怒っている。
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◎2015年05月27日 ---- ボス ◎
- アタマの悪い学者たち(2)
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相手の意見を聞こうとせず、自分の主張を正当化するための資料のみを求めるようでは「アタマの悪い学者」と言われてもしようがないだろう。多くの政治学者、経済学者は客観的に物事を見ようとしない「アタマの悪い学者」たちであると私は思っている。「原発容認」を主張する学者は「原発がいかに安全で廉価に発電できるか」の資料を探し求め、それを整理して発表する。「原発反対」を主張する学者は「原発がいかに危険であるか」を述べ「発電に要する費用は決して安くはない」との資料を探し反論する。一度自分の立場を鮮明にしてしまったらその意見根拠を補足する資料しか求めない。これでは学問ではない。◆我々は「学者や評論家は決して真実を言っているわけではなく、自分の考えを述べているだけだ」ということを知らなければならない。◆バブル経済の崩壊が始まり株価が大きく下げていた頃「日本経済の実態は底堅い。株価が大きく下がった今こそチャンスだ。今、株を買わずにどうする?」と煽っていたHという著名な経済評論家がいる。彼に煽られて「ナンピン買い」をし、財産を無くしてしまった投資家も多い。あれだけ煽っておいて、自分の予想が大きくはずれてもHは一言も謝らない。そしてマスコミも政治家も彼を攻めない。不思議だ。◆今、私が呼んでいる本、『嫌われる勇気』のなかで哲人が言う。「答えとは、誰かに教えてもらうものではなく、自らの手で導き出していくべきもの」なのである。まったくその通り。哲人でもなんでもないが、私もそれを言いたい。「答えとは、誰かに教えてもらうものではなく、自らの手で導き出していくべきもの」なのである。◆ところが日頃から訓練を積んでいないと、たまたま出会った学者の説に頼ってしまう。その学者が言っていることが真実だと思ってしまう。◆『嫌われる勇気』を読んで「そうだ、嫌われることを恐れることなどないんだ」と思ってしまい、それまでは人に嫌われないように気を付けていた人が自己主張を強くするようになったという話を聞いた。学者以上のバカが多い。哲人の教えとは全く違う行動に出てしまうのはさすがに学者のせいではない。
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◎2015年05月26日 ---- ボス ◎
- 初夏
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スキップしたくなるような素晴らしい陽気だ。今朝の東京の空は快晴。私は昨日からネクタイをはずした。今年のクールビズが始まった。◆先週、金土日と社員旅行で北海道へ行き、三連荘(さんれんちゃん)でゴルフを楽しんだ。さすがに日曜日の夕方、羽田に帰り着いた頃には疲れ切っていた。昨日の月曜、新橋でマッサージをしてもらった。50分間5000円。随分楽になった。そして昨夜は普段より早く、11時半頃には床に就いた。◆今朝は5時半に目が覚めた。昨夜、深酒していないので気分がいい。自宅近所のヨガスタジオに行ってみた。インストラクターの金井クンと吉村さんが笑顔で迎えてくれた。「あっ、キノシタさん。お久しぶりです」。若い二人の笑顔にふれさらに気分が良くなった。私も笑顔で答えた。「社員旅行でゴルフ三連荘やって来たよ。カラダ、ボロボロ」。見回すと金井クンと吉村さん以外に人がいない。「今日は受講者は僕一人なの?」すると吉村さんが「ええ、マンツーマンですよ。木下さんのやりたいメニューでいきましょう」と明るく応える。「じゃ、ウッドデッキで一番楽なコースでね」とお願いして青空のもとマンツーマンのヨガレッスンをみっちり1時間受講した。この教室には屋内スタジオと屋外ウッドデッキと屋外芝の3カ所のレッスン会場がある。今の時期、それも早朝は屋外が心地よい。カラダも心もさらにリフレッシュした。スキップしたい気持ちを抑え、小走りで自宅に帰り、シャワーを浴びて、いつもより40分遅く自宅を出た。◆「素晴らしい天気だなあ」と空を眺めながら会社に向かって歩いていた。携帯電話が鳴った。見ると会社からだ。「おはようございます。どうしました?」聞くと電話の向こうの室長が少し焦った声で「社長、会議の時刻ですが?」と伝えてきた。時計を見ると8時30分。うっかりしていた、今日は早朝幹部会を予定していたのだ。「あっ、あと2分で着きます。ごめんなさい」そう答えて私はスキップどころか50mダッシュの勢いで走り始めた。・・・ところが三連荘のゴルフと早朝ヨガで疲れた57歳のカラダは言うことをきかない。走り始めてすぐ、小さな路上の突起につまずいた。無様に倒れた。上手に、両手のひらでカラダを支えることができたが左ひざを衝いてしまった。◆舗装道路でこけるなんて、恐らく小学生の頃以来だ。気持ち良い初夏の朝、自分の「老い」を改めて気付かされた。が、私の心は前向きに受け止めていた。「うん、常に冷静でいるように心がけねば」と。そして下らぬことを思っていた。「走って転んだんだから、ま、いいか。スキップしてて転んだらすごいカッコ悪いな」などと。
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◎2015年05月25日 ---- ボス ◎
- アタマの悪い学者たち(1)
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私が毎日このコラムを書くその目的のひとつは若い人たちに対して「自分のアタマで考えるクセを付けろ」と伝えたいことにある。◆数学や物理学、化学など理系の学問の多くは学者が真実を教えてくれる。一方、政治や経済に関しては学者は自分の信ずる立場を主張するだけで真実を教えてくれるわけではない。私はこれらの政治学者・経済学者の多くを「アタマの悪い学者たち」と決めつけている。いや、学者になるくらいだから学生時代は成績優秀だったのであろう。もともとアタマは良かったのかもしれない。しかし学者になった今は・・・。◆本屋のビジネス書のコーナーに行くとさまざまな学者が自説を訴えている本が並ぶ。それらの本のタイトルだけ読んでいてもアタマがこんがらがってくる。「日本経済は底堅い」と言うものもあれば「日本経済は崩壊する」というものもある。「円は強い」と力説する本もあれば「ドル預金に移せ」とアドバイスする本もある。「アベノミクスは成功した」という学者がいれば「アベノミクスは大失敗に終わる」という者もいる。「原発は決して経済的ではない」と主張する経済学者がいれば「原発なくして日本経済の発展はない」と主張する学者もいる。果たしてこのようなものが「学問」と言えるのか。◆数学者はだれに聞いても3+5は8だと答える。経済学者は「これから景気が良くなる」と答える者と「これから悪くなる」と答える者に分かれる。私は経済学も政治学も学問としては認めていない。政治学、経済学の学者は競馬評論家と同等であると思っている。彼らは自分なりのある根拠を持って事象を予測する。予測が当たったときは「私はちゃんと指摘していましたよ」と胸を張る。予想が外れたときは「想定外の〇〇がありましたからね」と逃げる。◆自分の予測がはずれてしまって、彼を信じていた人が大損をこいても彼らは全く責任を取ろうとしない。これも競馬の予想屋と同じ。◆私がなぜ彼らを「アタマが悪い」と決めつけるのか。彼らは人の話を聞こうとしないからである。自分で自分にレッテルを張ってしまっているからである。「原発は不経済」と一度主張し始めた学者は常に「不経済である理由」を探す。「原発が最も廉価な発電」という学者の意見を聞かない。学者たちは、どちらも相手の意見を聞かずに自分の意見を述べる。或いは相手の意見を聞きながら反論する材料を探す。相手がどのように説明してもアタマの悪い学者たちは自分のポジションを替えない。「原発反対」と言っていた学者が「賛成」に替わることはない。「原発推進」と一度口にした学者は死ぬまで「原発のメリット」を訴える。バカばかりである。◆怖いのは学者よりもさらにアタマの悪い学生たちは簡単に洗脳されてしまうということ。「原発反対」の学者のゼミに入ったものは「原発反対」に、「原発必要」と主張する学者のゼミに入った学生は「原発必要」と、まるで自分の考えたことのように主張し始める。オウムの洗脳と大差ない。◆若い人は、真ん中に立ち、左右前後から多くの人の話を聞き、それらの意味を咀嚼し、自分のアタマで考え、そしてゆっくりと自分の信じる道へ向かって欲しい。選んだ道が間違えていれば引き返せばいい。決して少ない経験の中で出会った「アタマの悪い学者」に洗脳されないように注意してほしい。
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◎2015年05月21日 ---- ボス ◎
- 落下
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古びた超高層ビルの最上階に居た。なぜか車イスに乗っている。「それじゃね、気を付けてね!」と家人が私に声をかけた。「うん、じゃあね」と返事をしながら私は一人、車イスの車輪を押しエレベータに乗り込んだ。勢いよく乗り込んだので車イスが奥のスチール壁にぶつかってしまった。大きな音がした。ドアが閉まる。エレベータが下降をはじめた。下降のスピードが徐々に速くなる。どんどん速くなる。カラダが浮くほど速くなった。自然落下に近い。私は壁のボタンを押した。スピードが少し遅くなった、と思ったがまたすぐに急速落下が始まった。階数を示すデジタル掲示板の数字はめまぐるしく回り、いま何階なのかは分からない。「あっ、もうダメだ。ぶつかるー!オレはここで死んじゃうんだ!」と思ってカラダに力を入れた。「ぶつかるー!」と思ったまさにその瞬間に飛び上がるようにして目が覚めた。「夢だったのか。アー、良かった。怖かった」と思い、再び寝ようとしたが眠れないのでベッドから出た。今朝のこと。◆夜中にすごいカミナリが鳴っていた。時計をみると4時少し前だった。本当にカミナリなのだろうか?飛行機かヘリの音にも聞こえる。戦争が始まったのではないか?そう思うほどのすごいカミナリだった。私はテレビを付けた。テレビはなにも言ってなかった。テレビを消して眠りに落ちた。エレベータが落ちる夢を見たのはその後のことだった。◆出社してパソコンを立ち上げ「高いところから落ちる夢」と検索した。あるある、多くの夢解説。どの解説を読んでも「自信の無さや不安のあらわれ」だとあった。そして私と同じような夢を見たことのある人が多いことも知った。良かった。◆たしかに自信はない。不安はいっぱい。・・パソコンから離れ、伊勢神宮の内宮と外宮、愛宕神社が同居する神棚に手を合わせ、さらにはその横の成田山新勝寺の御札にも無事をお願いした。・・・不安なときの対処策としては「神頼み」「仏頼み」しか私は知らない。
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◎2015年05月20日 ---- ボス ◎
- 自分さえ良ければ・・・
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「義理・道徳」を人生の第一義に掲げている私は「自分さえ良ければいい」という考えが嫌いである。人様が嫌がること、人様に迷惑をお掛けすることはしないように心掛けている。駐車違反やズル込みなどはしない。もちろん路上にゴミを捨てたりしない。公共の場で携帯電話で話すこともない。自分がされたらイヤなことは人様には決してしない。自分がされたら嬉しいことは積極的にしてあげる。観光地で写真を撮るカップルを見かけると「2人一緒の写真撮りましょうか?」と声をかけシャッターを押してあげる。老人や赤ちゃんを抱えた婦人が電車に乗ってくると席を譲る。面倒なことでも、誰かがしなければならないことはできる範囲で引き受けている。幕張の大規模マンションに住んでいた頃は自治会や管理組合の仕事を仰せつかった。大変だったがそのお蔭で友人も増えた。◆その自治会活動をやっていた頃、私の住む地域の近くにゴミ焼却施設が建設される計画が持ち上がった。その計画を知ったすべての住民が即座に反対した。私個人的には「どこかに焼却施設を作る必要があるのなら、この近隣に建てられてもしかたないかな?」との思いがあったが住民はすべて反対した。「この近所にゴミ焼却施設を作らせない!」と頑張った。そして交渉に勝った。ゴミ焼却施設は別の場所に作られることになった。どこだか詳しくは知らない。自治会のメンバーは皆、安堵した。人間なんて、そんなものだ。◆「自分の住む地域にゴミ焼却炉ができるのはイヤ! 自分の住んでいないところならどこでも構わない」・・エゴな考え方だけれども住民の考えはそういうものだ。◆分からないのが沖縄県。回りが住宅地の普天間飛行場。「世界一危険な空港」と言われている。私の知る、一般的な住民の考えは、本当に普天間飛行場が危険だと思うのなら「とにかく宜野湾から出ていけ」と大声で叫ぶだろう。「普天間基地」が自分の関係ないところへ行ってしまえばそれでいい。辺野古だろうが、県外だろうが、海外だろうが、そんなことはどうでもいい。ここからいなくなってくれればそれでいい、と考えるのが私の知る一般的な住民。住民とはエゴなのである。◆ところが沖縄の方々の半分は違う。「普天間は危険」と文句を言う一方で「辺野古へ移すのはやめて!辺野古の人たちがかわいそう」と言っている。◆疑り深い私には、この主張の裏にはなにかが隠されているように思われる。だって多くの住民はエゴのカタマリ「自分さえ良ければいい」というのが住民の本音なのだから。
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◎2015年05月19日 ---- ボス ◎
- デザインでは韓国に大きく負けている我が国
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先週、2泊で韓国へ出張してきた。景気は良くない、と聞いているが私の目にはどこも活気にあふれているように映った。観光地や高級商品を扱う店は日本と同様、中国人観光客の下品な大声が飛び交っていた。◆韓国へ行っていつも感心するのは建築物のデザインの美しさ。縦と横の線しかない大小のマッチ箱を転がしているような、冴えない東京のビル群とは大違い。これまで私が訪れた都市の中で建築のデザインに関してはミラノとソウルの二都市が際立っている。皆さんもソウルに行かれるときには是非ビルの美しさも楽しんでいただきたい◆ソウルという都市が、あるいは韓国という国が「デザインが重要」と理解しているのだろう。残念ながら街を歩く女性の服装はさほどセンスが良いとは言えなかったが大韓航空、アシアナ航空のスチュワーデスの制服はJAL・ANAの制服よりは数段あか抜けていいる。そんな「デザインが重要」との意思表示を強く発信する素晴らしい建物がまた一つソウルにオープンしていた。◆度肝を抜かれた。痛く感動した。東大門デザインプラザという施設。2020年の東京オリンピックのための国立競技場のデザイン・設計を担当することになっている建築家、ザハ・ハディッド氏の作品。いろいろと説明したいが私が説明するよりはホームページを見ていただいた方が早い。http://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=6925 是非ご覧ください。それよりも一度ここを訪問していただきたい。◆「オカネがないからデザインなんてどうでもいい。要は効率や利用勝手の問題だ。いくら稼げるかが重要だ」と我が国の多くの施主が言う。情けない。美しいデザインは心を豊かにし士気を高める。こんな状態では東京はいつかソウルに追い越されてしまうだろう。
http://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=6925
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◎2015年05月18日 ---- ボス ◎
- 新しいこと
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若い頃、私はとても怠惰であった。今は怠惰ではない、とは言わないが若い頃に比べると随分とまともになった。自分が怠惰であったからよく知っているのだが、怠惰な者は現状を好む。◆眠っていると起きたくない。一度起きたら今度は眠りたくない。福岡で学生生活を送っていた私は夏休みに大分へ帰省するのが嫌だった。だが帰省してしまうと今度は新学期のために福岡へ行くのが嫌になる。今が楽なのであった。◆学生時代、引っ越しをした方が便利になるのは分かっていても引っ越すのが面倒で遠距離から通学していた時期もある。◆「頑張るべき。頑張った先に楽がある」というのは分かっていてもなかなか頑張れない。その結果、留年もしてしまった。◆「頑張るべき。頑張った先に楽がある」と言っても、その「楽」がどのようなものかはっきりと見えないとなかなか怠惰な者は動かない。◆ ◆ ◆前置きが長くなった。本日このコラムで話題にしたいのは「大阪都構想」の否決に関して。橋下大阪市長は「大阪市を解体して大阪府の元に直轄の『区』を置くべき」と頑張った。実は私は詳しく知らない。だから「大阪都構想」に賛成とか反対とか言えるものではない。ただ小さな会社とはいえ創業経営者として「橋下さんのやろうとしていることはかなり難しいな」との感覚はあった。橋下さんが説得しなければならない相手はみんな怠惰な人たちなのである。大阪市民が他と比べて怠惰、と言っているのではない。そもそも人間はみな怠惰なのだろう。新しいことはしたくないのである。◆昨日、住民投票が行われその結果「大阪都構想」は否決され廃案になった。僅差であった。テレビで大阪都構想に「反対」票を投じた人たちの反対理由が告げられていた。「大阪市に愛着がある」「大阪都になってどんな良いことがあるのか分からない」など私の予想通り、反対票を投じた人たちの多くは明確な反対理由はなかった。◆既得権益を持った多くの者たちは「変化・改革」を嫌う。彼らにとっては怠惰な住民を味方につけることは難しいことではなかった。「今でいいじゃない」「頑張って変化しようとしてもそれほど変わるもんじゃないよ」「頑張っても疲れるだけだよ」と言われれば怠惰な者は「そうだよね」と思ってしまう。◆学生時代、朝10時頃までアパートで寝ていると成績優秀な友人たちが起こしにきてくれた。「キノシタ君、もう朝だよ。1限目の受講は終わったよ。2限目から授業に出ようよ」・・・それでも怠惰な私はなかなか起き出さなかった。授業に出たらどんな良いことがあるのか分からなかった。当時の私は変化を求めていなかった。馬鹿だった。◆一経営者として橋下大阪市長に敬意を表したい。ねぎらいの言葉をかけたい。
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◎2015年05月11日 ---- ボス ◎
- SL広場
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本社を新橋に移してちょうど4年が経過した。新橋駅徒歩3分、とても便利。そのためか来客数も倍増した。我が社とJR新橋駅を結ぶルートはどれを選んでも居酒屋群の中を抜けることになる。そのため「朝は新橋駅から徒歩3分、帰りは新橋駅まで徒歩3時間」と冗談を飛ばす。私の大好きな銀座へも10分かからずに歩いて行ける。最高の立地。通勤が便利、客が来やすい、居酒屋が多い、銀座が近い、ランチを提供する店が多いなどなど新橋本社には当初予想しなかったさまざまな魅力があった。◆先週、金曜夕方、オフィスを出た私は「まっすぐ自宅へ帰ろうか、それとも銀座にちょっと顔を出そうか」と迷いながら新橋駅方面に向かった。駅前のSL広場でなにかやっている。覗いてみた。なんと将棋の大盤解説が行われていた。松江市で行われている名人戦をリアルタイムで大盤上の駒を動かし大内延介九段が解説していた。羽生善治名人に行方尚史(なめかたひさし)八段が挑戦しているもの。難しい盤面を大内九段が江戸弁で軽妙に分かり易く解説してくれる。とても面白い。結局、私は行方八段が投了するまで2時間近く解説を楽しんだ。もちろん無料である。素晴らしい。銀座へは行かず、新橋駅から電車に乗ってまっすぐに帰宅した。◆前期の決算を終了した。新橋に本社を移転する前年に比べ、我が社の売上高は6倍にも膨らんでいた。社員の数も2倍に増えた。新橋最高!
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◎2015年05月08日 ---- ボス ◎
- 初夏
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今年は5月2日が八十八夜、5日が立夏であった。暦の上では既に夏。今朝の東京は薄曇り。自宅を出るとむせるような「草いきれ」が顔を包んだ。初夏の陽気が漂っている。それだけで嬉しい◆自宅から会社まで電車を利用すると「広尾」~「六本木」~「神谷町」~「霞が関」~「日比谷」~「銀座」~「新橋」と6区間である。銀座で日比谷線から銀座線に乗り換える。今朝は気分が良かったので自宅から「六本木」まで歩いた。「六本木」で電車に乗ったが一区間だけ乗って「神谷町」で降りた。そして「神谷町」から「新橋」までまた歩いた。窮屈な革靴で少し足が痛くなったが気分はとてもいい。少し儲けた感じ。◆あなたも少し歩いてみませんか?おすすめです。
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◎2015年05月07日 ---- ボス ◎
- 許せない! 「30年後のことなんか知らない」
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2012年12月、中央自動車道の笹子トンネルでコンクリート製の天井版が崩落し、男女9人が死亡した。マスコミは「管理体制の不備」と決めつけた。責められるNEXCO中日本(旧道路公団)も素直に「管理体制の不備」を認め謝罪した。私は「管理体制以前の問題」をなぜマスコミは追及しないのか、「設計の不備」となぜNEXCOは言わないのかと残念に思った。◆大学でコンクリート工学を勉強した者なら少し考えれば「あの設計は危ない。将来、大事故が起こるかも知れない」と気付いたはずだ。私のようにまともに『コンクリート工学』の単位を取得していない者でも気付くのだから。◆コンクリートは「非常に重たく」「経年劣化が激しく」「メンテナンスが難しく」「劣化した場所を発見しにくく」「金属との相性が悪く」そして「繰り返しの衝撃荷重に弱い」ものなのだ。床材や壁材には向いているが、金属で上から吊る構造には適さない。設計の段階で「これの管理は難しいな」と気付いていないなら彼はバカだ。「メンテナンスをしっかりやってくれれば事故は起きないだろう」という考えだったのならその設計はあまりにも無責任だ。設計者の心の中には恐らく「30年後にはまずい状態になるかもしれない。でも30年間は持つだろう」との甘えた考えがあったに違いない。今更ながら腹が立つ◆病院の屋上ヘリポートを造る会社のトップとして「コンクリートは繰り返し衝撃荷重に弱いのでヘリポートはアルミデッキで」と訴えている。しかしながらなかなか受け入れられない。数年前、ある関西のゼネコンの所長が私に言った言葉が忘れられない。「私はこの現場が終わったら定年退職なの。30年後のことなんか知らんがな」◆このような設計者、施工者が多いから今年も「ビルの看板落下事故」などが相次いでいる。
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◎2015年04月28日 ---- ボス ◎
- 空と私
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「キノシタさん、『キノシタさんの人生でこの一曲』と言われたらなにを選びますか?」と聞かれたことはないが答えは用意している。2000年以降は『この空を飛べたら』(加藤登紀子)と答えることにしている。(ちなみに1999年までは『あの素晴らしい愛をもう一度』と答えていた) 『この空を飛べたら』は1978年のヒット曲だからもう40年近くも昔の曲だ。自堕落な学生だった私はそれでもなにか夢を持っていつもこの曲を口ずさんでいた。近く、私がプロデュースするオリジナルCDが出る。世界的な二胡奏者ウェイウェイウーさんを中心にしたメンバーでの演奏。最初の曲は「この空を飛べたら」に決めている。◆「最近感動した本はなんですか?」「キノシタさんが人に勧めたい本は?」などと聞かれることはたまにある。2000年以降は『翼はいつまでも』(川上健一)と答えている。野球、音楽、友情、恋愛、義理、道徳、青春、冒険・・・すべてが凝縮されて詰まっている。お勧め。◆そして今回、また素晴らしい本に出会った。『翼をください』(原田マハ)。これからしばらくは「最近感動した本はなんですか?」と尋ねられたら『翼をください』と答えることになりそうだ。◆『この空を飛べたら』『翼はいつまでも』『翼をください』・・・・気付いたら音楽も本も“空”を関係するものになっていた。◆久しぶりに宝塚の宙(そら)組の公演にでも行ってみようか。
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◎2015年04月24日 ---- ボス ◎
- 事が起きなきゃ動かない
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もう50年近く前のことだ。私が通う小学校の登下校路に交通量の多い五叉路があった。母が毎日のように「あそこは危いけえ十分注意するんで!」と私に注意いしていた。その五叉路で交通事故があり小学生が死んだ。すると、すぐに歩道橋建設工事が始まった。◆その数年後、隣の小学校に通う子供が踏切事故で死亡した。そこも普段から「危ない、危ない」と言われていた踏切だった。事故の後、数か月もしないうちにその踏切に遮断機がついた。◆「危ない、危ない」と言っているうちは行政はなにもしてくれない。事故が起こって初めて動く。行政が的確に動いていれば亡くならなくてすむ命も多かったろうに・・・、50年経った今も「なにか事故が起こらなければ行政が動かない」状態に変化はない。◆「事故が起きる」「テレビが騒ぐ」「与党議員が口をだす」・・この3つのいずれかがなければ行政は「危険な状態」でも放置する。通常の住民の声に対し「予算がなくて」などと答えてくれればまだ良い方。小さな声のほとんどは無視される。◆ドローンなるラジコンの無人航空機が飛び始めた数年前から「危ない」という声は多かった。当然、航空局の役人の耳にも届いていたはずだ。でも彼らは動かなかった。まだ「事故が起きていなかった」し「テレビも騒いでいなかった」し「国会議員からの圧力もなかった」から。「危ない、なんとかしろ」との多くの小さな声を彼らは虫をし続けた◆そのドローンが総理官邸の屋上に飛来し着陸した。大騒ぎになった。テレビが騒ぎ、国会議員が口を出し始めた。やっと行政はその重たい腰を上げ始めた。情けない◆小さな意見や情報は無視し、「事故が起きる」「テレビが騒ぐ」「与党議員が口を出す」まではなにもしない役人なんていらない。◆総理官邸屋上にドローンを飛ばしたヤツは「なんとかしろ!」と警鐘を鳴らしたかっただけなのかもしれない。結果的には日本の空の行政が良い方向に向かい始めた。
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◎2015年04月19日 ---- ボス ◎
- 内田一郎先生、ありがとうございました。(その2)
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留年し、5年目になっても私の単位はまだまだ不足していた。卒論の発表を終え、就職先は前田建設工業に決まっていたが、幾つかの必須科目の単位が取得できないまま後期試験に臨むことになった。ここで一つでも取りこぼすと、さらにもう一年留年となる。最難関は『コンクリート工学』と『水理学』。これまでに試験、追試、再試、再々試と受けたがこの2教科は全く歯が立たなかった。◆『コンクリート工学』は松下博通先生の教官室で最後のチャンス「再々々試験」をマンツーマンで受けることになった。松下先生は、わざわざ私一人のために問題用紙を用意していた。その問題を見た瞬間に「あっ、これは無理だ。オレには解けない」と思った。しばらく悩んでいたら松下先生が言った。「キノシタ、申し訳ない。これからこの部屋に客が来ることになった。悪いけどオマエ、鉄筋研の研究室でやってきてくれ。90分後に必ず戻って来いよ」と。私は親しい先輩や友人が多くいる研究室へ行き、みんなに問題を解いてもらった。90分後、完璧な解答用紙を見て松下先生は笑顔で言った。「よし、合格。キノシタ、よく頑張ったな。これで卒業できるな」と。◆だが実はまだ最後に『水理学』が残っていた。『水理学』はこの年に助教授になったばかりの若いK先生。それまでの椿東一郎(つばき とういちろう)先生の出す試験問題は友人が「傾向と対策」を作ってくれていたのだが、前年に椿先生が退官し、K先生の問題は全く予想がつかない。それ以前に、そもそも『水理学』とやらが私には全く理解できなかった。『水理学』の再々々試験、つまり最後の試験を翌日に控えたその日、私はなんの用事だったのか教務課を訪ねた。すると教務課の、優しい事務のオバサマ、赤間さんがニコニコしながら話しかけてくれた。「あら、キノシタさん、私、間違えてまだ貼っちゃいけないものを掲示板に貼っちゃったみたい」と。見ると壁に「水理学」の合格発表が貼ってあり、私の名前があった。◆「キノシタさん、内田先生に感謝しなさいよ。でも面と向かってお礼を言っちゃダメよ。内田先生が九大でした最後の交渉だったようだけど、これは表には出せない話なの。分かるでしょ?」・・・赤間さんが女神様に見えた。内田先生が仏様に思えた。赤間さんは小さい声で言ってくれた。「これで本当に卒業できますね。おめでとう、キノシタさん」◆詳しくは知らないが「ダメなものはダメ。試験の点が取れてない者を卒業させるわけに行かない」と突っ張るK先生に対し、退官間際の内田先生が「そこをなんとか」と頼み込んでくれたようだ。現在の大学では、一人の学生の合否に関して、担当外の教授が「合格にしてやってくれ」と頼むことなどないだろう。古き良き時代だった。◆内田先生に恥をかかせないように私はその夜、まさに一夜漬けの猛勉強をした。しかし翌日の「水理学」の再々々試験は惨憺(さんたん)たるものだった。恐らく零点だった。K先生は不愉快そうだった。私は内田先生に申し訳ないと思った◆昨日この欄で書いた、内田先生との最初で最後の食事、天麩羅屋には実は赤間さんも同行してくれていた。内田先生は終始笑顔だった。私は赤間さんとの約束どおり、「水理学」のお礼を内田先生に告げることをしなかった。◆その晩、別れ際、赤間さんが優しく微笑みながら「キノシタさん、あの話はお墓まで持って行かないとダメよ。人にしゃべっちゃダメよ」と念押ししてくれた。あれから35年。墓までは持っていけなかった。◆内田一郎先生の訃報に接して思い出した。思い出すと居ても立ってもいられなくなった。昨日(18日・土曜)、いくつかの用事をキャンセルして、山口まで先生にお別れを告げに行った。お礼を伝えに行った。先生は祭壇でにこやかに笑っておられた。「キノシタくん、頑張っていますか?」そう訊かれたような気がした。内田一郎先生、ありがとうございました。
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◎2015年04月17日 ---- ボス ◎
- ありがとうございました。内田一郎先生。
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内田一郎先生に最後にお会いしたのは、博多で開かれた先生の米寿(88歳)のお祝いの会でだった。矍鑠(かくしゃく)とした先生に対し、お祝いの花束を渡す元教え子の方がはるかに老けていた。教え子と言っても恐らく80歳は超えている方だったろうからやむを得ない。明るく笑顔でお礼の言葉を述べていた先生の表情が一瞬曇った。少し間を置いて先生が話し始めた。「実は今日のこの会に、家内も招かれていました。残念ながら少し体調を壊し出席できません。家内からも皆様へお礼を述べたかったようです」と寂しそうだった。その米寿の会の二日後、奥様は逝去された。◆私は内田先生の最後の教え子。当時、九州大学の卒業証書は3月27日付けであったが私のものだけは3月30日付け。私は1年留年し、さらに3日遅れての卒業になった。私の卒業が決まった日「キノシタ君、よく頑張ったね。一緒に食事に行きましょう」と誘ってくださった。大学からバスで30分、天神で天麩羅を御馳走になった。その日は先生が九州大学へ出勤する最後の日でもあった。私は内田先生から直接指導を受けたことはなかった。落ちこぼれだった私は、先生が私のことを知っていてくれたことに驚いた。「一年や二年遅れたって長い人生、どうってことありませんよ。これからコツコツ頑張りましょう」そう言いながら日本酒を私の御猪口についでくださった。そういう先生は東京大学を2学年も飛び級しており、同級生は2歳以上年長の者ばかりだった。◆退官されてからも先生を慕う方たちから招かれ、忙しくされていたようだ。米寿の会は数百人の大パーティーであり、末席の私は先生と一言もお話しできなかった。「おめでとうございます」とお声掛けしただけ。十分なお礼の言葉を伝えることもできないまま、さらに歳月が経った。◆昨日、「内田一郎先生ご逝去」との報せがメールで届いた。◆ありがとうございました。内田一郎先生。
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◎2015年04月16日 ---- ボス ◎
- おかしい!産経新聞
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産経新聞の前ソウル支局長は、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領のスキャンダラスな噂をネット新聞に報じたために名誉棄損だとして在宅起訴され、出国禁止措置を取られていた。8か月以上続いていた出国禁止措置が先日ようやく解除され、前支局長は久しぶりに帰国した。韓国のメディアが既に報道している噂を、日本の大新聞が書いたからといってヒステリックに反応する韓国政府の「出国禁止」という措置は、世界の自由主義先進諸国の常識からすれば「異常」である。◆とは言え産経はあの時に、くだらぬスキャンダラスな噂を報じる必要があったのだろうか?「東京スポーツ」や「週刊ポスト」が報じるなら分かる。天下の日本の大新聞が報じなければならない噂ではなかったろう。ほんの少しだが、韓国政府の怒りも理解できる。「産経には悪意があった」と思われてもしょうがない、と思う。◆前支局長が帰国した翌日、産経新聞のコラム産経抄は「・・・(前支局長)は、久しぶりの家族だんらんを楽しんだはずだ。」と書いた。その前日、同じく産経抄は「オバマは・・キューバとの国交正常化を『政治的遺産』として残したいはずだ」と書いた。3月30日には「・・・三津五郎さんも楽しみにしていたはずだ」と書いている。このように産経抄には「・・・はずだ」が異常に多く出てくる。◆今年に入って、4月15日までに産経抄にはなんと23回も「はずだ」という表現が登場している。同じ期間に朝日新聞のコラム天声人語には引用文で一度「はずだ」が出てくるだけ。23対1、これも「異常」ではないか。◆「手を離せばボールは下に落ちるはず」「強く叩けばガラスは割れるはず」などとの物理的に自明のことに「はず」が使われるのは問題ない。しかし「彼はこう思ったはず」「彼女はこうしたはず」と自分の推測を「・・はずだ」と断言し、それを繰り返す産経の思慮の浅さを憂う。不愉快に思う。◆「この記事を流せば韓国嫌いの日本人は喜ぶはずだ」「この記事を流しても韓国政府は産経新聞に対してなにもできないはずだ」「韓国のメディアが流した記事なのだから(事実であろうがなかろうが)名誉棄損にはあたらないはずだ」・・・・そんな気持ちが前支局長にあったはずだ。・・・・・もとい「そんな気持ちが前支局長にあったのかもしれない」
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◎2015年04月14日 ---- ボス ◎
- マスターズ終わる・・ジョーダン・スピース優勝
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(初日が終わったあとのインタビューで) 昨年10月に初めてオーガスタを回ったというスピースに対し、リポーターが「その時と今日と、比較してどうですか?」という質問を投げた。彼は笑顔でこう答えた。「まるで別のコースのようでした。とにかくグリーンが早くなった。・・・それに(あの頃は)アゼリアも咲いてなかったしね・・」 ● 「アゼリア(西洋ツツジ)も咲いてなかった・・」との一言を聞いて「素晴らしい。この子はできる。優勝するかもしれない」と感じた。弱冠20歳の少年がマスターズのファーストラウンドが終わったばかりの時点でアゼリアを語るとは・・。心の余裕、落ち着き、ファンサービス、すべてを表す一言だった。 ・・・・・・・・・ ◆以上は昨年のマスターズ終了後、2位と大健闘したジョーダン・スピースをこの欄で称えたもの。あれ以来、私は、自分の息子よりもさらに若いこの青年のファンになった。今年は優勝候補の筆頭に挙げた。彼は私の期待に応えてくれた。◆故郷で中学の校長を務める私の友人、菅淳クンからは次のメールが届いた。「・・・予想的中やなぁ。 礼儀正しく誰にでも~さん付け、自閉症の妹さんを僕の宝と言い、ベン・クレンショーに『豊かな想像力と、すごいパット』と言わしめた若き一番星の優勝、素晴らしかったなぁ」◆幕張の友人、マッちゃんこと松崎さんは初日が終わったところで「私はマキロイが勝つと思いますよ。賭けませんか」と無謀にも挑戦してきた。拒む理由はない。もちろん私はその賭けを受けた。近々、大変おいしいものを御馳走していただくことになった。◆楽しい楽しい、今年の夢舞台であった。二日目(予選)の最終ホールを終え、笑みを湛え去って行くベン・クレンショー。スタンディングオベーションを持って彼との別れを惜しむパトロンたち。これも今年のマスターズの印象的なシーンとなった。
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◎2015年04月13日 ---- ボス ◎
- 「市会議員にでもなろうかな」という怖さ
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同窓会が多い。昔、一緒に遊んだ者たち、一緒に勉強した者たち、一緒に野球した者たち、一緒に働いた者たち、同じ高校を卒業した者たち、いろんな同窓会に誘われて出席する。私が幹事をしているものも複数ある。◆気の置けない、同世代の友人たちとの会話は楽しい。最近の話題は「親の介護」「自分の健康」「子供の結婚」、この三つが多い。それに続くのが「退職後の第二の人生」。みな定年に近づいた。銀行マンや国家公務員だった者はすでに第二の職場に移っている者も多い。◆時折、少し不愉快な発言を笑顔でする者がいる。「今の会社を定年退職したら故郷(いなか)に帰って市議会議員にでもなろうかな」というもの。酒の席でこのような会話をする者に限って何も政治的な意識もなければ勉強もしていない。ただの「おカネを稼ぐ手段」であったり、良くて「暇つぶし」であったりする。情けない。彼らは「自分が立候補すれば恐らく通るよ」と言っている。そうなのであろう。◆先日、維新の党から除名されながらも議員辞職しない比例復活当選のバカ国会議員が話題になった。少しでも見識のある者なら彼女に国会議員として働く能力がないことはすぐに見抜く。ところが有権者の多くは見抜けずに騙される。あるいは「比例代表」というヘンなシステムが彼女を復活当選させてしまう。情けない我が国の選挙制度◆昨日、統一地方選があった。全国で、またまた「議員として働く能力のない者」が多く当選したようだ。◆国会議員に限らず県議会議員、市議会議員は多すぎる。「議員の数を減らす」か「議員の歳費を減らす」か或いは「選挙権者・被選挙権者になるためには試験をする」しかないと思う。◆とにかく、カネを稼ぐために「市会議員にでもなろうか」などと酒の席で発言できるような今のシステムは早急にあらためるべき。18歳に選挙権を与えるなんぞ無謀すぎる。
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◎2015年04月09日 ---- ボス ◎
- マスターズ 優勝者予想
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ゴルフ界最大のイベント「マスターズ」がいよいよ開幕する。明日から睡眠不足の毎日になる。毎年、開幕前に優勝者を予想する。当たったためしがない。だが今年も懲りずに予想する。◆①ジョーダン・スピース、②ロリー・マキロイ、③バッバ・ワトソン この3人の中から今年の優勝者が出ると予想する。 ◆日本人は松山英樹一人だけと寂しい大会になる。石川遼君に頑張ってもらって来年は是非出場して欲しいと思う。タイガー・ウッズの出場は嬉しい。上位進出は難しいだろうが、なんとか予選は通貨してもらいたい。◆マスターズの素晴らしいのは何歳になっても歴代優勝者に出場資格を与えていること。今年もトム・ワトソン、イアン・ウーズナム、ベルンハルト・ランガー、フレッド・カプルス、サンディ・ライルなどの懐かしい名前が並んでいる。中でも私が期待するのはパットの魔術師ベン・クレンショー。まだ63歳だ。若い者たちに飛距離では敵わないだろうがあの魔法のパットで活躍して欲しい。◆さて、あなたは誰が優勝すると思いますか?予想を聞かせてください。結果が出てから、来週になって、「オレの予想が当たった」なんていうのは無しですよ。
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◎2015年04月09日 ---- ボス ◎
- 挑戦!
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喉頭がんのため声帯を切除したつんく♂さんは「食道発声法」の習得にむけてチャレンジを始めたという。簡単ではないらしい。頑張って欲しい。彼ならできる、そう思う。◆今朝のテレビでは「欽ちゃん」こと萩本欽一さんが猛勉強の末、駒沢大学に合格し、昨日が入学式であったことを伝えていた。なんと欽ちゃんは73歳だという。「野球部に入りたい。もちろん選手としては無理だけどユニフォームを着たい。」と言っていた。さらに「僕は80歳になっても90歳になっても、生きている限り、何かに挑戦していきます」と伝えていた。素晴らしい。◆つんく♂さん、欽ちゃんのチャレンジ、心から応援する。彼らは全国の多くの方に勇気と希望を与えた。◆一方、私は・・・。「僕は80歳になっても90歳になっても、生きている限り、何かに挑戦していきます」との欽ちゃんの言葉をテレビで聞き、隣にいた家人にこう洩らしていた。「偉いなあ、欽ちゃんは。でもオレはもうできないなあ。・・しばらく挑戦はいいや。疲れた。」◆57歳、キノシタモトミ。いささか疲れ気味である。
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◎2015年04月08日 ---- ボス ◎
- 12000人買春???の元校長
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未成年を含む1万2000人以上の女性を買春していたとして、横浜市立中学校の元校長の男が逮捕された。「マニラの日本人学校に赴任していた25年ほど前からこれまでに1万2000人以上の女性を買春していて、このうちの1割が未成年とみられています。」と記事は伝えている。こんな変態スケベ親父でも市立中学校の校長になれる横浜市はおかしい。誰も気付かないわけないと思うのだが・・。いや、ひょっとすると横浜市だけではないのかもしれない。こんな校長の元で勉強をしていた生徒たちは哀れである。厳罰を望むところだ◆しかし1万2000人という数は異常だ。本当ではないだろう。「一日に一人」を買春したとして1万2000人を買うには約33年必要。記事は「25年ほど前から」と書いている。もちろん「一日に複数人」を買えば達成できる数字ではあるが、私のアタマでは想像できない。普通の人間に想像できないから「超変態」なのか、間違った数字なのか?◆一人買うのに1万円を使ったとしても1億2000万円。バカじゃないの!バカだ!・・おかしい。◆話半分、いや十分の一でも、百分の一であっても、教育界全体の問題として取組み、「変態教師」「変態校長」は即刻クビにすべきである。
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◎2015年04月06日 ---- ボス ◎
- つんく♂さん、ありがとう。
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喉頭がんで療養中だったつんく♂さんが、声を失ったことを明かした。母校、近畿大学の入学式に出席し「一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」と活字で伝えた。 「なぜ、今、私は声にして祝辞を読みあげることが出来ないのか……。それは、私が声帯を摘出したからです」・・・つんく♂さんの登場に沸いていた会場が静まり返った。うっすらと涙を浮かべたつんく♂さんの表情は穏やかだった。微笑みさえ浮かべていた。テレビのニュースでこの光景を見ていて私まで泣いた。◆歌手として、音楽プロデューサーとして超一流であるつんく♂さんは「人として」も「指導者として」も超一流であった。プロデューサーという「創造し、人々を喜ばせる仕事」に関してはまさに「プロ中のプロ」。こんな人を他に知らない。母校、近畿大学の入学式のプロデュースを立派に行った。◆「私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんな事を考えながら生きていこうと思います」と記し「皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追究すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりは無理なんだという人生が待っていると思います」と新入生を励ました。◆つんく♂さんの励まし、つんく♂さんの生き様は、これからどれだけの人を励まし、救い続けるのだろう。私は8年前に失った友人、平井正敏君を思い出し寂しく、悲しくなった。◆10年ほど前、平井君もつんく♂さんと同じ喉頭がんの宣告を受けた。医師から「声は出なくなるけど、手術をすればカラダは必ず元気になる」と言われたが平井君はその手術を拒んだ。私を含め、回りの者は誰も平井君を説得できなかった。当時40歳を少し超えたばかりの平井君にとって「声を出せない人生」は「生きる意味のない人生」とイコールに思えたのかもしれない。彼の気持ちも理解できた。平井君は、茨城県ひたちなか市で「親不孝もん」という居酒屋を経営していた。手術を拒んだ彼は、怪しい民間療法にすがっていた。私は「そんな民間療法など止めて、もう一度病院に行って、手術を受けることを考えろ」と注意できなかった。ガンの宣告から1年経った頃、私はひたちなか市に平井君を訪ねた。二人で温泉に行った。彼は意外と元気そうだった。「民間療法でもなんでもいい、元気になってくれ」という気持ちと同時に「彼と楽しく語らうのは恐らく今夜が最後になるのだろうな」との思いもあった。◆それから約半年後、彼は亡くなった。本当の「親不孝もん」になってしまった。◆つんく♂さんの今回の行動は、生きる意欲を失いかけている多くの人々に生きる希望と勇気を与えるものであろう。◆いま、平井君は空の上で後悔しているかもしれない。声が出ないけど、笑顔で焼酎と焼き魚を出してくれる「親不孝もん」のマスター、平井君と一緒に飲みたかった。寂しい。・・・・つんく♂さん、ありがとう。
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◎2015年04月03日 ---- ボス ◎
- 1万時間フライト達成・おめでとう
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かつて私の部下であり、今では親しい友人となったヘリコプター操縦士の厚地(あつち)信一君が先日、フライトタイム1万時間に到達した。昨日、お祝いパーティーを開催した。事前に本人には知らせないサプライズパーティーであった。とてもとても盛り上がった。お祝いに駆け付けた面々の笑顔がまた素晴らしかった。◆国際線の大型飛行機は比較的楽にフライトタイムを稼ぐことができる。昨今はオートパイロット(略して「オーパイ」と呼ばれる自動操縦)機能が一段と精度を上げたため操縦士が操縦桿を握らなくても目的地に到達できる。一回のフライトで10時間以上のフライトタイムを稼ぐことだってできる。これに対し、厚地君が達成したヘリコプターの1万時間フライトは常に緊張が強いられるものであった。1万時間のうち8000時間は操縦訓練の教官として稼いだもの。はじめてヘリコプターを操縦する若者を隣に乗せて操縦技術を教えながら稼いだフライトタイムである。飛行機と違いヘリコプターには独特の振動がある。操縦席はとても狭く自由が利かない。もちろんオーパイなどの装備はない。雲の上に出ることもないために常に回りを気にしながらの操縦である。1回のフライト時間は1時間に満たないものがほとんど。腰痛と闘いながら彼は50歳手前でこの偉業を達成した。これまで教えた生徒は160人になるという◆私も彼も若かった頃、そう、今から20年ほど前、世の中がまだバブル景気に浮かれていた頃、一緒にいろんなところを飛んだ。蔵王のスキー場上空を飛びスキーヤーに手を振った。夏の湘南海岸を飛び、ビキニのオネーサンたちに手を振った。四国の道後温泉付近を飛んだこともあった。「露天風呂が見えないか、女風呂が覗けないか」などと冗談を言いながら飛んだ。高高度のため、もちろん風呂は覗けなかった。伊豆の新島、大島、三宅島にも飛んだ。なにをするためにそんな所へいったのだろうか、覚えていない。楽しかった。私は高所恐怖症であるが彼の操縦だけは信頼でき安心して横に座っていた。北は岩手、秋田まで、南は私の故郷大分県佐伯市まで一緒にフライトした仲間。懐かしい思い出は数知れない。◆厚地君と彼が育てた160人の操縦士たち、誰もが満足してヘリを降りるまで決して事故だけは起こさないで欲しい。彼が教えた生徒たちの多くが既に立派なプロの操縦士になっている。昨日のパーティーに駆け付けた教え子たちも、みんな素晴らしい空の男になっていた。
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◎2015年04月02日 ---- ボス ◎
- みっともない!「報ステ」古賀茂明氏
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風邪気味だったので銀座に寄ることもなく帰宅し、たまたまテレビでその番組を見ていた。3月27日(金曜)の「報道ステーション」。元経済産業省官僚の古賀茂明氏が、不愉快そうに話し出した。どうも自分が降板させられることに納得がいかない様子。みっともない。◆古賀氏の発言・態度に関し「公共の電波を使った行動として、極めて不適切だ」と菅官房長官はコメントしたが全く同感。見識ある大人の多くは古賀氏に同情することはないだろう。◆「人間、引き際・別れ際が大切」・・そう思っている。古賀氏の発言はまさに「負け犬の遠吠え」であろう。ああ、みっともない。◆今回の古賀氏の「遠吠え」を聞いて10年前のある事件を思い出した。その頃、我が社では、ある月刊誌に毎号、見開き2ページの広告を打っていた。2ページ広告は3年間ほど続いていた。ある日、社内の会議で「有効な広告宣伝は?」ということがテーマになり「これからは雑誌よりもインターネットの活用を図るべきだ」ということになった。雑誌に掛けている広告予算を削りネットに回そう、ということになったのだ。当時、広告を担当していたE君がその月刊誌に連絡した。「来月から広告を1ページにしたい」と伝えた。E君が連絡した3日後、その雑誌の編集長から私に電話が入った。「キノシタさん、久しぶりに一杯やりましょうよ」と明るい声で編集長は私を誘った。◆場末の居酒屋で編集長と私は楽しく飲み、業界のことを語っていた。1時間も話した頃だったろう、編集長がいきなり当社のE君のことを貶(けな)し始めた。貶し方がひどい。「キノシタさん、E君はねえ、〇〇からワイロをもらっているはずですよ。〇〇の手口は汚いですからね」という。私は彼がなにを言い出したのか全く理解できなかった。「Eが〇〇さんからワイロをもらうなんてこと100%ありません。第一、〇〇さんがEにワイロを渡す目的がない。E君はなんの権限もないんですよ」私は当然E君をかばった。◆およそ記事を書くことを生業としている人間とは思えない意味不明な発言が続いた。私は「こいつはE君が広告を半分にすると連絡してきたことに腹を立てているのだ」とやっと理解した。みっともない!◆私は「広告を半分にすることを止めます」と告げた。彼は一瞬喜んだ顔になった。「広告を半分にすることをやめて、次号からはオタクの雑誌への広告をすべて止めます」と伝えた。既に酒が回っていた編集長はさらに顔を赤くし立ち上がり私に人差し指を突き付け「帰れ!出ていけ!」と言った。◆もちろん、それ以来、その雑誌に広告は載せていない。◆別れ際に「これまで、ありがとう」と言えないようなら最初から付き合わないほうがいい。
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◎2015年04月01日 ---- ボス ◎
- 野球観戦
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野球通でもないし、どこの球団のファンというわけでもないが年間に4,5回程度、野球場へ足を運びプロ野球観戦を楽しんでいる。昨年はヒューストンのアストロドームでアストロズの試合、シカゴのリグレーフィールドでカプスの試合と、2回も大リーグの試合を観戦することができた。忘れられない楽しい思い出になる。◆テレビ観戦と違い、野球場には言葉に表せない独特の空気がある。特にプロ野球には「観客に楽しんでもらおう」という企業意識があちこちにみられ、経営者としてはそれらも勉強になり一層楽しい。◆やはりナイターがいい。できれば屋根(ドーム)はない方がいい。自然の風を感じつつ、夜、ビール片手に、ライトアップされた芝生の上の贔屓の球団を応援する。ああ、楽しい。◆プロ野球の球場では重たいビールタンクを背負ったお嬢さんが笑顔でビールを売りに来る。彼女らの一所懸命さにも心打たれる。つい「もう一杯」と頼んでしまう。アメリカは違った。アストロドームでもリグレーフィールドでも、ごついお兄さんが缶ビールを売り歩いていた。私はもちろん彼らからは買わなかった◆幕張に住む松崎さん(通称マッちゃん)は熱狂的なロッテファン。私は彼に誘われて毎年一度はマリンスタジアムでロッテの試合を観戦する。マリンスタジアムへ行けばマッちゃんは有名人。マッちゃんもロッテのことはなんでも知っている。ビール売りのオネーサンのことまでよく知っている。マッちゃんとロッテ戦を観にいくとき、私は試合よりもマッちゃんのはしゃぎっぷりを楽しんでいる。マリンスタジアムに居るあいだは、たとえロッテが負けていようと笑顔が絶えないマッちゃんだが、そのマッちゃんがある話題になると怒りだす。「〇〇がバカだから、こんなことになるんですよ。ファンのことなんか考えてないんですよ。自分がめんどくさいことになりたくないだけなんですよ!」と声を荒げる。ファウルゾーンに大きくせり出したフィールドウィングと呼ばれる席にネットが設置されたことに怒っているのだ。「この席は選手と一体感を味わえる特等席ですよ。それなのに『安全のため』とかいってこんなヤボなネットを設置されたら興ざめでしょ!」というのだ。このマッちゃんの意見に私も大賛成。万一ボールが飛んできてケガしてもそれは『自己責任』であって球団が責められる問題ではないだろう、と思っていた。アメリカの両スタジアムにも、もちろんネットはなかった。◆札幌ドームでの観戦中にファウルボールが顔にあたり失明した女性が「防球ネットなどを備えるべきだった」などと主張し、4650万円の損害賠償を求め日本ハムを訴えた。札幌地裁は「ドームの設備は安全性を欠いていた」と、原告の訴えをほぼ認めた。◆女性は確かに可哀そう。だがこれを「球団側の責任」とする地裁の判決はどうだろう?なにもかも「安全優先」では我が国のエンターテインメントは廃れてしまう。私はマッちゃんを応援する。
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◎2015年04月01日 ---- ボス ◎
◎2015年03月31日 ---- ボス ◎
- 年度最後の日
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3月31日。今年度最後の日。今年の年度末は「例年よりは少し暇」、といった感じ。ヘリポート建設部の連中の多くが、この時期に現場へ出ず、オフィスにいることは珍しい。これは建設資材高騰等によって病院建設工事の入札が不調になり、再入札が繰り返され工期が大幅に遅れたものが多いためである。年度末に工事が集中しすぎる“いびつさ”が取れて少しはまともになっている、と私は好意的に見ている。◆年度末は別れの季節でもある。今年も寂しい別れが続いた。多くの方がお別れの挨拶で私の部屋に来てくれた。笑顔で別れられる方には「時々、遊びに来てくださいよ」と声を掛ける。そして彼らのこれからのさらなる飛躍を願う。一方、涙で別れる者もいる。本当に寂しい。◆私の座る後ろの壁に「義理・道徳」の大書を掲げている。私の経営に関する芯。「義理」「道徳」に続き「美」「粋」「遊び心」「道草精神」の6つの言葉が私の生き方のよりどころ。◆「『義理』とくれば普通『人情』と続くんじゃないの?」と無教養な奴らに馬鹿にされることがある。「そうではない。『人情』を掲げれば企業経営に行き詰ることが必ずある。『人情』を殺して『道徳』を優先させねばならない。『義理』を優先させねばならない」◆何を言っているのか理解していただけないかもしれないな。しようがない。◆年度末最終日、ある人と涙をこらえて、握手をして別れた。『人情』を殺して別れた。泣き虫の私は、別れたあとしばらく涙が止まらなかった。
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◎2015年03月30日 ---- ボス ◎
- 自分のアタマで考えろ!
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ジャーマンウイングス機の事故の報道。ボイスレコーダーの解析から、機長は離陸30分でトイレに行くためにコクピットを離れたことが報じられた。◆私の知る限りすべてのマスコミはそのことをさほど重要な問題として取り上げない。マスコミが疑問の声を上げなければ、私の知る限りすべての国民は疑問に思わない。◆もし「報道ステーション」で古館キャスターが「機長が離陸30分でコクピットを離れるなんてことはよくあるのですか?私にはそのことも異常に感じられますが」と航空評論家に問うていたら視聴者の多くが「確かに。それはおかしい」と思ったのではないだろうか?古館さんが「おかしい!」と言えば多くの新聞も後追いをしたのではないだろうか?◆日経新聞の解説を受け売りにする営業マンをよく見かける。「それはあなたの考えなの?日経の記事と全く同じですね」とイヤミを言いたくなるような営業マンが多い。◆自分なりの疑問、自分なりの分析、自分なりの考え、これらのモノを持とうと思わない人が増えた。マスコミの記事、マスコミの意見を受け売りする奴らばかりが目立つ。こんなことでは企業も国家も成長しない、・・・と私は思うのだが?
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◎2015年03月27日 ---- ボス ◎
- 不可解な航空機事故
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ジャーマンウイングス機はバルセロナ空港を10時01分に出発、デュッセルドルフ国際空港に向けて飛び立った。高度38000ftで飛行していた午前10時30分頃に急に降下を開始し10時53分頃山岳に激突したとみられている。◆マスコミは10時30分頃、機長がコックピットを離れたすきに副操縦士が故意に高度を下げたようだ、と伝えている。機長が戻ろうとしても副操縦士がドアを開けなかった、という。◆どの新聞も、どのテレビもそのように報じている。フランス語の発表をそのまま伝えているだけ。なぜ、誰も疑問をもたないのか、そのことの方が私にはよほど疑問だ。◆「なぜ、なぜ機長は離陸30分でコックピットを離れたのか?」・・・・なぜ誰もこのことを聞かない?なぜ疑問に思わない?◆「一億総白痴化」と大宅壮一が言ってから60年近くたつが相変わらず白痴化が進んでいる。一億どころではない。60億総白痴化だ。◆事故機A320と同型機は国内にも多く、私もよく利用する。センター通路で両側に3席ずつ配置されるのが一般的。飛行中に機長がコックピットから出てくるのを見たことがない。出てくれば乗客席から見える。しかも今回の事故は離陸後30分しか経ってないところで機長がコックピットを離れているのだ。◆テレビでは、日本航空や全日空の元操縦士が解説しているが機体内の構造の説明ばかり。尋ねる方も肝心な「機長が30分でコックピットを離れることはよくあるのですか?」という重要な質問をしない。誰もそれを不思議がらない◆私はそのことを、誰もそれを疑問に思わないことに腹を立て、諦め始めている。
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◎2015年03月23日 ---- ボス ◎
- 高校野球
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ボーっとして過ごすことが嫌いな私は休みの日もスケジュールが埋まっている。出張かゴルフが多いが、友人と小旅行に出かけたり或いは田舎の母親を見舞ったり、意外と忙しく休日を過ごす。ところが先週の土曜日、予定していたゴルフが急遽キャンセルとなったため久しぶりに午前中を自宅でボーっとして過ごすことになった。朝食を済ませ、ソファでコーヒーを飲みながらテレビのチャンネルを回していたらちょうど春の選抜高校野球の開会式をやっていた。若人がひたすらに何かに打ち込む姿は美しい。「なんのためにそんなに頑張るの?」と聞かれて即座に答えられる高校球児は少ないだろう。「プロ野球選手になりたい」と答える一部の野球エリートを除くと彼らの答えはバラバラだろう。◆ただ、目の前にある野球を「上手になりたい」「勝ちたい」という単純、純粋な気持ちで一所懸命に白球を追いかける。多くの高校球児にとってそれが将来、大きな大きな財産になるということを彼らはまだ知らない。それがまた素晴らしい。カネでも名誉でも快楽でもない「何か」が分からないままにひたすらに頑張る彼らを見るのが好きだ。◆開会式は素晴らしかった。敦賀気比高校の篠原涼主将は「グラウンドに チームメートの笑顔あり 夢を追いかけ 命輝く」との短歌を織り込み素晴らしい選手宣誓をした。開会式で国家独唱を高校生がするとは知らなかったが帝京大高校の足立歌音さんの「君が代」はとても素晴らしかった。一つ残念だったのは整列してこれらのセレモニーを見る選手たちの態度。帽子に手をやる者、顔を掻くもの、空を眺める者、とにかく直立不動「気をつけ」ができない。指導者は野球技術の向上とともに式典での態度をもう少し厳しく教えてあげて欲しかった。と言っても、現代の子供たちにそれを求めるのは無理なのかもしれない。自衛隊の式典と比較してしまったこちらが悪いのか・・・?◆いずれにしろ恐らくこれまでは全く興味がなかった「開会式」のテレビ中継を今年はゆっくりと楽しんで観ることができた。「オレも歳とったな」と思った。コーヒーを飲んでいたのだけれど、いつの間にかお茶に替わっていた。◆頑張れ!高校球児たち。
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◎2015年03月20日 ---- ボス ◎
- 罪と罰
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昨年9月、ラーメン店の客が他の客をイスから引き倒し、顔や腹を数回踏みつけて死亡させた事件があった。この男は犯行の後に席に戻りラーメンを食べ終えて店を出た、と当時のマスコミが伝えていた。残忍、凶暴で自分勝手な犯行。犯人は38歳というが、恐らく若いころからいろいろと事件を繰り返していたのではないだろうか。◆昨日、東京地裁はこの男に懲役7年の判決を言い渡した。ちなみに求刑は懲役10年であった。◆「短い!」「軽い!」「甘い!」と思う者は私だけではなかろう。なにに腹が立ったのか知らないがたまたまラーメン屋で隣に座った男を殺しておいてその後ゆっくりラーメンを食べるような異常な男。芯から腐った男。こんな男がたった7年で娑婆に戻ってくるのだ。いや、まじめを装って模範囚として過ごせばおそらくは6年以内に戻ってくるのである。6年後はまだ44歳。日本の、バカが付くほど優しい優しい裁判所はたった6年間の刑務所暮らしでこの男が更生すると信じているようだ。◆「確率」で物事を考える癖のついている経営者からすればこんな判決は「とんでもないこと!」だ。44歳で娑婆に戻った彼は恐らくまた誰かに迷惑をかけるに決まっている。人を殺したあとにラーメンを食えるような男がたった6年間の刑務所暮らしで反省し更生するなどと期待するほうも異常だ。◆平和な我が国は「罪」に対して「罰」が軽すぎる、と常々思っている。罪を犯しておいて捕まったら「運が悪かった」となる。罰が軽いから反省などしない。また同じ犯罪を繰り返す。「駐車違反」などはその典型的な例。とにかく「罰」が軽い。これでは犯罪は減らない。犯罪が減らないということは悲しい被害者が増えるということ。「駐車違反」を繰り返すのを看過することはできても凶暴な殺人者をたかだか6年で出てこられるような制度はとてもとても許せるものではない。
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◎2015年03月19日 ---- ボス ◎
- 宮益坂のセピア閉店
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ジャズばかり聞いているがカントリーミュージックも好き。昨年、出張で訪れたナッシュビルでは生演奏をやっているカントリー&ウェスタンバーを連日ハシゴした。至福の夜。これまでの出張、旅行の中でも最もエキサイティングな思い出の一つである。◆ジャズに関してもただ好きなだけで詳しくはない。カントリーミュージックは全くの無知。無知だけど大好きだから時々、生演奏を聴きながら飲んでいた。◆昔は東京にもカントリーのライブハウスが多かった。新宿の「ウィッシュボン」や「リバティーベル」ではいつ行っても陽気なカントリー生演奏を聴くことができた。ジャズはCDで聴いても楽しむことはできるがカントリー&ウェスタンはなぜか生演奏でなければ楽しくない。ジャズのCDは数百枚所有しているがカントリーはわずか3枚しか持っていない。やはりカントリーはみんなと一緒にノリノリで聴くのが魅力だ。◆アメリカのナッシュビルから帰ってきて久しぶりに銀座のカントリーライブハウス『ナッシュビル』を訪ねてみたら数か月前に店を閉じていた。残念!『ウィッシュボン』も『リバティーベル』も既にもうない。私にとって気軽にカントリーミュージックを楽しめる店は渋谷宮益坂の『セピア』しかなくなった。ここで時々、友人が演奏している。先日誘われて久しぶりに行って来た。店は満員。席を確保できなかった客は立って飲んでいた。『セピア』だけは元気だ、と思ったら違った。なんとその日が『セピア』の最終日。閉店することにした、とオーナー(マスター)から聞いた。また一つ東京から魅力的なカントリーミュージックラウンジが消えた。◆『セピア』最後のステージを飾ったのは青山学院大学OBのカントリーバンド『ブルー・マウンテン・ボーイズ』のブルーグラスだった。楽しい楽しい、そして寂しい夜だった。
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◎2015年03月18日 ---- ボス ◎
- 一所懸命
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安(あん)クンが我が社に入って丸3年が経った。韓国人の安クンは祖国の徴兵義務期間のあとも軍に残り、優秀な幹部候補生であったが、思うところあって除隊。二十歳代半ばで単身大阪へ渡って来た。大阪の大学を卒業し、その後、縁あって我が社へ来た。たまに大阪弁が混ざることはあるが、その辺の若者よりもよほど美しい日本語をしゃべる。報告文書も上手に作成する。◆その安クンが「社長、社長のブログの中に漢字の間違いを見つけました」と言う。「あっ、そう?なるべく注意してるんだけどね、変換ミスがあるんだよね、ときどき。で、どこ間違えてた?」と聞き返した。すると安クンは「『いっしょうけんめい』という言葉、『生まれる』という字を使うべきところを社長は『所(ところ)』という字を書いていましたよ」と言う。私は嬉しくなった。そこまで彼は注意して私のこのブログを読んでくれているのか、と。◆『一所懸命』で間違いないんだよ、『一生懸命』は間違いだったのだけどあまりにも間違う人が多いので今ではその間違った使われ方『一生懸命』の方が一般的になってしまったんだよ、と教えてあげた。◆安クンはずっと一所懸命に生きてきた。私も一所懸命に生きてきた自信がある。安クンが間違いと指摘した言葉が『一所懸命』であったことが実に嬉しかった。◆今の日本はとても平和だ。裕福だ。だが回りを見るとほとんどの人が一所懸命に生きているようには私には思えない。なにかを一所懸命にやっているように見えない。「一所懸命」ではなく「手抜き」する人が私の回りにも多い。「手抜き」に接するたびに不愉快になる。もちろん「すべての事柄に対し手抜きをするな」とは言わないがせめて自分の本分だけは手抜きして欲しくない。『一所懸命』にやって欲しい。
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