‘ボス’ の記事一覧

2014年11月04日 ---- ボス

尊厳死

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脳の悪性腫瘍で余命宣告を受け、尊厳死を選ぶと宣言していた米国人女性が、予告通りに死亡した。すでにテレビ、ラジオでも識者と呼ばれる方々が賛否双方の意見を語っている。今後この議論が活発になるのだろう。活発になってほしい。◆長嶋監督のような楽観主義者にあこがれながらも私は野村監督によく似た悲観主義者である。残念である。ポジティブ思考の素晴らしさを解説する書籍は多く、私も随分と読んだ。挑戦した。結果は「思考方法などは短時間の努力で変えられるものではない」ということを悟っただけ。私は楽観主義者になることを諦め、自分のネガティブ思考の良さを伸ばすことにした。経営にもネガティブ思考を用いている。ネチネチ言う野村監督みたいになることだけは避けようと心掛けてはいるつもりではあるが・・・。◆話を尊厳死に戻す。悲観的な私は時々自分の最期を想像する。悲惨な最期だけは避けたい。難病ALSと今懸命に闘っている方々には失礼な言い方になってしまうかもしれないが許して欲しい。私が重度のALSになった状態を想像する。視力と聴力はあるが体は全く動かない。朝が来ると目が覚める。天井を眺めるだけ。ラジオの音は聞こえてもチャンネルを変えることすらできない。そんな生活に私は耐えられない。しかし「もう耐えられない。頼むから殺してくれ」と言いたくても言えないのだ。ああ、私は耐えられない。まだ私が20歳で「医学が進歩しているので1か月我慢すれば元気になる」というのなら我慢はしよう。だが私は50歳代後半だ。天井を眺め続けるだけの人生は拷問と同じ。その先にあるのが死であるのなら早く死なせていただきたい。◆希望がなくなった私が苦痛を避け、人間としてのまともな思考ができるうちに「ありがとう」と回りに感謝しながら死んでいけるのであれば私はそれを強く望む。◆「父さんが重度のALSになったら頼むからなんとか早く安らかに死なせてくれよな」と息子に頼んでみた。「いやだよ。オレ、殺人者になりたくないよ。」と冷たい返事が返ってきた。日本ではどんなに強くこちらが願っても「殺人」になってしまうようだ。米国オレゴン州なら「尊厳死」、日本で同じことをしたら「殺人死」。◆難しい。

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2014年10月27日 ---- ボス

ぶれない総理

boss-1

昨日(26日・日曜日)招かれて茨城県の航空自衛隊百里基地で行われた航空観閲式に列席した。◆文章では十分に表現できないほどの見事な航空ショーがこれでもかとばかりに続いた。それはそれは素晴らしいショーであった。なかでもブルーインパルスの華麗な飛行は会場にいたすべての人を魅了した。テレビや映画で見るのとは迫力が違う。感動した。◆「観閲式」である。観閲官は内閣総理大臣の安倍晋三氏である。自衛隊の創設60年を祝う式典も兼ねていたこの観閲式で安倍総理はブルーインパルスの飛行にも負けないほどの見事な訓示をした。◆蛮国北朝鮮のみならず中国・韓国ともややこしい関係にあるこの時期、これらの国を不要に挑発することは避け、それでいても自衛隊員の士気を十分に鼓舞するものであった。◆私は(例えば、女性議員の閣僚登用問題など)些細なことでは安倍総理の行動を厳しく非難してきた。だが総理として最も大切な、「国の方向を決める」ことに関する姿勢は常に尊敬している。彼はぶれないのだ。信念がある。国のリーダーが国の方向を舵取りするのに右顧左眄されたのでは国民がたまらない。◆私利私欲を捨て、本当に国民の幸せを願う立派な人を我々はリーダーとして抱えている。◆予定通り来年10月に消費税率が10%にアップされるのかどうか間もなく結論が出る。どちらにしたところで反対者は「ほら失敗したじゃないか」と言うに決まっている。どちらにしても「これで良かった」と言うものはいない。いずれの結論を出しても「失敗だ」と言われるのに、少しでも良い方の結論を下さなければならない総理を可愛そうにすら思う。◆本当に、ぶれずに国民の幸せを思い続けているであろう安倍総理の決断に私は素直に従おうと思っている。◆なぜか、とても素直な優しい心持で週明けを迎えた。今夜から今週末まではタイで行われる実験に立ち会うための出張。なんと今年7回目の海外である。

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2014年10月24日 ---- ボス

朋遠方より来たる有り、亦楽し からずや

boss-4

我が社の社賓として招いたジェリー(前エンストロム社社長)夫妻と昨日箱根でゴルフを楽しんだ。あいにくの雨模様であったが二人ともとても楽しんでくれた。喜んでくれた。夕方、小田原駅まで見送り「来年春、ダラスで再会」を約束し別れた。今日、明日と当社女性スタッフの案内で京都観光を楽しんでもらう。私にとってまさに「朋遠方より来たる有り、また楽しからずや」といった心境であった。仕事も人生も多くの友人に支えられ、また彼らを大切にして生きてきた。間違いではなかったとつくづく思う。

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2014年10月24日 ---- ボス

マタハラ

boss-5

マタニティーハラスメント(通称マタハラ)という言葉を知ったのはつい最近だ。ハラスメントはともかく中小企業の経営者にとって大変な問題になっていることは知っていた。「出産を機に退職を促したらいろいろとやっかいな問題になった」と嘆く経営者を何人も見てきた。「専門職や総合職の女性職員に対してならまだ分かる。一般職の職員に退職を促すくらいは許されるべきだ。」との主張もよく聞く。最も多いのが「一般職職員の長期休暇取得を義務化するのならそれを公が補填する制度を先に作るべきだった」という意見。私もそう思う。一般職職員の長期休暇を保証するには中小企業にとっては莫大な費用がかかる。これこそまさに逆進性。大企業にとっては大した負担にならなくても会社規模が小さくなるほど負担は増える。◆我が社には子育ての最も忙しい時期を終えパート或いは契約社員として働いてくれている優秀な女性スタッフが二人いる。二人ともアタマは良いし気が利く。仕事ができる。社員全員からの信頼も厚い。やがて正社員になるかもしれない。彼女らは恐らく出産前もどこかの企業で働いていたのだろう。そのときにマタハラがあったかどうかは聞けないが、辞めなくて済むのなら辞めたくなかったのではなかろうか。◆私は、8歳で父を亡くすまでは小学校から帰宅すると母が「お帰り」と笑顔で迎えてくれていた。父を亡くし、母が勤め出し、その後は我が家から笑顔と笑い声がしばらく途絶えた。子供にとって母親は大切。父親よりもよほど大切。◆我が家も、家人は出産を機に会社を辞めた。出産後はパートをしながらも幼稚園や小学校から帰ってくる子供たちを「お帰り」と笑顔で迎えた。子供たちが幼いころは経済的にも苦しくどこにも連れて行くことはできなかったが我が家には母親(家人)を中心とする笑顔と笑い声があった。◆「マタハラだ!」と叱られるのが恐ろしいが、なんとか経済的にやりくりできるのなら母親は子供が小さい頃はなるべく子どもと一緒に居てあげて欲しい。小さければ小さいほど。◆最近は普段は子育てをテレビと「学童保育」に任せ、「学童保育」にいろいろと注文を付け、夏休みと正月は子供を連れてハワイに遊びに行くような家庭が増えている。私も一家族知っている。おかしくないか?おかしい。◆政府は「男女雇用機会均等法」でなんでも「男と女は一緒」にしたがるが「男と女は別」なのである。マタハラ禁止を厳しく指導するのも良いがそれ以上に「子育て中女性のパート雇用促進」だとか「子育て中パート女性の賃金アップ」に注力すべきだと思う。それによって安心して子作り・子育てができるようになると思うのだが・・。◆誤解されたくないので最後に確認しておくが私が言いたいのは「マタハラ容認」ではなく「出産および子育てに専念したパート主婦の雇用促進・賃金保障による社会の安定。さらには子育て後女性の雇用促進が急務」ということである。

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2014年10月22日 ---- ボス

類は友を呼ぶ

boss-4

米国のヘリコプター部品メーカー「ヘリダイン社」の社長から「エンストロムヘリコプター社」の社長になり、この春、同社を勇退されたジェリーさんご夫妻と昨夜は11時過ぎまで楽しく歓談した。ジェリーさんと私の絆に関しては昨日、この欄でお話しした。明日はご夫妻と箱根でゴルフの予定だ。天候が気になるが楽しい時間が過ごせることは間違いない。◆昨日、当社にいたT課長とヘリダインにいた開発責任者Gの裏切りにより、我が社とヘリダイン社は大きな損失を被ったことを書いた。TとGは未だに元気に一緒に働いているようだ。◆TとGが我々を裏切る直前まで、当社にとってやっかいな、タチの悪い客がいた。某県の消防防災ヘリコプターの整備の責任者Nである。Nは当社に見積もりを依頼してくるときに必ず10万円程度、価格を多めに記入することを求めてきた。自分で高い見積もりを承認し、実際に10万円高く購入したあと、その10万円分を自分個人にキックバックしろと言う。私は拒否した。Tは「Nは汚い。汚いけどヤツは力はある。キックバックが条件でも受注したい」と言っていた。TにとってもNは「ずるい男、困った存在」であるようだった。◆面白いのはTとGが結託して、インチキ臭い新会社を作り「エアロファシリティーから分社しました・・。」などと詐欺まがいの営業をしているさ中、そのこずるいキックバック要求男Nも彼らの仲間となったこと。今はTとGとN3人がそれぞれの責任者となってインチキ会社を切り盛りしているようだ。まさに「類は友を呼ぶ」◆Tの後任のE君はTに煮え湯を飲まされたあとも懸命に、真摯に営業活動を続けた。エンストロムヘリコプターの担当責任者となった当社の常務Hさんも決して曲がったことはしない。ジェリーさん、H常務、E君、私・・・・・「人様から後ろ指を指されるようなことは決してしない」私たちも「類が呼んだ友」なのだろう。◆詐欺男Tに関する話題はこれでおしまいにする。

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2014年10月21日 ---- ボス

塞翁が馬?

boss-4

日本の警察や防災ヘリコプター用に、当社がカネを出し米国の「ヘリダイン社」に開発を依頼した製品があった。「ヘリダイン社」では順調に開発が進み、日本では当社が翌年度の受注に向けて警察や消防に案内を続けていた。かなりの受注が予想された。◆世界有数のヘリコプター部品メーカーである「ヘリダイン社」の製品価格は、我々の予想よりも高額であった。それでも私は「ヘリダイン社」の信頼度を買った。1台あたりの利幅は少なくても安全な製品が多く売れれば良いと思っていた。◆そんなある日、当社の「ヘリダイン社」担当のT課長が突然辞めた。あとで分かったのだが時を同じくして「ヘリダイン社」の開発責任者Gも「ヘリダイン社」を辞めていた。TとGは結託して新会社を作っていたのだ。「ヘリダイン社」と「エアロファシリティー」を通さないのだから彼らの利ザヤは大きい。そして日本の顧客には「エアロファシリティーから分社しました。ヘリポートに関してはエアロファシリティーを引き続きよろしく・・」などと案内していた。当社と「ヘリダイン社」で高額を負担し開発した商品を二人にまんまと盗まれてしまったのだ。10年以上前の話である。◆当時の「ヘリダイン」の社長がジェリーさんだった。私とジェリーさんはTとGの犯罪行為を心から憎んだ。一時は刑事訴訟も考えたが結局は事を大きくしなかった。Tは後任のE君に対し「日本で1台売れたら○○○万円エアロファシリティーに払うから」と伝えていたようが、もともと詐欺師のようなTはその約束を守るはずもなかった。10年経った今もTは堂々とその商品をGと一緒に売り歩いている。悔しい。腹が立つ。◆「塞翁が馬」というのであろうか、悪いことばかりではなかった。その事件の2年後、ジェリーさんが米国のヘリコプター製造会社「エンストロム社」に社長として迎えられた。その「エンストロムヘリコプター」は当時、日本に代理店がなかった。ジェリーさんが私に声をかけてきた。「キノシタサン、エンストロムの代理店になってくれませんか?」と。◆Tに煮え湯を飲まされた後任のE君と私、それに常務のHさんとで自衛隊に向けて懸命にエンストロムヘリコプターをアピールした。3年後、努力が実った。陸上自衛隊の練習用ヘリコプターとして30機を受注したのだ。まもなく、来年2月には30機の納入を完了する。30機の納入に5年間かかった。◆今年の春、ジェリーさんはエンストロム社社長を勇退した。あのTとGの裏切りが結果的に私とジェリーさんの絆を深め、双方の会社の売り上げ増に大きく貢献することとなったのだ。そのジェリーさんが奥様を連れて本日来日する。私からのプレゼントだ。社賓として招き、ご夫妻に東京・箱根・京都を楽しんでもらう。明後日は私と夫妻とで箱根でゴルフである。楽しくて、嬉しくてたまらない。◆「義理・道徳」を重んじ、人様に後ろ指をさされるようなことだけはせずに生きてきたつもりだ。良かった。

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2014年10月20日 ---- ボス

マスコミはなぜ小渕優子にそんなに優しい?

boss-2

8月19日、私はこの欄で女性登用の数値目標を掲げた安倍総理のことを「算数が苦手な我が国のリーダー」とこき下ろした。「男も女もなく、能力のあるものを適材適所に配置すべきで男女比の数値目標などを決めるのは愚か」ということを言った。あれから2か月、無理して女性閣僚を採用した安倍内閣は小渕優子経済産業大臣、松島みどり法務大臣という二人のアホ大臣問題で大騒動だ。おそらく小渕経産大臣はもうすぐ辞任することになるのだろう。これもすべて安倍総理の思いつきの、女性に媚を売る「女性重用(ちょうよう)数値目標」政策の結果だ。◆最も可愛そうなのが世間で実力があり頑張っている女性たちだろう。安倍総理の妙な数値目標のおかげで実力もないのに閣僚になった二人のせいで「やっぱりオンナはダメだな」などとこれまたアホな意見を言う腹の出たオッサンが増えた。いずれにしろ「男女差なく、優秀な人をそれなりのポストに配置」というまともな企業ならどこでもやっている普通のことをすればいいだけの話なのだ。◆少し話題は変わるが、それにしても分からないのがマスコミをはじめとする世間の風向き。なぜそんなに小渕優子に優しい? 美人だからなのか? 男の議員が「それは秘書がやっていたので私は詳しいことは分からない」などと答弁すると「秘書のせいにするのか!」「カネの流れを議員が直接知らないわけがないじゃないか!」などとそれはそれは厳しく騒いでいたのに小渕優子議員に関してだけは同情的。今朝、あるテレビでは「お父さんの時代の取り巻きをそのまま残してしまったので小渕優子さんは知らなかったのでしょうね」などとこれまたふざけた発言をアホ面のコメンテーターがしていた。◆総理も議員もテレビコメンテーターもバカばっかり。情けない気持ちで週明けを迎えた。

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2014年10月17日 ---- ボス

恥を知れ! 新聞。

boss-2

日本新聞協会は「新聞への消費税軽減税率適用」を訴えている。(http://www.pressnet.or.jp/keigen/)・・情けない!! 恥ずかしくないのか!! 全く腹が立つ。◆私は食料品であろうが交通費だろうが、すべての消費・サービスには同率の消費税をかけるべきだと信じている。消費税の「逆進性」を訴える方も多いが、逆進性に対応するならば全国民に同額の給付をすればいい。いずれにしろ軽減税率などを導入し「キャビアは軽減税率対象の食料品か?」などとふざけた議論を起こしてはならない。一部商品に軽減税率を設けるなど決してあってはならない。◆全国民が高校で学ぶ統計学を理解するだけの知力を有していれば決して誰も「軽減税率」を求めたりしないはずだ。理論でなく感情でものを見るから「軽減税率」などとの発想が生まれる。政治家は本来「軽減税率の無意味」を訴えるべきなのに、「軽減税率の無意味」を知っているくせに「票」や「カネ」に繋がるとみるや「軽減税率導入」を訴える輩がいる。そんな政治家を私は信用しない。◆少なくとも新聞は、「一部商品に軽減税率を!」という意見と、私のように「軽減税率など設けてはならない」という意見を平等に扱うべきだろう。◆常日頃貶しあっている朝日と産経が「新聞への軽減税率適用」に関してのみ歩調をそろえている。みっともない。いがみあう自民党と民主党が議員歳費の増額がテーマになるとその時だけ仲良くなる、そんなことがあってはならない。それを監視するのが新聞。世間の非常識を監視することも新聞の重要な意義だと思うがやはり「カネ」の前には新聞も「恥知らず」になるのだと呆れている。◆このような主張をする新聞を購読することを私は止めようと思っている。

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2014年10月17日 ---- ボス

英数国理社<体育・音楽・図工

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小学生・中学生の頃の通知表(通信簿)は相対評価であった。小学校は5段階評価で各教科、クラスの7%以下を目安に最高点の「5」がついた。自慢話になるが私は「オール5」を小学生時代に2回もらったことがある。5年生と6年生の2学期だった。◆中学生になると10段階評価になった。最高点の「10」は2%、「9」が5%である。つまり5段階評価の最高点「5」が細分化され「9」か「10」になるのだ。クラス単位ではなく学年単位での相対評価になった。私の頃は一学年280人であったから「10」をもらえるのは各学年各学科5人であった。さすがに「オール10」を取る者はいなかった。私はかなり「オール10」に近づいたことが何度かあった。◆さらに自慢話。私は中学2年生までは体育も美術も音楽もほとんど「10」を取っていた。ただなにかしら取りこぼしがあり「オール10」は一度もない。◆中学3年生から徐々に「10」の数が減り始める。それでも地元の高校では1年生まではトップクラスの成績だった。2年生になりわけあって急降下。3年生以降は普通の人になってしまった。残念。◆(おかしいな?)今日は私の自慢話をしたくて書き始めたわけではない。主要5教科(英・数・国・理・社)と他の教科(体育・音楽・美術)について書きたかった。大学までは主要5教科の成績によって決まる。私立大学では難関と言われるところでも2教科試験や3教科試験もある。芸大や体育大でない限り(体育・音楽・美術)の成績は大学進学に関係ない。◆やっと本題に入る。「社会人として重要な、高校時代の教科はなにか。」敢えて順序をつけるとする。特に専門的な知識が必要な部署でない場合、私は国語・体育・美術・音楽・英語・社会・数学・理科の順のように思う。うーん、難しい。◆ただ、ただ、言いたいことは少なくとも大学受験時の(英・数・国・理・社)よりも(体育・音楽・美術)の成績の方が社会人としての成績評価に直結しているように感じているということ。子供の頃から塾に通い詰め込み教育で優秀な大学を卒業した者よりも体育・美術・音楽を愛し、素敵な恋をいっぱいしてきた若者の方が社会人としては期待できると思っている。

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2014年10月16日 ---- ボス

コミュニケーション能力

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来月、関西の大学で開かれる学会で講演をすることになっている。これから発表内容をまとめるのに少し忙しくなる。先日その学会の運営事務局のN氏からメールが届いた。「この度は本学会の招待講演でのご講演をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。」と始まる。とても丁寧な文章で会場の説明などが書かれていた。ところがある文に引っかかった。「(中略)・・CVをお送りただきたく、お願い申し上げます。」という。・・・・CVってなんだっけ?◆yahooで調べてみた。「CV」で示される言葉は意外と多い。その中に「curriculum vitae」というフランス語を見つけた。「ああ、きっとこれだ」私は安心した。と同時に少し腹が立った。なぜ「履歴」とか「略歴」などと日本語で書かない?彼は「CV」と言う言葉が日本語として一般的に通用すると思っているのだろうか?◆どの世界にもいる。自分の知っていることはみんなが知っていると思っている人。ヘリコプター業界のような特殊世界には特に多い。整備士や操縦士なら誰でも知っている言葉だから世間の人も当然知っているだろうと思ってしまうのか。このような、相手の立場になって、相手と同じ言葉で話すことのできない人は研究者には向いているかもしれないがおよそ営業マンとしては使えない。もっと言うと人としても決して魅力的な人ではない。◆「学者」と呼ばれる人たちの間ではこの「CV」という言葉は常識なのだろうか? ひょっとしたらN氏は私を「学者」と勘違いし、学者なら「CV]の方が理解してもらえると思ってそう表記したのだろうか。いやいやそうではあるまい。ただの配慮不足だと私は感じている。かわいそうだが「コミュニケーション能力の欠如した人間」だと私はみた。◆我が社の社員の中にはこのような配慮に欠ける言葉使いをする者がいないことを願っている。

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2014年10月15日 ---- ボス

「旨いラーメンは売れる」ではない!

boss-5

「安くて美味いラーメン屋なら行列ができるほど繁盛する」と思っている者が多い。そんなことはない。安くて美味いラーメン屋が潰れたのを幾つも見てきた。◆私は会社経営をラーメン屋に置き換えて説明することが多い。「安くて美味いのだから売れるはず」なんていうのが一番ダメ。まずは謙虚に。◆「安くて美味く」てもそれをきちんと伝えなければ客は来ない。そこで広告があり宣伝がある。ラーメン屋なら口コミが一番。とにかく「あそこに安くて美味いラーメン屋がある」と多くの方に知ってもらわなければならない。◆毎日行列ができていた「安くて美味いラーメン屋」が潰れるのは店主が病気になったり事故にあったりした場合だ。きちんとレシピを信頼できる者に伝えておかねばならない。多くのラーメン屋は店主一人が秘伝のレシピを知っているワンマン経営。コストがかからず利益は大きい。しかし事故や病気でその味は提供できなくなる。そうなるとアルバイト店員は職を失い、楽しみに店を訪ねた客たちは閉店の知らせにがっかりする。「リスクヘッジ」の意味からも「お客様への誠意」からもレシピの共有は大切なこと。一人ですべてを賄うなんてとんでもないこと。◆会社でも「的確な広告宣伝」が大切。「情報の共有」が大切。そしてそれら以上になによりも大切なのがやはり「おいしいラーメン」、つまり「顧客が喜んでくれる商品の開発・販売」である。◆何度も何度も、部下たちに話してきて口が酸っぱくなってきた。

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2014年10月14日 ---- ボス

台風一過なのにカミナリ

boss-5

先週に続いて週のはじめが台風一過になった。今朝の空は美しい。爽やかな秋の気候を満喫したい。ところが私は先週に続きまた今朝も会議でカミナリを落してしまった。◆我が社では毎週、週明けに会議を開いている。8時半から幹部会、その後9時半から各部会となる。私はこのところ毎週「コミュニケーションの大切さ」「広報活動の大切さ」「情報共有の大切さ」を訴えている。幹部の反応は悪い。「あーあ、また社長の例の話が始まった」という顔をして聞いている者がいる。◆コミュニケーション能力の無さから真意を旨く伝えきれない者もいる。ときどき私はプチンと切れる。カミナリが落ちる。先ほどもある課長の発言とその態度に切れた。彼は本当に一所懸命に頑張っている。頑張っているが表現能力がない。恐らく真意ではない発言だったのだろう。真意を伝えきれなかったのだろう。そう思う。そう思いたい。「相手を不愉快にさせずに自分の意見を通すことが最高のコミュニケーション能力だ」と私は常に言っている。彼はそれができない。とても残念だ。◆それ以上に私が憂えていることがある。彼のその不用意な発言に対し、私以外の誰も反応を示さないこと。「おいおい、それは違うんじゃないの?」と私以外は誰も口にしないのだ。幹部会議はいつも「私 VS 幹部」になってしまう。それでは「幹部会議」ではなく「社長への報告会」じゃないか。◆このままではいつまでたっても「エアロファシリティー株式会社」は「ワンマン社長の会社」「キノシタ商店」と陰口をたたかれかねない。私は強く危機感を抱いている。◆あーあ、また今週もぼやいてしまった。

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2014年10月13日 ---- ボス

台風のプレゼント

boss-b

ひと月先まで土日祝日も、ほぼびっしりとスケジュールは埋まっている。土日の半分はゴルフの予定が入っている。ゴルフのない休日も公私の予定がビッシリ。もともと貧乏性の私はスケジュールが埋まっていない方が不安である。忙しいのは歓迎なのだが怠け者の私は忙しさにかこつけて雑用を後回しにしてしまう。やればできることも「忙しいから」と逃げてしまう。机の上には重要ではないが少し気になる書類が山積みになっていた。◆祝日(体育の日)の今日もゴルフの予定が入っていた。ところが台風19号が接近中。昨夜、急遽、本日のゴルフの中止が決まった。こうなると今日一日がぽっかりと空く。実はたまにあるこのぽっかりと空いた一日が嬉しくもある。◆今日はゴルフがなくなったおかげでゆっくりと朝は6時まで寝ることができた。家庭の雑用を済ませ8時には会社へ来た。誰もいないオフィスはのんびりと自分のペースで仕事ができる。大音量でジャズ(本日はジャネット・サイデル)を聞きながら机の上に溜まった書類に目を通し、名刺を整理し、財布の中の領収書をまとめ、机の回りの整理をしている。悪くない。◆気になっていたことは粗方片付いた。これも台風のおかげ。さあ台風がひどくなる前にゴルフの練習場へ行ってその後は丸ビルにでもウィンドウショッピングに行ってみよう。夕方は暴風雨になるのだろうか。荒れ狂う嵐の音を窓越しに聞きながら安全な部屋で熱燗を飲むのも悪くない。明日の朝は台風一過、爽やかな秋晴れの一日が待っている。◆この台風の猛威に大きな被害を受けた方々が多い。自分だけが安全な場所で台風のもたらしたプレゼントを喜んでいることに申し訳なさも感じている。

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2014年10月10日 ---- ボス

村上春樹さん、残念!

boss-b

ストーリーは全く覚えていないが読み終えたときにそのサラッとした洗練された文章の美しさに感動していたことは覚えている。素晴らしい読後感。私がそれまで知らなかった感覚であった。学生時代「風の歌を聴け」を読んだときのことだ。それ以来、彼の作品はすべて読んできた。◆だが実は私にはこの村上春樹の作品の面白さが分からない。文章が綺麗で、とくに会話文が好き。主人公はドライで都会的。私の回りにはいないタイプの者ばかり。各々の物語の奥や裏に、深い深いテーマや主張があるのかもしれないが私には分からない。面白くないストーリーを魅力ある文章力で読ませてしまう。そんな作家は村上春樹の他にいない。◆だらしない文章でもストーリー展開の面白さで読ませてしまう百田尚樹と対照的。それならば文体も確立しストーリーも面白い宮本輝の方が総合力では上だと私は思うのだが・・。残念ながら宮本輝は駄作も多すぎるのかもしれない。◆村上春樹がなぜ海外でも受けるのかが理解できない。日本語を理解する人間にとってのみ面白い作品だと思うのだが・・。どうしてノーベル文学賞の候補になるのか分からない。◆と、ここまで書いてふと思った。先ほど「面白くないストーリーを魅力ある文章力で読ませてしまう。そんな作家は村上春樹の他にいない。」と書いたがもう一人いたことを思い出した。そうだ、川端康成もそうだった。どうでも良いストーリーをきれいなきれいな表現力で読者を物語の中に引きずり込む。読み終わった瞬間には充足感で満たされる。だけどストーリーは面白くない。映画化されても誰も喜ばない。そしてその川端は日本最初のノーベル文学賞受賞者だった。◆あーあ、村上春樹さんが今年もノーベル賞を受賞できなかったことを残念に思っていることを伝えたいと書き始めたが文章力のない私が書くと、このように彼のことを貶すような文になってしまった。残念! ごめんなさい。

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2014年10月10日 ---- ボス

部下を叱る

boss-5

仕事量が増えてきたので今年六月に近所のビルに分室を開設し、ヘリポート事業部をまるごとそちらへ移動させた。その分、本社には余剰スペースが生まれた。その余剰スペースは来年年初までに新応接会議室として改築される。◆新応接会議室の改築に関してTクンを担当者に指名した。Tクンにこの新応接会議室を最も有効に利用してもらいたい、いずれはこの会議室の主役に育ってもらいたいとの期待もある。◆今朝、そのTクンが私の部屋に入ってきた。「昨日、新応接会議室の改装工事の見積もりが届きました」という。「ほう、いくらなの?」と聞く私にTクンは「○○○万円です」と答える。「えっ?それは高いねえ」と私が言うと「高いですか?」とTクンが答える。「内訳は?」と聞くと「これが内訳書です」と見積書をそのまま出す。こまごまとした数字が並んでいる。私は見積書に目を通すことをせず、Tクンを座らせ、注意を始めた。◆私:「キミはこの改築工事の担当責任者だよ。」 T:「はい」 私:「その見積もり書はいつ届いたの?」 T:「昨日です」 私:「見積書が届いたらそれを見て『高い』とか『安い』とか、ある程度自分の意見を持たなくちゃね。」 T:「はい」 私:「内訳書を吟味し、この部分は削除してもいい、ここは他の業者の方が安いんじゃないだろうか、とかいろいろ考えなくちゃね」 T:「はい」 私:「キミの態度は担当責任者の態度ではなくただのメッセンジャーだよ。担当者なら自分の考え意見を持たなくちゃ」 T:「はい」 私:「今回の場合だったら事前にどの程度の金額が出てくるのかをキミの過去の経験から予想しておく。そして見積もり金額の総額が『高い』と思ったらそれを吟味し、解決策や対処方法を探る。ABC三つくらいの対処案を自分なりに考えてオレに示す。ね?」 T:「はい、以前も注意されました」 私:「『担当者としてABCの三つの解決方法を考えましたが私としてはAが一番良いと思うのですが。なぜなら・・・』っていうような報告を聞きたいのですよ。別に書面にする必要なんてない。『担当者の意識、担当者の意欲、担当者としての責任』が欲しいんだよ。」◆Tクンは「すみません」と頭を下げ私の部屋を出て行った。◆当社の職員はみんな具体的に指示されたことは一所懸命にやる。「明日までにこれをやって」と上司からお願いされれば徹夜してでもこなす。ところが具体的な指示をしなければみんなメッセンジャーになってしまう。「おいおい、それじゃあ高校生のアルバイトでもできますよ」と部下を注意することが多い。◆ときどき開いている異業種交流会で社長さんたちが「指示待ち症候群」という言葉を使っていた。とにかく今の若者は頭が良くてもこの「指示待ち症候群」が多いという。うちの会社にも「指示待ち症候群」が広まりつつある。うまいワクチンがないものかとこちらは本気で探している。夜も眠れないくらいに。

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2014年10月03日 ---- ボス

浮いた!飛んだ!

boss-1

スイスから嬉しい情報が届いた。待ちに待った報せがようやく来た。◆我が社が日本で唯一の輸入代理店になることが決まっている開発中のヘリコプター「マレンコ SKYe SH09」がやっと浮いた。ほんの少しだが飛んだ。

さあこれからは飛行実験を繰り返し、安全性の確認テストになる。日本1号機が入ってくるのは2年後か3年後か。我々は販売代理店として着実に準備を進める。これからはこの新型機の広告宣伝活動が忙しくなる。

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2014年10月03日 ---- ボス

激怒 そして 新しいアイデア

boss-1

「年のせいでしょうかねえ、穏やかになりましたね、社長。最近は大声で怒鳴ることもなくなりましたねえ」と言われていた。自分でもそう思っていた。会社が大きくなり少し安定してきたこともあるがそれよりも部下たち各々が成長してくれたおかげと思っていた。ところが・・・。◆昨日、爆発した。御嶽山ではない。私が爆発した。ブチ切れた。どいつもこいつも・・・。◆我が社は技術を売る会社。知恵と気配りを売る会社。ところが・・・。自分の会社の持っている特許技術を誰も理解していない。特徴も長所も使い方も知らない。せっかく素晴らしい技術と製品があるのにそれを使おうとせず、アタマの悪い、小学生でも思いつくようなことをお客様に提案しようとしていた。情けない。◆「もう一度、事業部全員で勉強会をしろ!」と久しぶりに大声を出した。大声で怒鳴ったが、それでも収まらずカリカリしていた。なんとか気持ちを落ち着けようと思い大音響でレコードを聞かせる行きつけのジャズ喫茶に行った。いろんなことを考えていた。怒りは少しずつ収まってきた。◆問題となった工法のことを考えていると、また違ったアイデアが浮かんできた。うん、これは使えるかもしれない。面白い。当社8つ目の特許になるか。

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2014年10月02日 ---- ボス

人生を豊かにする3つの道具

boss-3

若い人と話すことが多い。息子や娘の友人であったり、バーのボーイであったり、或いは当社の門を叩いてくる学生だったり。若い人と話すのは楽しい。◆「みんな夢を持っている」と書くとウソになる。私もそうだったが「若い」からといって、みんなが夢を持っているわけではない。大した夢のない、現実的な若者のほうがはるかに多い。夢と言ってもささやかな「優しいキレイな女性を嫁にしたい」程度のヤツが多い。そのことをダメだとは言わない。「夢を抱けよ」とは言わない。「夢を抱けよ」とは言わないが「希望を失うな」とは言いたい。◆若い人と話すと自分の若かった頃を思い出す。「あのころは楽しかったなあ」との思い出が幾つも湧いてくる。「思い出の多い人生が幸せな人生」と信じて生きてきた。そのことに関しては近々また述べることにしよう。◆さて、今日の話題は「若いころに覚えておくと人生を豊かにする3つの道具(技術)」について。私は第1に「英会話」、第2に「自動車の運転」、そして第3に「ゴルフ」をあげる。この3つを若い人には強く勧めている。◆間違いなく私の人生は「自動車の運転」と「ゴルフ」によって交際範囲と活動範囲が広まり、幸せの度合いが深まった。そして同時に「ああ、若いころにもう少し英会話を頑張って習得しておけばもっと幸せな人生だったろうな」と思い後悔している。◆シカゴ~ナッシュビル~サンフランシスコと回った今年3回目の米国出張から戻ってきた。今回も「英会話」で苦しむ旅となった。◆あなたが思う「人生を豊かにする3つの道具」はなんですか?

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2014年10月01日 ---- ボス

幸せ

boss-4

かつて私の部下に小椋さんというキレイで優しくとても仕事のできる女性がいた。その当時、隣のヘリコプター会社に田内君というこれまた優しく真面目な男がいた。田内君はヘリの整備士だった。そしてその二人が結婚した。十数年前のことだ。◆姓が田内に変わった小椋さんは子供ができ私の会社を去ったがこの夫妻とはその後も時々連絡を取っていた。田内君は整備士を辞め、別の仕事を始めていた。若い彼には怖いものがなかった。小椋さんは笑顔で彼を見守り応援していた。だが残念ながら彼の仕事は順調とは言えないようだった。たまに会うと暗い顔をしていた。いや、彼が明るい作り笑顔をしているのが私には読めた。◆2年前、「うちで働かないか」と声をかけた。彼は「働かせてください」と頭を下げた。もともとのヘリコプター整備士の知識を生かして当社で働く彼に笑顔が戻ってきた。10年近く遠回りをしたのだから一人前になるにはまだ少々時間がかかりそうだが間違いなく誰よりも頑張っている。その彼に昨日エレベータの中でくだらない質問をした。◆「オマエ、人生でいつ頃が一番幸せだった?」と私が聞くと彼は躊躇なく「私は今が一番幸せだと感じています」と返してきた。「へえ、そうなの。いいねえ。」とさりげなく答えたのだが、実は部下のこういう返事を聞いて私は、とても、とても、とても嬉しかった。◆ふと田舎で一人暮らす母を思い出した。もう十数年前のことだ。なにを話していたのか覚えていないが「私はとても幸せよ」と母が笑顔で言った。あのときも、とても、とても、とても嬉しかった。◆だが残念ながら80歳を超え痴呆の初期症状があらわれている今の母はとても「幸せ」ではなさそうだ。悲しい。

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2014年09月30日 ---- ボス

海賊とよばれた男

boss-b

遅ればせながら昨年の本屋大賞『海賊とよばれた男』(百田尚樹)を読んだ。面白い。さすが本屋大賞受賞作。相変わらず百田の文章はプロの物書きとしては冗長でだらしないのだがストーリーテラーとしては天才的。読み手をぐいぐいと物語の中へ引き込む。緻密綿密な取材によって出光興産の創始者出光佐三(主人公:国岡鐵造)の、熱い男としての生きざまを生き生きと伝えてくれる。◆縁ある人に応援され、若くして起業し、幾つもの苦難にぶつかり、それらを必死に乗り越えようとし、もうダメかと思ったその都度また誰かに助けられる。私にはまさに自分のことのように鐵造の思いが伝わってきた。思いが伝わるというよりも私が体験したかつての同じような状況を思い出していた。◆鐵造の息子昭一は都立一校に学んでいたが志望する大学に入ることができず二浪してしまう。『鐵造は、半分は自分のせいだと思った。・・ただひたすら国岡商店を立て直すため、店員たちを食わせるためだけに死に物狂いで奔走した日々だった。家族に目を向ける余裕はなかったし、家で寝ていてもうなされることはしょっちゅうだった。そんな父を目の当たりにしている息子に、勉学に身を入れろと言うほうが難しい』・・・・・私は読みながら「ああ、これもオレと全くおんなじだ」と、我が息子の二浪が確定した日を思い出していた。◆本筋とはずれるのだがエンターテナー百田が読者に面白いプレゼントをしていることに気付いた人は少ないだろう。映画で時々使われる演出を彼はこの小説でためしている。あの『永遠の0』の主人公「宮部」をちらっと登場させているのである。さてこの『海賊とよばれた男』が映画化されたとき岡田准一クンがちらっと出演するのだろう。◆残念に思うのはこの大変大変面白い小説の題名。なぜ「海賊とよばれた男」などとセンスないタイトルにしたのか私には理解できない。もったいない。

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2014年09月24日 ---- ボス

ナッシュビル

boss-c

米国に入って5日目である。日本で仕事に追われている部下たちには申し訳ないが今回は視察が中心の楽な出張である。「航空医療学会」がナッシュビルで開かれておりそれに参加した。私以外にも10人ほどが日本から参加している。彼らは真剣に、あちこち駆けずり回り、いろんな講習をうけている。◆私は昼間は時差ボケで苦しんでいるが夜になると元気。なんと言ってもナッシュビルは音楽の聖地。ダウンタウンには生演奏をやっている音楽バーが軒を連ねている。そしてどこも入場無料。入店して7ドル程度のビールを頼めば何時間でも聴いていられる。混雑した店では何も頼まずにタダで音楽を聴いて帰るものも多い。◆カントリーウエスタンが多いがブルース専門のバーもあれば派手なロックを大音響で演奏している店もある。◆私は普段から銀座でハシゴしているのでナッシュビルのハシゴも慣れたもの。今夜も生演奏バーを5軒ハシゴした。日本から来た業界の仲間たちも2軒目まで付き合ってくれたが真面目な彼らは明日の講義の準備のために10時過ぎにホテルへ帰って行った。時差ボケで眠れない私は一人で幸せな気分を味わった。◆これまで訪問した米国の都市は30ほどあるがナッシュビルが最も好きな都市になった。

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2014年09月19日 ---- ボス

金比羅山

boss-b

17日(水曜)、香川へ一泊出張だった。当社が施工した、竣工間もない香川大学病院ヘリポートを視察しお世話になった病院関係者への挨拶が目的であった。夕方に高松に入り、当社の工事担当の安(あん)クンと高松で一杯やり翌日の朝9時の飛行機で帰京する予定であった。◆「もったいない。せっかく香川に行くんでしたら是非、こんぴらさんに参って来てくださいよ。素晴らしいですよ。」・・・私の出張の予定を知ったマックスラジアン(株)の小野さんが強く勧めてくれた。私と安クンは急遽、宿を金比羅山の麓に替えた。私は飛行機を午後の便に予約変更し、琴平温泉の安宿で安クンをねぎらいながら楽しい酒を飲んだ。安クンも一緒に金比羅さんを参りたかったが「明日は富山で打ち合わせが入っています」ということだった。◆金比羅さんは予想以上に素晴らしかった。何とも言えない神々しい感じ。「もう一度、ゆっくり来たい」と強く思った。◆かわいそうに、安クンは早朝5時に宿をチェックアウトし、バスで高松空港へ向かっていた。◆私は今夕、山本クンと一緒に米国出張に向かう。帰国は28日。

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2014年09月17日 ---- ボス

出張

boss-4

つい数年前までは出張の前日は準備に追われ大変だった。お客様へ提示する資料を作り、航空券を購入し、レンタカーの予約をした。出張先ではお客様から宿題をいただき帰京後すぐにその宿題をこなした。私が行かなければならなかった。いつも緊張していた。それが私の仕事だった。◆ここ数年で部下たちが大きく成長してくれた。緊張する出張はすべて部下たちが私に代わって引き受けてくれるようになった。私は偉くなったような感じ。私が行かなければならない出張はなくなった。◆どうしても行かなければならない出張がなくなった。緊張する出張がなくなった。最近の出張は情報収集を目的とするものが多くなった。視察や業界の親睦を目的とするもの、あるいは各地で頑張る部下たちを激励しに行くものが多くなった。随分と楽になった。◆今日からしばらく出張が続く。カラダは少ししんどいが緊張もなく準備も楽。私が楽になった分だけ、いやそれ以上に部下たちが緊張する出張を引き受けてくれていることを忘れてはならないな。感謝。

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2014年09月11日 ---- ボス

速い! 怖い!

boss-5

スケジュール表の「12月」のページが埋まり始めた。ついこの間、初詣に行ったような感じなのにもう忘年会の連絡が来ている。時が経つのが速い!怖い!  こんなペースで時が経てば私はすぐにリタイアし、臨終を迎えてしまう。 怖い、・・・けれどもこれはしかたがない。◆少し弱気な私がいる。

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2014年09月09日 ---- ボス

顧客のことを考えないアタマの悪い駐車場経営(羽田空港・国内線)

boss-2

駐車場最大手の「タイムズ21」の西川社長がテレビで語っていた。「街を車で走っていてうちの駐車場の稼働状況をチェックします。そのとき駐車場が満車であることは決して嬉しくなのです。常に2~3台分のスペースが空いており、お客様が『あそこはいつ行っても駐車できる』と思っていただける状況が理想なのです。」というようなことを言っていた。さすがは日本一の会社にするだけの男、と感心した。◆羽田空港の駐車場管理会社はもう少し勉強してほしい。正月やゴールデンウィークが満車状態になるだけなら理解する。最近はウィークデーであってもほぼ毎日「満車」の表示がでている。先日は金曜日午後1時半に行って「120分待ち」との表示が出ていた。◆日本一の空港「羽田空港」のアクセスを担当する会社としてこの状態を「恥ずかしい」とか「申し訳ない」とか思わないのか?全く腹が立つ。これだから「官僚の天下り会社はダメだ」と言われるのだ。天下った人間には「サービス精神」やら「おもてなし精神」やら、あるいは自分が今在籍している会社への「危機感」はないのか? みんなボーっとしているのだろう。「私の力じゃどうしようもありませんからね」と。◆羽田空港の駐車場は一度行列に並んでしまうと抜け出すことができない。出庫する車があって新たに「空き」が生じないことには前にも後ろにも動けない。飛行機に乗り遅れる方々はいったい一日に何人いるのだろう。◆最近になって急になぜこのような「ウィークデーも満車」事態が生じたのか。彼らは原因を分析しているのだろうか。対処しようと考えているのだろうか?きっと「収容台数を増やしましょう」と小学生が考えるような会議をしているのだろう。◆羽田空港の駐車場が常に満車状態になったのには二つの原因があると私は思っている。アタマの悪い経営陣が「これが顧客へのサービスだ」とばかりに自信を持って始めたこと。一つは料金の値下げ。そしてもう一つは「予約」制度。◆駐車場は6フロアのうち2フロアが予約車専用になった。予約は1日単位で行うために使われていないスペースが多く生まれる。事実「予約車専用フロア」には多くの「空き」が目立つ。予約をしたが現れない車もあるだろうし、3日間の予約を2日間で出庫する車もあろう。逆に予約期間を上回っても出さない車もあろう。それらのためにどれだけ多く稼働していない駐車スペースがあるのだろう。◆値下げもサービス、予約制度もサービスと考える元役人。これではビジネスで使う者はいなくなる。◆みんな腹が立っているのに誰も文句を言わない。・・いや、この状態に不満を持っているのはひょっとしたら日本人で私一人なのかな?

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2014年09月08日 ---- ボス

「先に領収書を寄こせ」だって?

boss-2

毎日毎日、山のような書類にハンコを押す。実印・会社印・代表取締役印・銀行印・個人実印・認印・会社名ゴム印など。他にも海外との契約書にはサインが必要。毎日、1時間以上をハンコ押しとサインに費やす。なんとかならないものか。内容を確認もせずにハンコを押すことはできない。とくに実印、代表取締役印、銀行印の三つは担当者に内容を確認することが増える。◆たまにおかしな押印を求められる。「○○建設さんが、手形を送るから先に領収書を寄こせって言うんです」と言って経理担当の職員が領収書を持ってやってきた。「はあぁ?領収書っていうものは『間違いなく受け取りました』っていう証(あかし)でしょ。なんで受け取ってもいないものに領収書が出せるの?おかしいでしょ?」と担当者に言う。すると彼女は「ええ、私もおかしいとは思うのです。ですが○○建設さんは『他の出入り業者にも同じことをお願いして同じようにやってもらっている』というのです。『ウチの会社のやり方が信用ならないというのでしたら手形を取りに来てください』と言われました」と困った顔で答える。・・・「ああ、そうだったね。○○建設には前にも同じこと言われたね。」◆しようがなく私は領収書に代表取締役印を押し収入印紙に消印を押す。スーパーゼネコンの一つ。このやり方でこれまでトラブルはなかったのだろう。それにしてもこの常識に欠ける、自分のところの論理だけで協力会社を無理やり納得させるやり方は「おもてなし精神」が大きくかけていると指摘したい。◆まともな会社からは「書留郵便」で手形が送られてくる。気の利いた会社は手形と一緒に「領収書」と返信用封筒が同封されてくる。私は手形を確認した後にその領収書に代表取締役印を押すだけで良い。◆些細なことだが、非常識な会社はその会社のトップが「おかしいよ」と言い出さなければいつまでも改まらないのだろう。或いはマスコミが「こんな非常識な会社がある」と取り上げなければ・・・。だがきっとトップが知るにも、マスコミが興味を引くにも小さすぎる案件なのだろう。私のイライラはつのるばかり。

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2014年09月02日 ---- ボス

都市の色

boss-b

京都市で新しい景観条例が、昨日(9月1日)から施行された。市内全域で、屋上広告や点滅照明の設置を禁止したほか看板の大きさや色、デザインについて細かな基準が定められた。市民の反応は賛成ばかりではないようだが、私は大賛成。◆観光都市、観光立国を目指すのなら特徴ある街づくりが必要。我が国の、他の街のように個人の自由ばかりが優先されていたのでは街のデザインは無秩序になり、結果どの町も特徴のない雑然としたものになる。各都市でその町の芯となり核となるイメージを作り、デザインの方向を決め、数年をかけてでも特徴ある景観作りを目指すべきだと私は考える。◆イタリアは各都市で大きく景観が異なる。山や川の景観ではなく街路の景観がことなるのだ。各都市にはそれぞれ個別の色があり香りがあるようにすら感じる。各都市は核となるモチーフを持ち、掲げているように感じる。私が感じたのは、ローマは「歴史」、フィレンツェは「朱色」、ミラノは「近未来」、ナポリは「海と火山」、ベニスは「水」。◆ドラえもんの「どこでもドア」に載って降りたところがローマであってもフィレンツェであってもミラノでもナポリでもベニスでも、一度訪れたことがある者ならそこがどの都市であるのかすぐに言い当てることができるだろう。だが日本の都市の町中にいると京都以外はどこも同じ。東京も大阪も名古屋も福岡も札幌も。これで「観光都市を目指している」というなど片腹痛いことだ。◆(※添付写真はフィレンツェの街)

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2014年09月01日 ---- ボス

川嶋信義氏一周忌「偲ぶ会」

boss-3

一昨日の土曜日(8月30日)、私の社会人としての「師」であり個人的にも「恩人」である故川嶋信義氏(元前田建設工業副社長)の一周忌の集まりがあった。かつて彼の部下であった者たちが中心となって35名の多人数が彼の眠る墓を参り、その後「偲ぶ会」となった。故人の奥様もご参加くださった。奥様とお話をした方々が冗談ぽく同じような発言をした。「川嶋さんは、我々部下の面倒を一所懸命にみてくれた。自分のことよりも会社のことや部下のことを心配してくれた。しかしどうも奥様のことをはじめご家庭のことはあまり面倒をみてなかったようだ」と。彼は自分と自分の家族まで犠牲にして我々のようなデキの悪い部下たちを守り励ましてくれていた。◆これだけ多くの部下や同僚に慕われていたことを、彼が倒れて初めて奥様は知ったようだ。手術前には大勢が病院に駆けつけ、自宅療養に移ってからも見舞客は続いた。彼を慕ったのは部下や同僚だけではない。先日、元前田建設工業社長の前田靖冶相談役とお会いしたのだが川嶋さんの話になると「キノシタさん、彼は私の片腕なんてものじゃなかった。亡くなって、まさに私は両腕をもがれたようなものなんですよ」と寂しそうに語っていた。◆多くの者たちが川嶋さんのことを「師」と仰ぎ「恩人」と思う。「両腕」に例える元社長。こんな素晴らしい方を「ご主人」に持った奥様、こんな魅力的な男性を「お父様」に持てたご家族、実はとってもとっても幸せであったことと私は確信している。◆私は「偲ぶ会」では不覚にも涙に襲われ、自分の思いを皆に伝えることができなかった。

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2014年08月27日 ---- ボス

人使いの荒い会社

boss-3

私は大学を卒業すると「土木技術者」として前田建設工業(株)に就職した。東京の都市土木の現場に配属された。仕事はとてもきつかった。苦しかった。忙しかった。「土木技術者」など肩書のみで実際には「作業員」のようであった。鉄筋を結束したり、一輪車でコンクリートを運んだり、スコップで穴を掘ったりした。糞尿まみれになって下水の中を歩いたこともある。夜間作業のある現場を、昼間も夜間も所長として、一人で2か月間も現場監督したこともあった。休みは極端に少なかった。まだそんなことが許される時代であった。◆若いころ自分がとてもきつい思いをしたので今の若い方々にはあのような辛い思いをさせたくはない。そう思う一方で「なにやかや言うが結局今の自分があるのはあの苦しい思いを経験したからだ。若い方々こそ仕事できつい思いをした方が良い」と考える自分もある。◆時代が違う。「ブラック企業」などと呼ばれたくない。社員には心から「この会社で働けてオレは幸せだ」と思ってもらいたい。これは本心。◆昨日、長崎医療センターのヘリポート竣工式に臨席した。当社から5名が招かれたが式典の始まる30分前になっても山本課長の姿がない。心配し始めた頃、汗を拭きながらニコニコして彼が現れた。私は彼に尋ねた「お疲れ様。今日はどこから来たの?」。彼はまだ汗を拭きながら「ええ、昨夜、鳥取の打ち合わせが長引いたので鳥取に泊まりました。で、東京で打ち合わせがあったので今朝、羽田に戻ったのでギリギリになってしまいました」と。なんと鳥取→東京→長崎と移動していたのだ。◆長崎医療センターの竣工式典が無事終わり、皆がパーティー会場へ席を移そうとしていると山本課長が笑顔で声をかけてきた。「社長、私、これから大阪で打ち合わせがありますので、申し訳ないのですがパーティーには出席せず大阪へ移動します」と。彼は一日で、鳥取→東京→長崎→大阪 と移動することになる。◆「人使いの荒い会社」「ブラック企業」などと言われたくない。救いは山本課長がニコニコしていたことだ。前田建設工業時代の私はあんなにニコニコできなかった。「超ハードと言っても移動がハードなだけだ。糞尿の中を歩いてたオレの時代に比べればまだましだろう」などと言い訳をしている自分がいた。◆頑張ってくれている当社職員の皆様に感謝。

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2014年08月26日 ---- ボス

嬉しい補助金

boss-4



昨年、特許を取得し現在商品化に向けて開発中の海難救助用具「スパイラル・レスキュー(仮名)」。世界特許の申請料と、量産化へ向けての開発及び実験費用でトータルで数千万円がかかる。我が社のような零細企業にとってはとても大きな出費。それだけの費用を投じても確実に回収できる保証はない。「社運を賭ける」というほど大げさなものではないが、かなり大きなリスクがある。(ちなみに私は、経営者は絶対に「社運を賭ける」ような博打的判断をしてはならない、と信じている。)そこでなんとかリスクの軽減を図れないものかといろいろと探っていた。◆東京都に新商品開発に関する助成金制度があることが分かりそれに挑戦することにした。いろんな審査を幾つも受け、お盆前に最後の社長面接試験があった。厳しい質問が投げかけられた。やはり簡単に補助金は降りない。面接で私は真摯に熱い思いを語った。◆昨日、文書で「合格」の通知が届いた。特許申請費用、開発費用を合わせて1700万円強を東京都が援助してくれることが決まった。嬉しい。ありがたい。おカネの補助はもちろんとても嬉しいがそれ以上に東京都がこの製品の開発に期待してくれているということが嬉しい。◆現在、日本・韓国・タイの3拠点で「スパイラル・レスキュー」の開発と実験が進められている。

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2014年08月25日 ---- ボス

セクハラ?

boss-b

ソチ五輪の閉会式後の打ち上げパーティの席で、日本スケート連盟会長の橋本聖子参院議員が高橋大輔選手にキスを強要したとゴシップ大好きの「週刊文春」が報じた。◆「橋本聖子、やるなあ!」「聖子、意外とスケベ!」「ハメ外し過ぎ!」「ストレス溜まっていたんだろうな」「さすが大輔、もてるなあ」など世間の人々の感想はさまざまだろう。「大輔、かわいそうに」という感想もあるだろう。◆テレビでは感情的なコメンテーターが例によって「とんでもないこと!」とがなりたてていた。「逆を考えてみてください。橋本聖子~高橋大輔を森喜朗~浅田真央に置き換えて考えてみてください。そうだったら大騒ぎですよ。それと一緒なのですよ。大変なことですよ!」と・・・。思考停止状態の視聴者の多くがまた「そうだ、そうだ、とんでもないことだ。セクハラだ、パワハラだ」と言い始めた。◆橋本聖子が高橋大輔にキスを迫るのと森喜朗が浅田真央に迫るのが本当に同じ関係か?私は疑問を感じる。いや、感覚的には明確に「同じではない」と言い切る。森喜朗が浅田真央に迫ることは許されないが橋本聖子が高橋大輔に迫ることはまあ大目に見てあげてもいい。もし森喜朗から浅田真央が強引にキスされれば浅田真央は大きく傷つくであろうが、今回の高橋大輔がそれほど傷ついたとは思えない。そこには「男」と「女」の違いがある。◆和田アキ子さんは「キス魔」で有名。みずから楽しそうに武勇伝を語る姿を何度かテレビで見かけた。私は和田アキ子さんのことが好きではない。はっきり言うと嫌いなタレントであるが、それは「キス魔」とは全く関係のない彼女の言動が嫌いなだけ。「キス魔」和田アキ子にはむしろ好感を抱いている。◆セクハラ、パワハラ、コンプライアンス、なんでもかんでも明確な線を引いてあげないと判断できないマニュアル依存症が増えている。最近のマニュアルには「男と女は同じ」と書いているようだ。嘆かわしい!これでは男も女もがんじがらめ。なにもできなくなってしまうのでは。◆そろそろ「男と女は違うところが多い」と誰か言い出さないかなあ。

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2014年08月19日 ---- ボス

算数が苦手な我が国のリーダー

boss-5

安倍総理は「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上」とする目標を掲げた。◆全くナンセンス。(教員など特殊な職業を除くと)2014年現在、わが国で指導的地位に就いている女性の割合は10%。これをたった6年間で30%にするというのだ。算数が少し分かれば「そんなバカな!」ということになる。◆分かりやすいように「指導的地位」という言葉を「管理職」に置き換えて説明する。現状の管理職が「男900人・女100人」とする。平均的に管理職に就いている期間は18年程度か。そうすると6年間で「男300人・女33人、合計333人」が新しい者と入れ替わる。入れ替わった結果が安倍総理が求める「男700人・女300人」となるためには新管理職者333人の内訳が「男100人・女233人」でなければならない。◆「2020年までに私は管理職になりたい」と願っている者が男女同数だとして、それを均等に振り分けても算数的には新管理職者は「男166人、女166人」だ。実際には「管理職に就きたい」と願っている者はまだまだ圧倒的に男の方が多いのが我が国の現状。「6年後には管理職の3割が女性になる」など、まともな企業が到底達成できる数値目標ではない。◆リーダーが現状を認識せず結果だけを求めていると日本国株式会社はとんでもない方向へ進んで行く。残念ながら現在の我が国のリーダーたちは「日本国株式会社」の経営者としては才能がないようだ。算数ができない経営者は会社を潰してしまう。◆もし、できないと分かっていながら人気取りのために数値目標を示しているのだとしたら「頭が悪い」どころか「悪人」のレッテルさえ貼られかねない。

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2014年08月18日 ---- ボス

酒場にて

boss-c

お盆休みの前、行きつけの銀座のバーで下品なオトコが隣に座った。彼は「10年ぶりにこの店に来ました」と言う。「そうでしたか、ごめんなさい。気付きませんで」とママが答えた。カウンターには常連客が並んでいたがそのオトコは「僕が今夜の主賓なのですよ」といった感じでペラペラと一人で喋り続ける。上品な常連客たちは「うるさいね」とも「静かに飲め」とも言わず、そのオトコの聞き役を演じていた。私もそんな上品な常連客の一人であった。そのオトコの話は「僕はカネ持ちなんだよ」と言うことに尽きた。「ここ数年、年収が1億円を超えている」と言うような話をしたと思ったら「美味しいシャンパンが飲みたい」と言い出し、その店で最も高級なシャンパンをオーダーし、それをカウンターの常連客みんなに振る舞った。常連客はみんな上品に対応した。「どこのどなたか知らないが、あんたに酒を振る舞われる謂れはねえよ」と言う人はいなかった。1杯ずつ飲み「ありがとうございます」とか「うん、美味しいですね」などと言っていた。私もそんな上品な常連客の一人であった。◆お盆休み、中学時代の友人とゴルフを楽しんだ後、四人で「鳥吉(とりよし)」に行った。「鳥吉」は日本で一番旨い焼き鳥屋だと私たちは信じている。その日も満席であった。カウンターに四人並び、ビールを飲みながら今日のゴルフの反省や中学時代の楽しかった思い出話をしていた。我々の隣に感じの良い青年が二人並んで飲んでいた。どちらからともなく話し始めていた。彼らはともに23歳だという。うちの息子と同い年。彼らは私たちのことを「おとうさん」と呼んだ。「僕らがおとうさんたちくらいの年代になったとき、そんなに楽しく飲む仲間ができるのか不安です。」などと言っていた。彼らと一時間ほど楽しく飲んだ。我々四人は腹ごしらえが終わり、次の店に向かうことになった。誰からともなく「若いおにーさんたちの分も払ってやろうよ」と言うことになった。6人分で3万4千円。4人で割れば高くない。二人の好青年はとても驚いていた。「楽しく飲ませていただいて、ごちそうまでしていただいては・・」と遠慮しようとした。最後は最敬礼で私たちを送り出してくれた。◆飲み屋での会話、カネの使い方もいろいろ。私は上品に振る舞ったと確信している。そして思った。「あの銀座の金持ちにはきっと素晴らしい友人は一人もいないんだろうな」と。

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2014年08月15日 ---- ボス

不思議なニュース速報

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8月13日、お盆休み。九州の実家でNHKの甲子園高校野球を観ていたら「ニュース速報」のジングルが聞こえた。何事かと思い注視した。すると「4月〜6月期のGDP、8.6%マイナス」とテロップが流れた。◆「この程度の情報をニュース速報で伝える必要があるのか」と不思議に思った。少なくとも私はこれまでこの程度の軽さのニュース速報を知らない。誰も驚かないこの情報をわざわざニュース速報で流す必要があったのか?事実、報道後も日経平均株価は落ち着いたままだった。◆このニュース速報に悪意を感じたのは私だけなのだろうか?安倍内閣に批判的な勢力が強いNHKが暗に「この内閣の行なった消費税率引き上げが景気悪化を招いたのだ」と伝えたかったのではないか。さらに言うとこのニュース速報を見て慌てた投資家が株を売り、日経平均株価が下がることを願ったのではないのか。◆私の勘繰り過ぎか。それでも、そんなことまで想起させる妙なニュース速報の内容に対して「???」を感じる。

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2014年08月11日 ---- ボス

成人式と自転車泥棒

boss-b

その当時、1月15日の成人の日に開催すると「(着物など)服装が華美になりすぎる」「大学生が帰省しづらい」との理由から、私の故郷・大分県佐伯市ではお盆休みの8月15日に成人式を行っていた。もう37年も前の話である。◆大学生の私は夏休みを故郷で過ごしていた。アルバイトで稼いだカネをすべて飲み屋で使っていた。二十歳の若者にとっては「今夜が楽しい」ことが一番だった。その夜も、今は故郷の中学校で校長になっているS君と飲んでいた。S君は自転車で来ていた。小さな田舎町、夜中に徘徊するには自転車が便利。私も自転車が欲しくなった。◆ちょうどそのときデパートの駐輪場の前を歩いていた。その駐輪場の片隅に壊れかかった自転車が数台、横積みに重ねられていた。一番上の自転車を引っ張り出した。鍵はかかっていない。ボロボロだが乗ることはできる。◆S君と二人、深夜の街を目的もなくうろついた。午前1時過ぎ、S君と別れ、私はボロ自転車を元あった場所へ戻そうとデパートの駐輪場へ向かった。駐輪場まであと50mのところで夜警のおまわりさんに声をかけられた。おまわりさんとは顔なじみであった。「おっ、またオマエか」。私は笑顔で返した「こんばんは、ご苦労様です」。最初はおまわりさんも笑顔だった。「どこに行っとったんか?いいなあ、学生は」雑談から始まった。◆「この自転車、誰の?」おまわりさんが聞いてきたとき初めて「ううっ、まずい!」と気付いた。自分はおまわりさんに咎められるような悪いことをしているという意識がそれまでは全くなかったのだ。最初は嘘でごまかそうとしたが通じなかった。10分後、トランクに自転車を積んだパトカーの後部座席に私は坐らせられていた。そのまま佐伯警察署へ向かった。佐伯警察署には怖い顔をした刑事課の係官が私を待っていた。◆明け方近くまで取り調べを受け一旦釈放された。翌日、自宅へ電話があった。「詳しい話を聞かせてもらうから再度8月15日に刑事課まで来い」というものであった。◆果たして8月15日、同級生が綺麗な格好で成人式会場へ向かうなか、スーツを着た私は佐伯警察署の刑事課に向かっていた。刑事課で指紋を取られ、顔写真を取られ、そして私は「遺棄物横領罪」とかいう微罪を言い渡された。特にお咎めはなかった。怖い顔した刑事も最後は笑顔になって「二度とここには来るなよ」と言ってくれた。◆母はこの事実を知らない。私は「成人式に行ってくる」と言って家を出ていた。取り調べが終わった私は急いで成人式会場へ向かったが、会場からはすでに同級生が出てきていた。親しい同級生に、彼がもらった記念品を借りた。「成人式に行ってきたよ。こんなものもらった」と、母親の目を欺くために。

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2014年08月02日 ---- ボス

「盆帰り」と「方言」(その2)

boss-4

昨日このコラムで我が郷土、大分県佐伯地方の「長幼の序」を表す方言について書いた。◆先輩と後輩が一緒にラーメン屋に入った。ラーメンを食べて、東京では「おいしいねえ」と表現するところをこの地方では先輩と後輩で表現が微妙に異なる。先輩は「旨いのう」と言い、後輩は「旨いなあ」と言わなくてはならない。先輩に向かって「旨いのう」と言うとぶん殴られる。「のう」と「なあ」で上下関係を明確にしている。この地方には尊敬語や謙譲語は存在せずすべて終助詞によって上下関係を表すことができる。◆高校を卒業した私はその後、福岡市で6年間を過ごす。福岡の場合は上下関係を示す終助詞がない。ラーメン屋で「おいしいねえ」を表すのは先輩も後輩も「旨かねえ」「旨かねえ」である。距離を置く先輩に対しては「旨かですね」と一部が標準語に替わるだけ。この点では佐伯地方の方言の方が緻密にできている。ただ私が福岡に来て驚いたのは、佐伯地方にはなかった謙譲語や尊敬語を子供まで使っていること。目上の人がどこかへ行ったことを伝えるのに佐伯地方では「行った」だが福岡では「行きんしゃった」となる。佐伯では「買った」が福岡では「買いなさった」に替わる。佐伯では「私が行くから・・・」と言うのに福岡では「私が伺いますけん・・・」となる。◆終助詞のみで上下関係がはっきりする佐伯。謙譲語・丁寧語のしっかりとしている福岡。若い世代をこの面白い方言の二つの地域で過ごすことができたことは私にとってとてもラッキーだった。

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2014年08月01日 ---- ボス

「盆帰り」と「方言」

boss-4

今日から八月。早い! 再来週は夏休みを取って、中学校時代の仲間たちと年老いた母親が待っていてくれる郷土、大分県佐伯市へ帰る。盆帰り。◆盆帰り、というと小椋佳の名曲「盆帰り」をつい口ずさんでしまう。この曲の思い出も語りたいがそれは次回に回し、今日は大分県佐伯地方独特の男だけの方言についてお話しする。この地方には根強い「長幼の序」の風習が残っている。少なくとも言葉・方言の中にはその美しい?慣習が残っている。話し言葉の中では年齢による上下が全くない欧米とは対照的な地域だ。◆たとえば先輩と後輩が二人でラーメンを食べに行ったとしよう。「旨いなあ」と言うのは後輩の方である。先輩は「旨いのう」と言う。この「のう」と「なあ」の関係は小学生時代には存在せず中学生時代にしっかりと構築される。ラーメン屋のオヤジは二人の関係をこの終助詞「なあ」と「のう」で一瞬に理解する。同級生同士の場合なら二人が親しければ「旨いのう」「旨いのう」、ありあまり親しくない場合は「旨いなあ」「旨いなあ」になる。◆私が夏休みに帰省している。街を歩いていて知り合いに会う。「おっ、モトミ!いつ帰って来たんか?」と聞くのは先輩。これが後輩なら「いつ帰って来たんで?」に変わる。「来たんか?」と聞くのは先輩。「来たんで?」と聞くのが後輩。先輩でもしばらく会わずに少し遠慮が出てくると「来たんか?」ではなく「来たん?」となる。終助詞「か」が取れると少し丁寧な響きになる。◆佐伯地方の男言葉には謙譲語も尊敬語もまったくない。「伺う」とか「いらっしゃる」「おっしゃる」などという言葉はこの地方では不要。終助詞の使い分けのみで微妙な上下関係とその距離感を的確に表現できている。素晴らしいコミュニケーション能力。私はこの地方に育って随分と得をしたと思っている。

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2014年07月30日 ---- ボス

最悪の日

boss-a

先週の土曜日、7月26日はここ数年で最も悪い一日として死ぬまで忘れないことだろう。◆「昭和伊南総合病院」のヘリポート落成式に出席するために私は前日の夜から長野県は駒ケ根市に入っていた。落成式は無事に終わった。「感謝状」まで頂いた。・・・ここまでは良かった。落成式が終わりクルマで東京を目指した。愛車BMWグランクーペを私が運転し、助手席には「昭和伊南総合病院ヘリポート」の設計担当で頑張ったMさん(当社の女性職員)が座っていた。調子に乗って私は少し飛ばしていた。「追い抜くクルマを注意して見ていてよ。パトカーを追い抜いたら教えてね」とMさんに言った。Mさんは明るく答えた。「さっき追い抜いたクルマ、ちょっと気になるんですけど・・。青い色が見えたんです。」◆「青い色?」・・Mさんが何を言おうとしているのか理解できぬまま走っていたらすぐ後ろでパトライトが回りだした。「やっぱりあの青い色はおまわりさんだったんだ。ごめんなさい」とMさんが詫び出した。「いえいえ、お詫びするのは僕の方ですよ」私はMさんに謝り、パトカーの室内に入っていった。青い制服を着たおまわりさんに丁寧に注意された。20年近く続いた私のゴールド免許も終わることになった。◆この事件は最悪の日の序章でしかなかった。その後に大きな大きな、人にお話しすることができない不幸が私を襲ってきた。7月26日の夜、私はカラダはクタクタに疲れているのに殆ど眠ることができなかった。浅い眠りに落ちてもすぐに悪い事件を思い出して目が覚める。この日に重なった3つの悪い事件。その中で最も痛みの小さいものが34㎞/hの速度超過で2万5千円の罰金と減点3点であった。◆幸せはゆっくり近づいてくる。幸せの中にいても人はなかなかそれに気づかない。一方、不幸は突然やってくる。突然不幸になって人はそれまでがいかに幸せだったのかに気付く。◆いろんなことを教えてくれた最悪の7月26日・土曜日だった。◆幸い、私は、すでに立ち直り始めている。

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2014年07月30日 ---- ボス

「大丈夫?」という言葉の怖さ

boss-b

30歳で前田建設工業を辞めた。中途半端な生活が続いた。毎日が不安だった。40歳でエアロファシリティーを立ち上げた。不安はさらに増した。とても不安だが従業員の前や家族の前で不安な顔をすることはできない。カラ元気だけで頑張ってきた。◆不安を忘れようとカラ元気で明るく振る舞っている頃、とても残酷だったのが友人らの「大丈夫なの?」という言葉。彼らには悪気がないのは分かる。悪気はないのだがこちらにはグサリと来た。カラ元気で「大丈夫だよ。」と答える他はなかった。◆自分の友人が大きな会社を辞めたけど大丈夫なのか、生活できるのか。今度は自分で会社を立ち上げたようだが大丈夫なのか、家族を路頭に迷わすことにならないのか。・・・彼らはそれを心配してくれたのだろう。だが「大丈夫か?」と言われる側にすればとても残酷な響き。「大丈夫だよ」と答える以外になんと返せばいい?カラ元気のみで凌いでいる身、「大丈夫か?」と聞かれれば「大丈夫さ」と答える以外になかった。◆あれから数十年経った。まだまだ私のカラ元気は続いている。不安は少し小さくなった。友人たちは「大丈夫か?」とは聞いてこなくなった。私は何もしてあげられない相手に対して決して「大丈夫か?」などとは聞かないで生きてきた。

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2014年07月29日 ---- ボス

もてるオジサマ

boss-b

Fさんはとても女性にモテる。私の回りで、同世代の男の中ではダントツに女性にモテる。Fさんの回りにはいつも女性がいる。◆同世代の男性と比較すれば、Fさんは自由になるお金と時間が多い方だ。でもそれだけで女性が寄ってくるわけがない。Fさんはキムタクにも郷ひろみにもガクト(GACKT)にも似ていない。キレイな顔と言えなくはないが、外見は至って普通のオジサン。お腹も私と同程度には出ている。スリムではない。ビシッと高級スーツを着こなすわけでもない。いつもよれよれ(に見える)服を着ている。なのに女性が回りにいる。女性からしょっちゅう携帯電話がかかってくる。LINEが送られてくる。なぜだろう。◆先日、Fさんと一緒にゴルフに行った。Fさんが自宅まで迎えに来てくれてゴルフの後は自宅まで送ってくれた。帰りの車は大渋滞にかかった。東関東自動車道の幕張料金所が近づいたときにFさんが聞いてきた。「こっちに行くっていうのはキノシタさんの美学に反しますか?反するなら止めますが・」と料金所手前、渋滞横のパーキングエリアを指差した。パーキングエリア内を抜けようというのだ。渋滞の前の方にワープしようというのだ。ズル込み?◆「僕が運転していたらできませんがFさんがこちらを通るのを止せとは言いませんよ」と答えた。Fさんはニコっとしてパーキングエリアに入って行き、エリア内に止まることなく前方口から出て行った。そして渋滞の前の方にスルっと入った。助手席のこちらは気持ちがいい。◆自分は「道徳」などと言って正直に渋滞の後ろに並ぶ。でも助手席に乗ったときに運転者がちょっとズル込みをすることに快感を感じる私がいた。そしてFさんがズル込みしたことを知る者は回りには私以外にはいない。回りのだれもFさんのズルに気付いていない。誰も不快にせず自分と助手席者をちょっと楽しくさせる。こういうちょっとした「不道徳」が女性にモテる秘訣なのだろうな、とその時に思った。◆「ちょっとした不道徳」も自分では冒すことのできない私は相変わらずモテないオジサンのままである。

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2014年07月28日 ---- ボス

機械的・機能的 プラスα

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土曜日(7月26日)長野県駒ケ根市の昭和伊南総合病院のヘリポート落成式に参列してきた。長野県南地域の救急医療の拠点として、これから多くの命を救う助けになってくれることだろう。自分たちが知恵を絞り、汗水流して作り上げたものが人様の命を救うことに貢献する、それだけで十分にやりがいのある仕事。おまけに皆様から「ありがとうございました」と言われ今回も表彰状までいただいた。もったいない、ありがたい。◆機能的で安全なヘリポートを廉価で作り上げた自負はある。落成式に参列された地元の方々からは「素敵なヘリポートをありがとう」と言われ「キレイですね」「かっこいいですね」とできたばかりのヘリポートを褒められた。素直に嬉しい。だが我々はそこで満足しているわけにはいかない。さらに魅力的なヘリポートを作るために現状に満足しないことだ。・・・ではこのヘリポート、なにが足りない?◆私は思う。「優しさが足りない」「遊び心が足りない」「面白さが足りない」◆無駄を極力そぎ落とし、廉価で安全で機能的なヘリポートを作る。素晴らしいこと。だがヘリポートは病院の正面玄関前に立つ。工場の脇に立つものと同じでは寂しい。機能的・機械的というだけでなくプラスαが欲しい。◆たとえばこの細くて長い脚(柱)をエンタシスのような大根足にしてみたらどうだろう。暖かく人間味のある楽しいヘリポートができるだろう。銀色の機械的な脚を木目調にしたらどうだろう。穏やかで優しくなる。◆もうほんの少しコストを上乗せしてもらえればもっともっと魅力的なヘリポートができるのだが、残念ながらムダを一切認めない現在の日本の官庁工事ではそれを許してもらえない。日本の官庁にとって「遊び心」は「優しさの表現法の一つ」ではなく単なる「ムダ」という意識が染みついてしまっている。◆私の葛藤は続く。昭和伊南総合病院ヘリポート、それでも85点は上げたい。

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2014年07月23日 ---- ボス

「私」「俺」「僕」

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学生時代は自分のことを「オレ」と呼んでいた。恐らく先生方の前でも「オレは・・・」と話していたのだと思う。大学を卒業しゼネコンに就職してからも「オレ」であった。上司に対しても「オレは・・・」と話していた。誰もそれを注意してくれなかった。◆30歳で会社を辞めた。新しい仕事を始めた。「オレ」の回りにいるのは商社の人、政界の人、証券会社の人、画廊のオーナー、投資会社の人たちに変わった。ふと気づくと自分のことを「オレ」と呼んでいるのは「私」一人だけだった。誰に注意されたわけでもなかったが、その事実に気付いた時にとても自分のことを恥ずかしく思ったことを覚えている。それ以来、少なくとも年長者の前では「オレ」と言わないように心掛けている。◆60歳近くになって回りを見ると、自分のことを「オレ」と呼んでいる男たちはみな出世していない。「我が道を行く」というプラス面よりも「観察眼がない」「礼儀知らず」というマイナス面の方がはるかに強い。私の知る限り、知的そうな感じなのに自分のことを「オレ」と呼び続けているのは俳優の中村雅俊、ただ一人。◆酒の席で友人たちと「僕・オレ」論になった。「僕」はこの「我が道を行く」中村雅俊という俳優が嫌い。「私」がそういうと、「オレ」も全く同じ考え、中村雅俊の「オレ」は気に食わないと一人が返した。すると「オレも嫌い」「オレも中村雅俊の『オレ』が嫌い」と多くの「オレ」が答えた。◆楽しい仲間たちとの酒の席での会話は「オレ」が一番気楽でいい。

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2014年07月22日 ---- ボス

残念! 「登龍」の四川風冷やし中華、変わる

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新橋から銀座にかけて「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」という店が数店舗ある。どこも毎日、開店前から長蛇の列ができている。どの店も一流シェフが腕を振るいリーズナブルな価格であると聞く。ただしどこも椅子はなく立食形式。一人当たりの店内滞在時間は短くなり回転が速い。薄利多売の世界。「美味い料理を安く提供」するとは素晴らしい。人気になるのは当たり前。最近は「俺の焼き肉」や「俺の出汁」「俺の割烹」という店もできた。若いころなら私もきっと列に並んだことだろう。だがもう若くはない。◆「安くて美味い」は大切なこと。だが「安くて美味い」というだけで30分も行列に並ぶことは今の私にはできない。ところが私も美味しいものを食べにわざわざ足を運ぶことはある。「美味い」というだけではわざわざ遠くまで足を運ぶことはない。重要なのは「そこへいかなければ食べられない」ということ。他店ではまねできないオリジナリティーがあるということ。◆市ヶ谷「らいむらいと」のハンバーグ、半蔵門「プティフアラカンパーニュ」のチキンカレーは20年間以上連日行列ができている。私は年に数回、この行列に並ぶ。実に美味い。それらの味はそこに行かなくては決して食べられるものではないのだ。◆麻布十番の「登龍」の四川風冷やし中華もそんな料理の一つであった。25年間以上私は愛し続けた。これまで何人のお客様をお連れしたかしれない。誰を連れて行っても「こんなに美味しい冷やし中華を初めて食べた」と喜んでくれた。ところが最近、この四川風冷やし中華の味が大きく変わった。これまでより辛くなりニンニク風味が強くなった。そして水分が減った。それはそれでまあまあ美味いのだが25年間に渡って愛し続けた味が一日で変わってしまったことが残念でならない。個性が強くなった分だけ「私にはちょっと・・・」という客が増えるだろう。◆「登龍」の四川風冷やし中華の味が大きく変わったことが残念でならない。・・・・三連休をそんな不満を感じながら過ごした。残念なことではあるが、この程度のことを痛く残念に思っているのだから、私はとても平和で幸せな生活を送っているのだろう。

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2014年07月14日 ---- ボス

分室 ほぼ完成




新橋プラザビル15階のオフィスが手狭になってきた。分室を開くことに決め、探していたらオープンまぢかのマッカーサー通り(新虎通り)に面した美しい部屋に出会った。本社から徒歩1分、東洋海事ビル最上階(8階)。すぐに申込んだ。ところがその分室に入る連中が忙し過ぎてなかなか引っ越しができなかった。◆当初は6月上旬に分室オープンの予定であった。ところがこの分室に入ることになっている約20人、彼らのほとんど全員が出張続きであった。「まあ急ぐこともないよ。少しずつ荷物を運びこめばいいよ。」私は寛容であった。遊び心を持った、デザインに凝った分室にしたかった。分室は徐々に荷物が増えていった。机が入り、ロッカーが入り、パーテーション工事が行われ、冷蔵庫が入り、素敵な置物が並び、ワインセラーが入り、スツールが並び、そしてマッカーサー通りを眺めるコーナーにはバーカウンターまでができた。◆イタリアに発注しているパーテーションの到着は10月になるがそれ以外のものはすべて入った。やっと「引っ越し完了」となった。出張から帰ってきた連中が社内のバーで談笑しながらワインを飲んでくれる日も近い。

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2014年07月10日 ---- ボス

サッカー ワールドカップ

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普段は特にサッカー好きでもないのにこの時期だけは深夜まで或いは早朝からのテレビの中継にくぎ付けになっている方が多い。実は私もそんな “にわかサッカーファン” の一人。今朝も普段なら電車に乗っている時間なのに準決勝「アルゼンチン VS オランダ」戦をPK決着まで観ていた。アルゼンチンがPK戦を制し、決勝は「ドイツ VS アルゼンチン」となった。決勝が「欧州 VS 南米」となったことを喜んでいる。決勝が「欧州 VS 欧州」、3位決定戦が「南米 VS 南米」では面白くない。それはさておいて、このワールド杯をテレビ観戦しながら少々不満に思っていることがある。不愉快に感じていることがある。◆「身体髪膚、これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり。(孝経)」という孔子の教えがある。「この身体はすべて親から頂いた大切なものである。それを傷つけないようにすることが親孝行の始めなのだ。」という教え。世界中の紳士・淑女はこの教えを守っている。ところがワールド杯出場の多くの選手は・・・。◆ほとんどの選手が「タトゥー」と呼ばれる醜い刺青をしている。美的センスも教養のかけらも感じられない者ばかり。世界のサッカーは知的な紳士のスポーツから離れて行こうとしているようにさえ感じる。そういえば20年前と比べるとファウルの質も落ちた。相手のユニフォームを引っ張るのは当然の行為になってしまった。膝蹴りやカミツキまで現れるこのワールド杯、サッカー関係者はもう少し危機感を覚えて欲しい。◆1986年メキシコワールドカップの「アルゼンチン対イングランド」の試合で、ディエゴ・マラドーナが『伝説の5人抜き』ゴールをしたがあのときイングランドの選手はだれもマラドーナのユニフォームを引っ張らなかった。足元にスライディングもなかった。まさにルールに則ったスポーツであった。あのころのサッカーの方が面白い、と私は感じるのだがそのような紳士的なスポーツを世界中の大人はすでにもう求めていないようでもある。

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2014年07月07日 ---- ボス

越智繁雄氏、関東地方整備局長

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2011年1月の終わり、宮崎県の霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)が噴火した。2月7日に政府の支援チームが宮崎県入りし、大災害につながることないよう避難計画の策定などを連日、夜を徹して行った。この支援チームは一日の休みも取ることなく約1か月間、自然の驚異に立ち向かった。やっと避難計画をまとめ上げ、噴火が落ち着いたのは3月10日だった。翌3月11日、チームリーダーの越智繁雄氏はまず宮崎県庁を訪れ知事に活動報告をした。県知事から暖かい感謝とねぎらいの言葉をもらい、続いて隣県の鹿児島県知事のもとへ向かった。宮崎県庁から鹿児島県庁へ向かう車の中で越智リーダーの携帯電話が鳴った。「東北で大震災発生。至急、帰京して対応してください。」とのものであった。越智リーダーは鹿児島県知事への報告と挨拶をキャンセル、空路東京に戻った。当時越智氏の肩書は「内閣府政策統括官(防災担当)参事官(地震・火山・大規模水害対策担当)」であった。自然は越智氏を狙ったように続けざまに大災害を起こした。神は越智氏を試すように難問をぶつけ続けた。◆新燃岳噴火にしろ東日本大震災にしろ、越智氏がいなかったら住民の不自由はもっともっと大きかった。越智氏はまさに身を粉にして働いた。住民に少しでも早く落ち着いた生活を取り戻してもらうために。結局、彼は1年間近くまともな休みを取ることがなかった。息子の結婚式にほんの数時間参列したのが唯一のプライベートなひと時であった。◆実は私はこの越智氏(ここからは越智君)と九大の同級生である。こんな素晴らしい同級生がいることが誇りである。越智君は大学入学時から成績優秀であった。普通の優秀なタイプと違い、自分で勉強したことを一所懸命に同級生に教えてくれた。時効であるから許してもらうがカンニングにも「教える側・見せる側」として懸命に協力してくれた。出来の悪い私に対しても「キノシタ、一緒に卒業しようよ」と言いながら、私のアパートでマンツーマンの家庭教師をしてくれたことも何度かあった。とにかく自分のことよりも周りのこと、自分のためよりもみんなのため、という素晴らしい人間。これまで私は越智君のことを悪く言う人にあったことがない。◆つい先日、とても嬉しいニュースが飛び込んで来た。「正式発表がまだだから公にしちゃダメですよ。実は越智さんが関東地方整備局長になることが決まりました。」ということ。関東地整のトップ。超エリート。越智君をいじめにいじめた自然、意地悪くためした神がやっと越智君にほんの少しご褒美を上げたのか。◆周りの者は「すごい快挙」などと言うが、越智君の活躍をまじかに知る私としては当然のポストだと思う。周りの方々もきっと彼の知力はもとより人間的な素晴らしさを買ったのだろう。当の本人はこの栄転を「嬉しい」などと思っていないことだろう。「また一段と責任の重い役職になった。みんなのためにさらに一層頑張らなければ・・」と思っているはずだ。◆役人の鏡。同級生の誇り。我が良き友人、越智繁雄君、カラダに気を付けながらさらに頑張ってください。(正式な発表は明日のようだが、本日、複数の新聞が発表したので私も急いでこのコラムを書き上げた。)

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2014年07月04日 ---- ボス

基礎の基礎!リスクヘッジ!

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「相談があります」と言って部下二人が私の部屋に入って来た。手にC社充ての「お見積書」を持っている。一億円を超える金額が書いてある。「見積書に社長印をください」と言う。「印をいただく前に仕事の内容を説明します」と話し出した。私は二人の話を黙って聞いた。要約は以下のようだ。◆彼らが先日知り合った日本人Pさんは現在スウェーデンに住んでいる。Pさんは、この9月に転職し、スウェーデンのA社に入社することになっている。わが社はシンガポールのB社に○○をオーダーをしたいのだが直接ルートがない。そこでB社と付き合いのあるA社を通じてオーダーしたい。つまりシンガポールのB社から○○を日本に入れるのにスウェーデンのA社に発注したい。○○は日本のC社に売れる。利益は500万円。◆「リスクはないの?」と聞く私に対し、部下たちは幾つかの専門的な小さなリスクを説明した後「大きなリスクはない」と言う。◆「で、カネの流れは? どういう手順でこのディールは進むの?」と私は続けて聞いた。「はい、まず当社がスウェーデンのA社に1億円を送金します。A社は1億円の入金を確認しましたらすぐにシンガポールのB社に・・・」◆そこまで聞いて私は大声を出した。「ちょっと待て!最初にウチがカネを送るのか?一億円も? 付き合ったこともないスウェーデンの会社に。知り合ったばかりのPさんという人が9月に入社するということだけで? アホか! よくそれで『大きなリスクはありません』などと言えるな! 十分に大きなリスクじゃないか! A社のパンフも会社説明もない。B社も全く知らない。そんなスキームに最初に当社が1億円を送金する? 馬鹿も休み休み言え!」 私は激怒した。彼らは何年、私の下で仕事をすれば「リスクヘッジ」ということを知るのだろう。情けなくなってきた。悲しくなってきた。心細くなってきた。

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2014年07月04日 ---- ボス

イタリア観光(3)

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「イタリアはどの店に入っても料理が美味い」という話を聞いていた。嘘。はっきり言って東京で食べるイタリア料理の方がはるかに美味い。「アッピア」や「アッカ」などの一流店でなくとも東京のイタリア料理店は味でもサービスでも本場を凌ぐ。チェーン店「サルバトーレ・クオモ」のピザはイタリアの高級店と同クラスだろう。「日本の店は日本人向けの味にしているから・・」と言う方もいるが恐らく違う。ローマの庶民が東京のイタリア料理店に入ったらその美味さにびっくりするだろう。(残念ながら東京以外の地方都市のイタリア料理店の味はイタリアにも負ける)◆料理の味も、店のサービスも、路上清掃の美しさも、歩く人々のマナーも日本の勝ち。では「現代のイタリアには学ぶべきものがないのか?」と探してみた。するとそれが見つかった。とても重要な学ぶべきところ。それは街路や建物の規制。◆ローマはヨーロッパを代表する大都市であるにも関わらず高層ビルがない。街で見かける大きな建物はすべて古代遺産や宗教関係のもの。都市部の住宅は恐らく外観の維持が法律で定められているのだろう。調和のとれた落ち着いた街並みは素晴らしい。◆四角い建物ばかりのくせに大きさや色調になんの規制もない東京にくらべローマ、フィレンツェ、ナポリ、ミラノは街ごとの特徴を持ち過去と現代の調和が進む。落ち着いた街並み、美しい景観はとてもかなわない。美的センスもないのに東京の建物の多くは自己主張をしたがり落ち着きがない。◆街路の開発、都市の外観の規制に関しては我が国は謙虚にイタリアに学ぶべきだと思った。

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2014年07月03日 ---- ボス

だらしない服装のサラリーマン

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昭和の終わりから平成10年頃までは、日本の働く女性の服装は世界で最も美しかった。センスがあった。オフィスではまだ制服(ユニフォーム)が主流だったが彼女らは通勤時の服装にカネをかけていた。外見を美しく見せようと努力していた。バブルが崩壊し、女性の地位が上がり、制服がなくなった。それに並行するように女性の通勤時の服装が貧相になってきた。外見などにかまっていられない、という状態になったのか。歴史上最悪センスの女性の服装「チュニック」なるものを恥ずかしげもなくオフィスに着ていく女性も多かった。勘違いした個人主義が幅をきかせ、電車の中で平気で化粧をする女性が増えた。「特定の人の前以外は醜い姿を見られても平気よ」と言っているようだ。◆アベノミクス効果なのか、ここ数年、日本の働く女性の服装は最悪期を脱したように見える。少なくとも「チュニック」を見かけることはなくなった。渋谷にもあの最悪センスの「ヤマンバ娘」がいなくなったという。変わって男性サラリーマンの服装がだらしなくなってきた。◆「クールビズ」はありがたい。ほとんどすべてのサラリーマンがクールビズを享受している。当たり前だが「クールビズ」と「だらしない服装」とは違う。最もだらしなく見えるのが長袖のワイシャツの袖を止めないもの。わが社では社員規則でワイシャツの袖を止めることを明文化している。長袖シャツの袖を止めないのなら半袖シャツを着ろ。だらしない!◆都市銀行や大手商社のいわゆるエリートサラリーマンは暑くても必ずワイシャツの袖を止めている。止めない場合は腕まくりをする。ところがゼネコンや公務員、中小のメーカー勤務の男たちは当然のようにワイシャツの袖ボタンをだらしなく止めずに歩く。朝の新橋駅は情けない、だらしない男たちであふれだした。◆「チュニック」と「ヤマンバ」が消えたと思ったら「だらしない男」が増えだした。

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2014年07月02日 ---- ボス

創造性のないビルばかり

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近隣県へゴルフに行った帰り、高速道路から東京を眺め、我が東京は実にビルの多い大都市であることに改めて気付く。まだまだあちらこちらで大型ビルの建設工事が進んでいる。そしてそれらのビルがすべて縦直線と横直線線で描かれた陳腐な形状のビルであることを嘆いている。◆アメリカはもちろん中国でも韓国でも最近のビルはデザインに凝り、遊び心を持った斜線や曲線を用いたビルが多い。遊び心の中にもそのビル独特の意思や主張が見える。イタリアは教会や大聖堂で昔から尖った屋根や丸屋根が多かったがそれらと調和する街並みに遊び心を持ったビルが建ち始めている。◆一方、我が日本は「不要不急のものは作りません」などと馬鹿な総理大臣が口にしてから公園の噴水が止まり花壇の花が枯れている。六本木ヒルズ森タワーを最後に遊び心を負持ったデザイン性の高いビルの建設が途絶えた。先日オープンした虎の門ヒルズはせいぜい頑張ったつもりだろうが六本木ヒルズに比べれば情けないほど陳腐な設計だ。◆個性がなく、無駄がなく、遊び心と主張のないつまらない、そして汚いビルばかりが東京を占めてきていることを寂しく思っている。(添付写真はミラノのビル)

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2014年06月26日 ---- ボス

馬鹿な報道

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yahoonewsを読んでいたら全くもってアタマにくる書き方の記事があった。死刑執行に関するものだが、記者の感性・道徳観を疑う。全文をコピーする。◆「谷垣禎一法相は26日午前、2007年に香川県坂出市でパート従業員の女性とその孫娘2人が殺害された事件で死刑が確定していた川崎政則死刑囚(68)=大阪拘置所=の死刑を執行したと発表した。死刑執行は昨年12月以来で、12年12月の政権交代後では5回目。谷垣法相の命令により、計9人が執行されたことになる。(毎日新聞)」◆現行法律に基づいて正式な手順で執行されたものなのに、わざわざ「谷垣法相の命令により、計9人が執行されたことになる。」などと書く。「谷垣が9人殺した」と言いたいような書き方だ。少なくとも読者に「谷垣は9人も殺した冷血漢だ」と思わせたいような書き方だ。◆この記者自身が死刑反対論者なのかもしれない。あるいは毎日新聞が死刑に反対の主張を続けているのかもしれない。それはいい。しかし法務大臣が法に基づき粛々と任務をこなしているのを、このような悪意ある書き方はないだろう。法務大臣だって、死刑執行に立ち会う方々だって、喜んで死刑を執行をする人間はいない。谷垣さんが最も辛い気持ちで判を押し執行を許可することだろうに。◆一方にのみ気持ちが偏り、法を順守する法務大臣の辛いう気持ちや執行人の苦しい思いに心を至らせない冷血な、理性のないバカ記者が増えてきた。

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2014年06月25日 ---- ボス

6月25日


水曜

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2014年06月24日 ---- ボス

6月24日


火曜日

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2014年06月23日 ---- ボス

無様・自民党都議会

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東京都議会で女性議員の一般質問中にセクハラと取られるヤジがあった。そのヤジは自民党の議員席から上がったのは間違いない。またしても自民党。自民党にはこのような品位に欠ける議員が少なくない。そしてその品位に欠ける議員を皆で守ろうとする。60人程度の自民党都議会議員。それらがまとまって座っているのだ。隣に座っている奴がヤジれば分かるだろう。当然、すでに自民党議員は恐らく全員が誰がヤジったのか知っていることだろう。情けないのは口では「とんでもない発言」などと言いながらそれを特定しようとしないところ。「発言したのは○○議員です」となぜ告発しない。もっと情けないのは発言しながらダンマリを決め込んでいる当の本人。悪がき中学生と同程度の自民党議員がまだまだ大勢いる。私は二度と自民党には投票しない。◆「自民党議員と決めつけられることは心外だ。現在、調査中だ。我が党の議員と言われるのはまさに誹謗・中傷だ。名誉棄損だ!」などと底意地の悪い議員が言い出しそうだ。ふざけた党だ。◆私の友人の自民党の国会議員は皆、優秀な方ばかり。そんな彼らには悪いが今回の対応はあまりにも程度が低すぎる。

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2014年06月23日 ---- ボス

世界遺産

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富岡製糸場が日本国内では18件目の世界遺産に登録されることになった。地元では大歓迎、大騒ぎになっているようだ。テレビ各局もトップニュースで伝えていた。◆そのニュースをテレビで見ているこちらは複雑な気持ち。一所懸命に頑張って来られた地元の方々の努力に水を差すようで申し訳ないが、率直な気持ち「いったい世界遺産っていくつまで登録するの?」と思ってしまう。◆ピラミッドやアンコールワットやマチュピチュが世界遺産になることはもちろん分かる。「富士山」も良い。それらと同じ世界遺産に「石見銀山」や「富岡製紙場」が入ることに違和感を覚えるのは私だけなのだろうか。◆どうも「世界遺産」という名誉が「商売」に繋がっているように思えて仕方ない。登録を申請する方も、それを認定する方も、そして地元も。◆国民栄誉賞も同じだが「賞の乱発」はその賞の有り難味を下げてしまう。価値を下げてしまう。アカデミー賞や直木賞のように「年一回」「年に2回」と決めているのなら分かる。「世界遺産」なんて百年も前からあるものに対する賞。上手に申請すればまだまだ増えるなんておかしくないか。

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2014年06月18日 ---- ボス

イタリア観光(2)

boss-b

「航空医療学会」を抜け出してローマの街を歩き回った。万歩計の数字はなんと一日で30,000を超えていた。実はローマに行けばモニカ・ベルッチのような妖艶な婦人にお目にかかれるのではないかと期待していた。◆ローマの街を歩く女性、実に咥えたばこ率が高い。煙草を吸っている姿は日本人女性のように貧相ではないがそれでも感じの良いものではない。もちろん彼女らは携帯灰皿など持っていない。路上にポイ捨て。ローマの石畳の街は30年前の東京と同じ、夕方になると路肩には煙草の吸殻が山のように溜まっている。◆つられて観光客も煙草を吸う。日本人以外は総じてマナーが悪い。煙草の話だけではない。ローマやフィレンツェなどの観光地、やたらと落書きが多い。大聖堂の最上部の壁や鐘にまで落書きがいっぱい。わざわざマジックを持って行っているのか不思議。アルファベットが多いが中にはハングルや中国人が書いたものと思われる漢字も。観光客数の割に日本人の書いたものが極端に少ないことに少し嬉しくなった。◆日本にいるとマナーの悪い輩が多いのに腹が立ち嘆いているが、世界的には日本人が最も道徳的な国民であるということに外国に行くと気付かされる。そしてイタリア中の路上をキョロキョロしたがモニカベルッチどころか一人も心がときめく女性は見かけなかった。

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2014年06月17日 ---- ボス

イタリア観光(1)

boss-5

「世界航空医療学会」に参加するためにイタリアを訪問した。先々週のこと。学会と言っても殆どが英語のスピーチであり専門用語も多く全く理解できない。私は「学会から学ぶものよりもイタリアの街から学ぶことの方がきっと多いはずだ」と勝手に判断した。ローマ → ポンペイ → ナポリ → ローマ → フィレンツェ → ローマ → ミラノ と回ってフランクフルト経由で帰国した。残念ながらベニスには行けなかった。◆観光立国のイタリアをうらやましく思った。気候は温暖、遺跡が多く街中に彫刻芸術があふれる。だが意地悪く言うと、過去の繁栄と宗教が残してくれた遺産で食っているだけの観光都市。街並みと美術館と宗教施設と大陽は文句なく素晴らしいが現代のイタリア人の「おもてなし」の表現は我が日本のそれにははるかに及ばないと感じた。各地で「スリに注意を」と呼び掛けられ、観光地には必ず偽造品を売る者が並ぶ。観光客にカネをせびる輩や詐欺まがいの行為が横行している。乞食やホームレスも多い。◆ミラノの大聖堂前の広場にいたらオニーサンがにこにこしながら近づいてきてトウモロコシの粒を10粒ほどくれた。とっさのことで「まずい!」と思ったが遅かった。オニーサンは私に、掌にトウモロコシの粒を乗せ上にかかげるように指示する。素直に従ったら鳩が数羽飛んできて私の腕に止まり、掌のトウモロコシの粒を食べはじめた。オニーサンは「写真を撮れ」と言うが私の回りには同行する者がいなかった。数人の日本人と思われる観光客が「かわいそうに」という顔で私を眺めていた。「さて、こいつに幾ら払えばいいのだろう」と思いながら私はポケットにあった1ユーロコインを2枚渡そうとした。「乾燥したトウモロコシ10粒が300円!」と嘆きながら。するとそのオニーサンの態度が豹変した。「ふざけるな!」と言う顔をし大声で「20ユーロ出せ!」とわめき散らす。こちらも「ふざけるな!」と日本語で怒鳴り返した。するとオニーサンと同業者がさらに二人近づいてきた。3対1だ。負ける。それでも20ユーロはあんまりだ。私は怒った顔をし大きな声で「NO,NO!」と言いポケットの中にあったコインすべてを渡した。おそらく5ユーロはあっただろう。オニーサンは不満そうだったが幸い暴力に訴えることなく引き下がった。次の餌食を探しに行った。次の餌食も日本人なのだろう。◆イタリア政府はなぜこれらの輩を逮捕しない?スリを横行させる?偽造品を堂々と路上で売らせる?これらの輩を放置させていても美しい過去の遺産と大陽で世界中から観光客が絶えないのだから幸せな国だ。そして、だからこの国の人たちは心のこもった「おもてなし」をしなくてもよいと高をくくっているように私は感じた。

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2014年06月16日 ---- ボス

艶っぽい男って!

boss-c

7泊のイタリア出張から帰り、福岡1泊出張に続き週末グアムへ2泊の社員旅行に行ってきた。グアムでは猛暑の中ゴルフ2ラウンドをこなした。腰痛・膝痛・視力の衰え・切り傷などカラダはボロボロだがまだ「頑張ろう」という気持ちは強い。「気力は充実している」というところか。◆そしてこのようにバタバタとしている間に私は57歳になっていた。◆6月11日、「虎の門ヒルズ」のオープンと同じ日、ありがたいことに携帯電話やパソコンに「お誕生日おめでとう」と題するメールが幾つも届いた。学生時代の友人からのもの、飲み友達やゴルフ仲間からのもの、銀座のジャズバーやレストランからのもの。ホステスさんからのもの。どれも単に「お誕生日おめでとう」ではなく心のこもったメッセージが添えられていた。素直に嬉しかった。嬉しいのだが忙しさにかこつけて返信していないものも多い。返信したとしても「おめでとうメールをどうもありがとう。これからもよろしく」程度のものだったのだが・・。だが中に一つ・・・。◆ある女性から届いたメール。「(前略) 艶っぽく 色っぽい男でいてね」と送られてきたのにはつい返信してしまった。「艶っぽくも色っぽくもありませんが まだまだ頑張りますね」と。すると彼女からすぐに返信が。「いえいえ艶っぽくて色っぽいですよ。今度は艶会しましょうね。」だって。私はなぜか子供の時分から「艶」という字が好きだった。「艶っぽい」という言葉だけで舞い上がってしまうのに「艶会しましょう」とはどういうことだ?◆こういうメールに調子に乗ってしまうのが私の弱いところ。黙ってこっそりと秘策を練れば良いものを、ついこのコラムに書きたくなった。そしてこうして書いてしまった。◆彼女は堅いお仕事をされている方。私は浮かれているがそのメールには返信していない。もちろん秘策を練ることもしていない。

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2014年06月12日 ---- ボス

出張続き

boss-b

日曜日(8日)イタリアから帰国し会社へ直行。出張中に溜まったメールや郵便のチェックをするだけで随分と時間を取られた。そして翌9日、福岡へ一泊出張に飛んだ。福岡行きのANAのプレミアムシートに座ったのは午後1時50分頃だった。CAに上着を預け、村上春樹の新作『女のいない男たち』を読み始めた。何ページも読み進まないうちに猛烈な睡魔が襲ってきた。イタリア帰りの時差ボケの影響か。すぐに深い眠りに落ちた。機内放送の声で目が覚めたときは2時30分を回っていた。どの辺を飛んでいるのかな、と外を見るとすぐそこに羽田のターミナルが。まだ離陸していなかった。機内放送は、機体の整備に時間がかかっているのでもう少し待って欲しいと告げていた。◆結局、その機体は整備が間に合わず別の機体に乗り換えることとなった。機体を降り、バスで遠くのターミナルへ移動することになった。2時出発予定のフライトが3時40分発に変わった。100分遅れ。15年ほど前だったろうか、私が乗った機体が大分空港を離陸し20分程度飛行した後、エンジントラブルの発生により大分空港に引き返すということがあった。今回はあの時以来のトラブルだ。◆空を飛ぶものに事故があってはならない。心配な箇所を抱えたまま飛行してはならない。離陸した飛行機が引き返すことも、乗客が搭乗した後に整備調整の遅れで機体を乗り換えることがあってもしかたない。だれも苦情を言う者はいなかった。「落ちるよりはいいや。ね?」という男性の声が後ろから聞こえてきた。ANAのCAは丁寧に頭を下げ「申し訳ありません」を繰り返していた。◆バスに乗り新しいゲートに移動したところであの村上春樹の新刊を座席に置き忘れてきたことに気付いた。今更戻ることもできない。諦めた。千数百円の本、まだほとんど読んでいない。悔しいけど諦めた。諦めながらも、実は微かな望みも持っていた。「今日の飛行機はANAのプレミアムだ。これがJALならまず無理だがANAだから・・、プレミアムだから・・、ひょっとすると・・・」◆新しい機体に乗り込んだ。果たして、先ほど「申し訳ありません」を繰り返していた優しそうな顔をしたCAが私の席に来て村上春樹を差し出した。「これキノシタさま、先ほど読んでらっしゃいましたよね」と笑顔で言った。とても嬉しくなった。◆機体の故障はしようがない。腹も立たない。本を持ってきてくれたことは予想外の喜びになった。旅行や出張は楽しい思い出をいろんな形で提供してくれる。

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2014年06月11日 ---- ボス

関空

boss-3

現地7泊の「イタリア旅行」いや「イタリア出張」を終え、ミラノからルフトハンザ機に乗り込んだ。フランクフルトで乗り換えて日本を目指すのだがイミグレ(出国審査)はイタリアではなくドイツで通ることになる。今はヨーロッパが一つの経済国家となっているためだ。今回は「イタリア出張」であったのにパスポートには「成田出国」のあと「チューリッヒ(スイス)入国」そして「フランクフルト(ドイツ)出国」のスタンプが押されたのみ。私のパスポートのどこを探してもイタリアへ入った形跡はない。少し寂しい。◆フランクフルトから乗った機体はあの懐かしいボーイング747(ジャンボ)であった。フランクフルトを発った「ジャンボ」は直接成田を目指すのではなく一度関西国際空港(関空)に降りるという。迂闊だった。成田へ直接向かうと思っていた。どうりで「えらい長時間飛行だな」と感じたわけだ。まあいいか、ビジネスクラスでの移動だ、カラダはさほどきつくない。◆ジャンボが関空に着いた。半分以上が関空で降りた。私はそのまま成田へ運んでくれると思っていたらCAが「一度降りていただきます。保安検査場を通ってもう一度この機体へ戻ってください。保安検査場まではシャトル(ミニ電車)で行ってください。」と言う。私と同じルートでの乗客100人以上が「変なの」とか「なんで?」などと言いながらも指示に従った。関空ではイミグレも通関も通らない。保安検査場で「なにか健康に異常はありませんか?」と機械音に問われているところを素通り。その後なぜかまたセキュリティーゲートを通ることになる。この通過に30分。◆結局、成田ダイレクト便より2時間以上長い時間をかけてようやく帰国した。

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2025年01月07日 ボスの
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  • 午前接客(来客多数)
  • 午後事業計画チェック
  • 夕方西麻布某所で会食
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